数年前に旅先であって、今もちょくちょく会う友達。
お互いの人生においてそれぞれ大きな意味を持った旅。
飲みながら当時の記憶を共有する。
お互い強く覚えていること、共に苦労したこと。
僕は忘れていたけれど友達の話しを聞いて強烈に思い出すこと。
自分1人では思い出せなかった記憶。
思い出せない記憶。
もう何年も経ったはずなのに、あの時にインドを旅した時が鮮やかに蘇る。
南米であった。
何度も会った。
ナスカの宿が同じだった。
片田舎の小さな村でばったりあった。
プーノのバスで偶然一緒になった。
最後はウユニ塩湖のど真ん中で再開した。
連絡先を聞くのは野暮だとおもって聞かなかった。
数年後、浅草でばったり会った。
「ペルーで会った」あの声は今も耳から聞こえる。
中国の砂漠を共にした。
彼は世界一周を始めたばかりであった。
何もない砂漠で二人夕日を見た。
日が落ちると暗くなり、気温は一気に下がった。
天には無数の星で溢れかえった。
砂漠で寝転がりながら語り合った。
また、翌日も同じ場所にいた。
彼が世界一周を終え、日本であった。
10冊にも及ぶアルバムに写真をいれて持ってきてくれた。
インドからネパールの強烈な国境越えを共にした福井の兄ちゃん。
同じ年代でこんなにも達観した人間がいるのかと驚いた。
かっこいいなと思った。
1度しか会ったことなかったのに福井まで行った。
実家に泊めてもらって語り合った。
数年前に八重山諸島のパナリ島で偶然あった。
彼女は僕が一番好きな星野道夫さんの本の装丁をしていた三村淳さんと一緒に来ていた。
東京に戻って数ヶ月がたったある日、メールが来た。
連絡先も名前も知らなかったけど、パナリを調べていて僕のブログを見つけてメールをくれた。
その1週間後ぐらいに、八重洲ブックセンターで声をかけられた。
その人だった。
パナリでは別の男性とも会った。
彼は1人で旅をしていた。
ちょっと変わった性格で、面白い人だった。
その翌年に僕はトカラを旅していた。
悪石島のフェリーターミナルに降り立つと、彼が立っていた。
パナリの次は、悪石島で会うとは。
パナリは3人しか住んでおらず、悪石島は70人ほどなのに。
トカラ列島の旅ではもうひとつ。
トカラはとてものどかで、人が良くて、温泉がいい島だった。
とても楽しんだ。
小宝島というトカラの中でも特に小さい島に滞在した。
同じ宿の親子と一緒になった。
とても元気でかわいい息子さんがいた。
僕は自分も子どもになった気分で、帰りのフェリーで一緒に遊んだ。
その年の秋に、また鹿児島の甑島を訪れた。
その時に、親子は屋久島に来ていた。
帰りに鹿児島市内に同じタイミングでいるということで一緒にご飯を食べた。
子どもの成長はこんなにも早いのかと驚きながら、とても楽しんだ。
波照間島のやどかり。
素泊まりの宿だ。
プレハブ小屋に男5人ぐらいが一緒に泊まっていた。
その仲間。
誰かが東京に来ると言えば飲み、何度か一緒に沖縄も行った。
みんな陽気で、本当に素敵なメンバーだ。
またいつかあの仲間と一緒に沖縄でワイワイやりたい。
そして、今日。
1通のメールをもらった。
ダイビングショップでお世話になった方から。
その時によく話したわけでもないが、金髪の髪の毛が印象的だった。
僕は数年ぶりのダイビングだったので、大丈夫か相談した相手だった。
でも、名前も知らなかった。
すると、突然メールが届いた。
youtubeで小笠原の映像を探していたら、僕がアップした動画をみつけてホームページにやって来たのだ。
そして、メールを送ってくれた。
とってもうれしかった。
書いてくれた内容も、ブログを読んでくれて、かつ価値観が似ている気がした。
仕事をしている日々にこういったメールが届くと本当に幸せだ。
この一瞬も小笠原を旅しているような気持になれる。
偶然の再会もあれば、旅が終わってからも仲良く飲む友達もいる。
どちらにしろ、旅が終わってからも旅は続いていく。
旅をしている時の様に刺激に満ちた時間とは違う、柔らかいものに包まれた旅の記憶の時間に連れて行ってくれる。
まるで夢の中で旅をしているかのような。
そして、僕はいつも旅の中にいる。
送信者 ドロップ ボックス |
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世界中でいちばん会いたい人に、また会えた
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旅は続く、旅が終わってからも。
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旅する力 深夜特急ノート 沢木耕太郎 新潮社
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カタチが作られていく
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旅は終わってからも続いている
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