朝夕の暑さが和らぎ、
気がつけば過ごしやすい日々が訪れている。
あの重く暑い空気も去り、
爽やかな風が鼻孔を吹き抜ける。
ああ、蝉の鳴き声を聞かなくなったと思えば、
涼しげなコオロギや鈴虫の鳴き声が耳に入ってきた。
空を見上げれば雲が高くなり、
空が高く感じる。
裸で眠っていると
夜中に肌寒さを感じる。
気がつけば秋の味覚を
味わうようになっている。
9月の訪れとともに夏が終わりを告げ、
そろそろと秋がやってくる。
小さい頃は意識もしなかった季節の変わり目。
昔はいつの間にか夏になっていて、冬になっていた。
その間なんて気づきも、気になることすらしなかった。
けれど、様々な時を重ね、
季節が変わっていく小さな変化を感じるようになり、
いつの間にかそこに豊かさを感じていた。
海に行き、
川に行き、
山に行き、
旅をした夏もこうして終わっていく。
さて、こんな夏もあと何年だろう?
そんなことを毎年のように思いながら、
突然やってくる「終わり」のない最後に備えている。
その備えは、夏を全力で楽しむこと。
僕の中の少年は、そう語りかけてきた。
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