日別アーカイブ: 2015/5/9 土曜日

【色鮮やかな国へ6】宿の親父がミュージシャンに変わる街

【色鮮やかな国へ5】このリズム、この夜がきゅーばそのものだ

送信者 キューバ201503

朝目を覚まして、朝食の前に散歩。サンチアゴデクーバは坂の町。どこもかしこも坂ばかり。坂があると、朝日や夕日が差し込んで、上から見下ろしたり、下から見上げたり、光の具合によって、街の雰囲気が一変する。そんな、この時間しか味わえない町を楽しむ朝の散歩。

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ここの朝食もキューバスタンダード。フルーツとパン、そしてガヴァジュース。ここの家族は本当によくしてくれる。いい家族だ。部屋も広いし、きれいだし、屋上からの夕日もきれいだし。でも、別の旅行者がドイツから来るから、今日は別の宿を探さないといけないと言われていた。荷造りをして宿を出ようとすると、親父さんがちょっと待ってと。ドイツ人が来るか確認するからと。はてさて、どうやって確認したかは定かではないが、20分後ぐらいに、明後日から来ることになったので、もう1泊OKとのこと。荷物を部屋に置いて、街へ出かけることに。

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特にやることはない、Pepe Sanchez Festival(ペペサンチェスフェスティバル)は今日も続く。夕方になれば、この祭りを楽しむのだが、日中は特にない。キューバはこれといってみるような観光地もないし、ということで街をぶらぶら歩きながら、バスターミナルまで行って明日のバスの時間でも調べることに。

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一人でぶらぶらと旅しない人に、海外に一人で行って何するのと聞かれたりすると、ぶらぶら歩いていると話してもなかなか理解されない。けれど、こうやってぶらぶら、ひたすら街を歩くことが一番面白い。その国の習慣とか、人々の性格とか、全てが見えて来る。歩いていると、話しかけられたり、話しかけたりして、一緒にお茶したり、どこかに連れて行ってもらったり、たまには家にお呼ばれしたりとか。

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まあ、今回もバスターミナルを目指しながら、街を歩く。日本でもキョロキョロしていると言われるが、いろいろなものを見て歩くため、普段よりもキョロキョロしながら歩いている。革命広場の前にあるビアスールまで。町の中心部は活気を帯びている。露天にサンドイッチが並び、公園では花を売っている、空を見上げるとキューバの国旗がたなびく、にぎやかだと思えば学校へ向かう子供達、キューバの日常の朝がリレーされていく。

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大通りには車が行き交い、ビアスールの近くにはキューバ人しか乗れないとされるバスが集まるバスターミナルがあった。やはり、外人向けのバスターミナルとは活気が違う。どちらかというと、こっちのバスに乗りたいが外国人はNG。学生の頃なら、意地でも乗ろうとしていろいろ交渉したり、試みたかもしれないが、そういった気力がなくなったのは、経験を重ねたからなのか、年のせいなのか。

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予定よりも早いペースで旅は進んでいた。ちょっと寄り道していかないと、やることがなくなってしまう。行く場所がなくなってしまうということで、カマグウェイという町に行くことに。チケットを買い、革命広場に。その向かいの芝生では、何やらラップっぽい歌をうたう歌手が二人。そして、彼らを子供が囲んでる。ついでなんで、覗いていくことに。中学生ぐらいの子供たちがノリノリだ。なぜだか、キューバ人のおばちゃんが、前に行け前に行けと、いい場所をあてがってくれた。さらに、パフォーマンスが終わると、歌手二人を俺に紹介してくれた。この感じ、この謎のおもてなしは海外を旅している時しか味わえない。

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また、てくてく歩くと、学校の遠足で来ている子供たちとはしゃいでみた。みんな元気だし、無邪気だ。そして、先生に怒られるというお決まりパターン。おれは再びてくてくと。この街にも大きな野球場がある、キューバ人の心。野球。それを強く感じる。近くにこの街で最も高級なホテルがあったので、入ってみた。wifiは使えなかったが、PCがあって10クックぐらいでネットをする。facebookとかも普通にログインできた。宿に戻って、お昼寝タイム。

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夕方になり、街の中心部へ。もちろん、おめあてはペペサンチェスフェスティバル。宿を出るときに、宿の親父が20時からブカネロでライブやるから来てくれという。はて??このおっちゃんはミュージシャンなのか?ただの宿の親父じゃないのか?まあ、行くよと伝えて街へ。日が落ち始めた街は、すでに盛り上がっている。街角にアンプを出して演奏し、人々は踊る。酒を飲む。いろいろな人が声をかけてきて、仲良くなる。片言のスペイン語と英語でなんとかコミュニケーションをとる。この瞬間も楽しいが、もっと言葉を喋れるようになりたいと思うのが、この瞬間。

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有名な太鼓の奏者なんだとか、おれはボクサーだとか、ビールをおごれとか、CD買ってくれとか、一緒に踊ろうとか。他の町であった外国人旅行者も多く集まっていた。エレキギターを使ったポップミュージシャンもいれば、オーケストラもいる、ソンとかトローバと呼ばれるサルサの原型になったと言われるキューバの音楽も。街角や公民館みたいなところ、広場、もう全てが音楽と踊りで溢れている。なんて陽気な国なんだ。

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リズムが良くて、こっちの体も自然にリズムを取り始める。オーケストラの演奏も立ち上がってやったり、おばちゃんが狂ったように踊ったり、かと思えばよちよち歩きの2、3歳の女の子が踊っていたりと。もう、小さい頃からこのリズムが体に刻み込まれているんだと、痛感した瞬間だった。そして、70過ぎのおばあちゃんがピンクのドレスを着て、30ぐらいのにいちゃんとダンスをする姿とか、老若男女という枠を超えて音楽を楽しむという、この文化がとても魅力的だ。

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この国は、社会主義だ。食料とかが今も配給されている。平均給与は月間2000円と言われている。ネットも不自由だ。社会主義で、これだけ不便で経済的にも豊かでないと、国民は楽しく生きられないかと思う。でも、この暖かい気候、そして音楽、踊り、豊かなフルーツ。これらが、この国の人々を幸せにしている。そう思えてくる。

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街を歩いていると、音が流れている方向へと自然と足が向く。バーみたいなところに入ると、宿の親父がマラカスを持って歌っている!おお、ここだったのか。写真を撮りながら聞いていると、うまい。声が伸びる、そしてリズム感がちがう!あの宿の親父に、こんな一面があったとは。別に、音楽の練習とかしてなさそうだったけど、音楽と踊りの遺伝子がこういう表現を可能にしていた。最後の演奏まで聞いて、握手をして店を出る。

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路地を歩いているとグアンタナメーラという、ブエナビスタソシアルクラブの映画で有名な曲が聞こえて来る。ホールに入って聞くよりも、赤色灯に照らされた路地で聞く、合唱が心地よかった。明日の朝も早いバスだ。街中のミュージシャンも減り始めたので、宿に戻って寝ることにした。

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