日別アーカイブ: 2010/9/12 日曜日

海の旅で出会ったことは54分34秒では終わらない時間のつらなり。

水泳を再開したのは約1年前。その経験を試すべく第4回おんじゅくオーシャンスイムレースに参加した。今回は3kmのレース。初めてのオープンウォターの大会かつ3キロ連続で泳いだこともなかったので、ワクワクドキドキしていた。

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日帰りでも行けないことはないレースだけど、土曜朝の受付が早いのと友達と一緒だから御宿の町を楽しむと言うことで、2泊することに。金曜日の夜に仕事を終え、特急に飛び乗る。御宿は外房にあり、勝浦の隣にある町だ。東京駅から特急わかしおで1本。1時間30分で到着。特急料金を入れても3000円と比較的アクセスのよい場所だった。友達2人はすでに御宿に到着しており、1人で追いかけることになった。

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電車で夕食をとり、あっという間に御宿に到着。寝ようと思ったけど、寝たら寝過ごしそうだったし時間もなかったので、ぼーっとして過ごす。到着すると、御宿駅まで宿のおばちゃんが迎えにきてくれ、車で宿に。ちょうしちとんINNという駅から15分。海までは3分と言う便利な場所のお宿。宿に着くと、なんだか楽しげな2人がそこにいた。道に迷って俺よりも10分早くついただけと言う(笑)今日はおとなしく寝ようと言うことで、風呂に入って睡眠。

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朝早く起きて、チョコパンなどを食べ、スポーツドリンクとアミノバリューをゴクゴク。食い過ぎもよくないので、適度に食べて、海へ。海へは歩いてすぐなのがありがたい。広くきれいな砂浜が長く続いていた。既に黄色い浮きが見える。こんなにも長い距離を泳ぐのかと思うとびっくりだ。「長いねー」と話しながら、会場へ。受付を済ませると、肩にゼッケン番号をマジックで書かれた。「408」番。以前アクアスロンの大会に出たとき以来だ。肩にゼッケン番号を書かれると、ついに始まったと思うと同時に身が引き締まる。ついでに、水色のシリコンキャップももらう。このキャップで泳ぐらしい。ライフセーバーが誰がレース参加者か分かりやすくするため。

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そして、水着に着替える。今回は朝の時点で水温が24度だったらしい。ウェットスーツがなくても問題ない。いつもの膝までの赤い水着を着て、いざ浜へ。日陰で休み、友達にバナナをもらう。そして、水分補給。 試泳の時間が決まっているので、5分ぐらい海に使って水の温度や波を確かめる。さてさて、開会式も始まり準備運動をして、ついに大会スタート。まずは1.5キロの部から。200名強の選手がエントリーしている。スタート地点でコースの説明。この大会はライフセーバーが30人ほどいて、安全面もしっかりしていた。1,5キロには友達も出るので、写真をパシャリ。

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選手を見ていたらウェットの人は2割ぐらいだったかなー。みんな真剣に説明を聞き、スタート。なんとスタートはみんなで10秒からカウントダウンするという古典的な方法かつアバウト。いいね。手作り感たっぷりの大会。「3,2,1,スタート」のかけ声とともに最前列の選手は飛び出した。後ろの選手はゆったりと歩いて海に入っていった。海に入ると誰がどこを泳いでいるのか分からないので、
日陰で一休み。アナウンスを聞いて待つ。トップの選手は独走らしく、20分を切ってのゴールだった。

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そろそろ友達がゴールするだろうと言うことで、ゲートのところに。するとちょうど自ら上がってくるところだった。無事に1.5キロおめでとう。祝っている時間もなく次は自分たちのレース。今回は水泳仲間のGOさんと同じ競技に出場。ゴーグルの曇り止めをかしてもらい、さて始まる。スタートゲートに集合して、コースの説明を受ける。3キロの競技は1.5キロコースを2週。ただ、1週目が終わったら一度砂浜に上がってくる必要がある。

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ついにスタートだなと感じながら、でも無駄に緊張しても意味がないので、体をほぐして、深呼吸をしてその時を待った。ガタイの良い男達がゲートの下に揃い、「スタート」と共に走り出した。僕も非常にリラックスしてスタートを切った。砂浜を走り、海に突入。浅瀬は走った方が速いので、太腿を大きく上げて、走る。そして、大きな波がきたチャンスを見計らって、海の中にザブン。

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噂通り、人が多くてぶつかった。さらに、水の透明度が低いので、どこに誰がいるのかが分かりにくかった。まあ、仕方ないので自分のペースで泳ごう。直進して、俵の浮きを旋回。まずは左側に進んでいく。最初はどんな泳ぎが一番良いのか分からない。早く進むということ、そして進む方向を誤らないこと。この2つが重要だ。そこで、クロールをしながら息つぎを前を向いてした。それをしばらくしたが、イマイチ進みが悪い気がした。方向は確かに分かるのだが、なんだかバランスが悪い。横波が体に打つ寄せるタイミングと泳ぐリズムが合わない。そこで、プールでリズムよく泳げる泳ぎ方に変更。クロールをして息つぎは横を向いてする。これは方向が確認しづらい。確認の方法としては回りにいる選手の動きを見て、自分の位置を把握する。他力本願で相対的な位置しか分からず、自分の客観的な位置は把握できない。うーん、悩ましい。まあ、今回は初めてのオープンウォターのレースなので、海で泳ぐことの「感」を掴むことが最重要。いろいろと試してみることにした。

続いて、平泳ぎ。これは前を見て息をするので方向は確認できる。さらに楽。周りを泳ぐ人よりも遅いと言うわけでもない。ただ問題が2つ。足を開いて進むので周りの人に当たる可能性が高い。もうひとつはかっこ悪い。みんな、ほぼ100%クロールなのに1人だけ平泳ぎで泳ぎ続けるのはかっこ悪い。続いて、潜水してドルフィンキック。これも波の影響を受けづらいのでアリなんだけど、透明度が悪いところでやると何処を泳いでいるのか、周りに人がいるかが全く分からない。あと、息がしんどいし、水中から顔を出した時に位置を確認しづらい。まだ、まだ試します。次は潜水して平泳ぎ。手を大きくかいて進む。波の影響は小さく、進むスピードもそれなりに早い。息つぎの時に位置も確認しやすい。ただ、かっこ悪いという問題が。

と、このようにいろいろ試した見た結果、普通にクロールしてたまに平泳ぎで位置の確認というのが良い気がしました。その次は潜水して平泳ぎかな。と、こんなことをいろいろ試しながら泳いでいた。700メートルの直線はかなり長く感じた。そして、泳ぐ向き的にも水をかわすパワーが必要だったと思う。そんなこんなで1週目が終了。いったん浜に上がって、ポイントをぐるっと回って、また海へ。するとそのポイントに水が。のどが乾いていたので非常にうまかった。

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スタートと同じように水の中へ。2週目は波が高くなった。水を飲まないようにクロール。空を見上げる余裕もあり、成田の離発着飛行機が空をよく飛んでいた。ああ、ずっと泳いでるなーと思いながら、また700メートルの直線は長いなーと思って泳いだ。実はスタート直後におしっこがしたくなった。海の中だからしちゃえと思ったが、レース中で精神が緊張しているためか、出ない。平泳ぎにしてリラックスをしたつもりでも緊張しているらしく出ない。うーん、軽くなって泳ぎたいのにと思っていた。でも、2週目はもう諦めて泳ぐことにした。

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自分の位置を正確に把握して、無駄なく泳ぐのは難しく、あっちに行ったりこっちに行ったり。右に行き過ぎてひとりぼっちだと気づいて左に軌道修正すると左に行き過ぎる。波が横から体に打ち寄せるので、なかなか方向を定めるのが難しかった。出来るだけ遠くの目標物を定めて泳いだけれど、まだまだ修行不足。そうこうしているうちに、残り数百メートルに。まだまだ体力は有り余っていて、疲れていない。けれどゴールだ。疲れていないのですこし物足りなさも感じた。ゴールに向かって、泳ぎ切る。ふー3キロ終了。浅瀬に立ったとき、無事に泳げてホッとした。ゴールには友達が待っていてくれて、声援をくれた。

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結果は84位で54分34秒。まあ、まあかな。多分5分は簡単に縮められると思う。初めての海の大会で感覚が少し掴めたことやいろいろ課題が見つかったので、非常に有意義だった。そして、3キロでこの疲労ならばトライアスロンのアイアンマン(スイム3.8キロ、バイク180キロ、フルマラソン)もいけるんじゃないかとい自信がついた。今回の記録は1週目も2週目もほぼ同じタイムだったことからも疲れていないことが分かる。

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一方で、疲れるほどに海を泳ぐテクニックがないというのが正確なのも事実。波を理解し、波を上手く活用して泳ぐテクニックが必要だと言うことが分かった。そうすることによって早くなるし、結果として疲れるぐらいのスピードで泳げるのだろう。実感として波を受けて泳ぐことによって、プールのような閉じられた場でうまく泳ぐのとは違うことが体と脳で理解できたし、その経験を積む必要性も分かった。波や潮、水温などを正しく把握し、それを活かした方法で泳ぐ。経験と知力と体力の勝負。若いから早く泳げるわけでもない。だから、面白い。

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ゴールして、伊勢エビ汁をもらって宿に戻る。今日も宿泊するので宿でシャワーと風呂に入れるのがありがたい。それから、ちょっと遅い昼食。扇寿司で海鮮のぶっかけ丼。全員の完泳を祝ってビールで乾杯。どんぶりの魚もとっても上手くて、すぐに食べ終えた。

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6時から夕食なのに、腹が減らないと言うことで散歩。大会会場では4キロ競技が終わりに近づいていた。アナウンスで残り数名の選手がゴールすることが分かった。ゴール地点に向かう。残り2人。1人が見えた。波に飲まれながら一生懸命泳いでいる。一生懸命の顔と笑顔。僕は人の表情でこの2つが最も好きだ。本当に美しいと思う。スポーツはその2つが同時に見れるのがいい。もちろん仕事でも真剣にやっているから、その顔もいいんだけど、他者にはその真剣な顔をしてやっている仕事の内容が分からない。けれど、スポーツなら何をやっているか分かる。真剣に走っている。真剣に泳いでいる。一目瞭然だ。そして、その結果としてゴールした時の喜びの笑顔。選手のそんな2つの表情をみて、心打たれた。

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ついに、最後の選手が見えた。大きく手を回して泳いでいる。黒いウェットをきた選手だ。波にもまれながら徐々に大きく、その存在が見えるようになる。少しずつゴールに近づく。みんなが大きな声で声援を送る。浅瀬で少しよろめきながら立ち上がる。引き締まった強い表情で、ゴールに向かって一直線に走る。すると1人の女性が前に出た。そして、駆け寄っていった。男性の顔がいっきに柔らかくなり、満面の笑みになった。女性を抱き寄せた。4キロの長い旅を終えゴール。2人の表情は美しかった。良い夫婦だなとつくづく思った。オープンウォータの大会でこんな場面に出会うとは思ってもいなかった。

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それから会場に出ていた店で派手な水着を買う。練習用の水着が欲しいと思っていたのでいいタイミング。それから、駅前の郷土資料館に。なぜだか世界中の古い教科書が置いてあった。パプアニューギニアの30年ぐらい前の国語の教科書なんかを見た。いい時間になったので夕日を見に行こうとメキシコ記念碑へ。歩いて15分ぐらいのところに、高い塔が立っていた。想像していたよりも眺めが良く、人もいないのでゆっくりと景色を楽しんだ。と言いたいところだが大きな声で歌を歌い、スペイン語で兄弟と言う意味の「エルマーノス」と叫んでいた。拳を天に高く上げて、「エルマーノス」。夕暮れの空と海を背景に、「エルマーノス」はなかなか気持が良かった。さらに、中学で習った合唱曲「サンタルチア」なんかも歌って、最高に気持よかった。塔からすこし移動したところに東屋があって、そこからは海岸線が見え、とても美しい光景だった。

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宿に戻って夕食。夕食はかなり豪華。金目鯛の煮付け、サンマ、ハマチ、マグロの刺身、有頭エビのフライ、サザエなど。ゆっくりと夕食を楽しみ、部屋で少し休んでから浜へ。宿から3分で浜なのがうれしい。人もいなくて浜で寝転がり星を見上げた。雲が多く星はあまり見えなかったけど、波が押し寄せる音を聞きながら寝転がって夜風に当たっていた。でも、やっぱり歌いだしたくなり、歌を歌い、砂浜を裸足でジャンプして走り踊ってみたり。無邪気な時間を過ごした。適度に疲れたところで就寝。

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翌朝、荷物の準備をしてまた浜を歩く。今日は伊勢エビ祭りの初日ということで出店やらがたくさん出ていた。さらに、伊勢エビを求めるお客さんで溢れかえっていた。こんなにも伊勢エビ祭りに人が訪れるとは驚きだった。僕たちもちらし寿司、イカ焼き、サンマのうの花酢漬けなどを買って食べた。思わぬ祭りがあってよかった。そして、東京へと戻った。

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マラソンやトレランの大会にしろ、1人か2人でしか行ったことがなかった。でも、3人で行くとまた旅行気分になって楽しいもんだなと実感した。1人の時は本当にレースで勝負しにいくだけなんだけど、そこにレジャーの要素が加わる。今回の御宿もレースがなければ訪れることはなかった場所。こんなに便利な場所に、良い海と良い展望台があったなんて。大会と旅行を一緒に楽むという、新たな遊び方を知った3日間だった。

【個人結果】
種目;3kmコース
ゼッケン番号:408
タイム:54分34秒
順位:84位

【持ち物】
水着
ゴーグル
スイムキャップ
セーム
カメラ
スリッパ
シャツ
パンツ
歯ブラシ

【食料】
パン
パワージェル
スポーツドリンク
バナナ
おにぎり

【あるとよいもの】
ゴーグルの曇り止め
帽子
眼鏡ケース
レジャーシート

【宿泊】
ちょうしちとんINN(素泊まり3500円。夕食つき7000円ぐらい)

大会概要
◆大会名
 第4回おんじゅくオーシャンスイムレース&ビーチチャレンジゲーム
◆開催日
 2010年9月11日(土)
◆会場
 千葉県 御宿町 中央海水浴場 (網代湾)
◆種目
3kmコース
 <参加条件>連続して3kmを105分以内で泳げる高校生以上の健康な方
 <定員>250名(223名エントリー)
◆コース
浜から沖へ100メートル程泳ぐ。
俵型の浮き(ブイ)が左右にあり、中心に三角の浮き(ブイ)がある。
左の俵型の浮きと、中心の三角の浮きの間を抜けて、左(東)へ泳ぐ。約350メートル。
そこに黄色い三角の浮きがあるので、そこを時計回り(右肩を浮き側)に回る。
そこから、真っすぐ直線700メートル程。
そこにも黄色い浮きがあるので、今度も時計回り(右肩を浮き側)に回る。
そして、スタート地点の所まで泳いで、三角と俵型の浮きの間を抜けて、砂浜に。
1回陸に上がって、ポールをぐるっと回って、水分を補給してもう一周。
1.5キロのコースを2周してゴール。

◆参加費
 <3kmコース>5,000円/1名
◆スケジュール
 8:00~   ウォーターパーク(町営プール)前にて受付
         (※午後の部参加の方は、12:00までにお越しください)
 9:30~   開会式・競技説明会
 10:00~   1.5kmの部 スタート
 11:00~   3kmの部 スタート
 13:00~   50mの部 スタート
 13:30~   4kmリレー・ソロの部 スタート
 16:00~   表彰式