情熱大陸 「壮絶!ヒマラヤ氷壁に挑む奇跡のクライマー山野井泰史

番組の単なるメモ。 

情熱大陸 「壮絶!ヒマラヤ氷壁に挑む奇跡のクライマー山野井泰史

生きていることが不思議だ。そうささやかれていた男がいる。
切り立った岩を登っていた。命綱などつけてはいない。

山にいるときの彼はイキイキとしていた。
家の中でボーっとしているより、山に登っているほうが何倍も落ち着く。

世界最強の登山家。
ソロと呼ばれる単独登攀。それは己との戦い。

酸素ボンベなど使わない。
より困難な絶壁を選んで、ダイレクトに登る。

山登りって言うのを知ったときから、ずっと発狂状態なんだよね。
誰かが僕を止めてくれないとどこまで行っちゃうのか。

自分が登りたい山だけに登ってきた。スポンサーなどつけたことない。

指を失ってもやめることをしない。
やめられないかもしれない。

不屈。

奥多摩の借家に暮らす。家賃2万円。
質素な生活。
山に行く予定がなくても、天気予報だけは見る。

4年前のヒマラヤ。ギャチュン・カン北壁。
下山中に大きな雪崩。マイナス30度。妻の救出に向かった。

命綱の先で妻は宙吊りになって生きていた。
山野井は視力まで奪われていた。手探りで降りた。
左手の小指は使わないだろうと、一本で岩肌を触りながら降りた。
そして、失った。

2人は奇跡的に自力でキャンプに戻った。
指を失って、輝いていた。ギャチュン・カンはいい登山だったと思う。
自分たちの能力を最大に使って、やりきった。

神々が住むといわれるヒマラヤにはまだ誰も登ったことのない壁がある。

これまで、道具を落とすことなどありえなかった。
ピッケルが思うように刺さらない。
若いコロはプライドがあった、他人の評価も気になった。
今は、困難な氷壁へのやりがいだけ。
八ヶ岳の氷壁が肉体に眠った記憶をよみがえらせる。
もう一度ヒマラヤへ。

ポタラ峰北壁。2005年7月。
指を失ってから7日間不眠不休で上りきった。
今迄で一番辛かった。高揚していた。夜は震えているだけ。

登った後の彼は本当にイキイキとしていた。

高校卒業以来アルバイトでためた金は山登りに使った。

酸素ボンベなしでエベレストを登りたい。小学生の文集。

登ることと生きること同じです。
生きることって言うと、生活のにおいを感じるでしょ。それはないね。

登ること=呼吸することに近いかな。

城ヶ崎 スコーピオン 彼が命名した。22年間に彼が攻略した壁。指を失ってから一度も攻略でずにいた。これが6度目のアタック。

スコーピオンを超えなければその先には進めない。
失敗した時、何度も叫んだ。心の奥底からの悔しさがあふれていた。

アタックは12回目を迎えていた。体中の細胞がヒマラヤの美しい稜線のマチェルモに恋焦がれている。

この日岩肌は雨に湿っていた。一瞬の絶望。この絶望が深ければ深いほどヒマラヤへの思いは募る。絶対にできるはずだ。ヒマラヤが山野井を呼んでいる。

今年の秋にマチェルモに挑戦する。

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