その場でしか沸き上がらない感情

いつものカバンで、羽田から出かける。

なんだか、いろいろな国に出かけ、国内もいろいろなところに出かけ、どこに行くのも近くのコンビニへ行くのと同じ感覚になってきた。ドキドキワクワクが昔のようになくなってきた。これは、いろいろな国にそれなりに行って、それぞれの異なる文化や自然、人々を見てきて、新しい発見が減ったのもあるんだろう。船に乗らないと旅情感を味わえなくなってきた

英語とか片言のスペイン語を話し、コミュニケーションをとる。もちろん、身振り手振り、表情なんかでも分かりあう。お互いのことをそれなりに共有していく。現地の食べ物を食べる、バスに乗り電車に乗りその国独特の地形や風景を見る、知らないことはまだ無限にあるけど、減っていく。

旅も飽きたとか思った。それは、旅を重ねたからだけではないだろう。

バーチャルが発達した。ネットで本当にいろいろなもの、場所が観れる。google street viewなんて、ネパールのトレッキングコースとか山、極北の街だって。世界中の人たちの考えもネット上ですぐに調べれるし、facebookやtwitterなどプラットフォームが世界で統一化してきているので、調べなくても現地の人の声に自然と触れる。もちろん、iTunesとかSpotifyというプラットフォームもすごく、世界中の音楽も聴ける。食事も作り方はネットでもいろいろ載っているし、レストランでも世界中のものが食べられる。物流はどんどん密に張り巡らされ、amazonという、こちらも最強プラットフォームで調べ、個別に輸入も容易だ。

そして、世界は同質化に向かっていると思う。もちろんインターネットという手段が大きいと思う。他の国のことを知ってしまうこと。物理的に海外の人が来て知ることもあるし、大前提として資本主義というものが、その方向へと向かわせる根底の力であるとも思う。

まあ、政治がどうのこうのしても、国民が他国のことをネットで知り得ることが可能になった世界、これ自体はいいなと思う。でも、俺は現地で味わいたい派だと言っていた。そんなことは、個人的な思いとして持っていた。まあ、経験主義なのだ。

ふと、キューバで買った音楽CDを聞いた。

なぜだか、盛り上がらない。あんなにもキューバで盛り上がったのに。なぜだ。なぜって、当たり前なんだけど。その土地の気候、地形、食べ物、そして人々の生活から生まれてくる音楽。だから、その土地じゃないと意味がない。

いろいろな国の音楽CDを買って帰って聞いているけれど、こんなにも違いを感じたのは初めてだ。ちょっと自分でも驚いた。国の色が色濃く出ている証拠なんだろう。

そして、キューバがまた、好きになった。

送信者 キューバ201503

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