長距離走った後は、何者かにお辞儀をしている。
「何者」と言っても明確な対象を意識しているわけではなく、自然と頭を下げ感謝したくなるのだ。
自分にも、サポートしてくれた人にも、主催者にも、走った道や山にも。
僕の場合、短い距離だとあまりこういった心境にはならない。
10時間とか走っていると、考えることなんて限られてくる。
あとどれぐらいでゴールか、終わった後に何を食るか、家族のこと、健康で走っている環境への感謝、走っている周りの環境や自然について、過去と未来の自分の人生。
自分の経験から言うと、東京から名古屋までただひたすら歩いた後、ハセツネで15時間以上も走った後、100キロマラソンで12時間ほど走りつづけた後。
他の選手を見ていても、サハラマラソン、ロングのトライアスロン、100マイルのトレランレース、日本海から太平洋まで山を走るトランスジャパンアルプスレース、何年にも渡る徒歩や自転車での旅など。みんな感謝の気持が沸き上がってきているように思う。
本当にありがたいなと思えてくる
自分だけでは生きれないって純粋に思えてくる。
全ての物に支えられて、何とか生かされている。
最近のあまりにも美しい夕焼け空と富士山を見ていたら、こんなことを思い出した。