日別アーカイブ: 2010/9/5 日曜日

学び舎

夏の暑さも盛りを過ぎたからか、夜風に当たりながら考え事をしたり、物思いに耽ることがしばしばある。きっかけは先日芸大時代の友達から電話をもらったことが理由のひとつかもしれない。

そんな時に自分と言う人間がどのように作り上げられてきたかを考えると、生まれ持った性格や両親、小さい頃の先生に大きな影響を受けた。そして、その時に経験したこと。ただ、これらは途轍もない大きな影響を受けているけれど、自分が意志を持って行動をする前のことである。

僕が意志を持って、飛び込んでいった世界を考えると、大学以降だ。そんな世界、言い換えれば僕に取っての学び舎といえば、東京芸大だった。そして昨年のSWITCH。なんといっても旅である。走ることなどの時間も考えを巡らすには非常に貴重な時間だけれど、これは1人のことであり、学び舎とは言いがたい。

芸大であり、SWITCHであり、旅は僕にとってかけがえのない場所で、こんな場所に出会えて良かったなと思う。どれをとっても出会っていなかったかもしれない場所だと考えると、本当に巡りあいというものに感謝する。

昔はアートとか芸術なんて全く興味がなく、否定していたけれど、人間の脳とか意識に興味を持ち、茂木さんの本に出会い、授業が芸大であることを知って芸大に飛び込んだ。他大学の授業に潜るなんて初めてだし、芸大と言う少しばかり異色の空間だ。初めての日に校門まで来て、ビビって一回引き返した。でも、せっかくだし殺されるわけでもないから、行ってみようと教室に行った。そうしたらその教室には3人しかいなかった。どうしようもない。潜りがバレる。でも、ここまで来たら何でもいいや。吹っ切れた。そして授業は始まった。結果的に人が少ないからこそ、芸大のみんなとも仲良くなれ、色々な議論を繰り返すことが出来た。授業後の飲み会も非常に思い出深い時間だった。そして、アートとか芸術に興味が非常に強くなった。大きな影響を受けた学び舎。

SWITCHのクリエイティブライティングも興味はあったけれど授業料が高かったのもあって1年目の開催は申し込みを止めている。そして、2回目で、申し込みをすることにした。運良く選考課題の文章が通りクリエイティブライティングに通うことが出来た。色々な仲間がいて、毎回真剣に自分自身と向き合い、そして文章を書き、当日はみんなの前で朗読し、新井さんに講評をもらう。なんとも精神的に疲れる時間だったけれど、密度の濃い時間を過ごすことが出来た。実は3年目の今年は開催されていない。去年偶然参加できて本当に運が良かった。

最後に旅。昔から海外には興味があったけれど、ビビリな性格なので1人で飛び出すことはなかっただろう。けれど大学1年の時に友達3人とトルコに行くことになった。これも偶然だ。大学4年にこんな機会があっても遅すぎる。1年生にこんな機会があったから大学という時間のある時にいろいろな場所に行き、いろいろな価値観や文化や人に会い衝撃を受け考えることが出来た。毎回想像もしないテーマの授業が突然始まるのが旅だった。

こういった場所はその時が過ぎてから本当にありがたかったと気づく。そしてまた、偶然巡り会うであろう学び舎に身を置きたいと思う。

そう、帰る場所が産まれた場所であるならば、学び舎は人生の節目で立ち寄りたくなる大切な場所なんだと思う。そんなかけがえのない場所。

こうした学び舎にいくつか身を置いてくると、いつかはそんな学び舎を自分でもひらきたいと思うようになる。

送信者 ドロップ ボックス

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今日は表参道にあるSWITCH編集部地下にあるRainy day book cafeに行った。去年のクリエイティブライティングを共にした5人ぐらいの仲間や新井さん、絵描きの下田さんとも久しぶりに話せて、こんな文章を書きたくなった。