那覇の夜、音の力、人の力


前回の旅日記 [台風の去った沖縄では、夏がまだ続いていた]

那覇に着くと、インタリュードへ行った。
以前から一度行ってみたいと思っていた。
なぜかと言えば、旅仲間が絶賛していて、何度も足を運んでいたから。ただ今回の沖縄は人数が多いので微妙だと思っていたのだが、それよりもまず行ってみたいという気持ちの方が強かった。

店の前に到着すると、古めかしい看板に「インタリュード」と書かれていた。
ここか、そう思って店内に入る。小さな店内には2人ほど先にお客さんがいた。

ジャズシンガーでもある与世山澄子さんが、この店を切り盛りしている。
席につくと、優しい声で与世山さんが飲み物の注文をとってくれた。しばらく、飲みながら談笑しライブを待った。
一人の男性が無言で店内に入り、ピアノの前にすわった。手を慣らすかのように、サラッと音を奏でた。
キッチンからドレスアップした与世山さんが、登場しピアノの横に立って挨拶をされた。

歌いだした瞬間、ズシンと胸に何かがぶつかったような感じを受けた。与世山さんの歌声は重みがあり、心の奥底までも伝わってくる歌声だった。
新しい曲に入る前に、与世山さんが曲の説明を優しく語った。空から降りてきた言葉を、与世山さんがひとつひとつ拾い集めて話しているようだった。
とても丁寧に、そして優しい言葉だった。
歌い始めると一変して、何があっても動じない、揺るぎのない力強さをもった声で曲を歌い上げた。
歌の説明をする与世山さんは女神で、歌う与世山さんは男の神のようだった。
聞いたことのない英語のジャズだったので、どんな曲なのかは分からない。ただ、言葉のひとつひとつ、そして曲の塊として身に迫り圧倒されるものを感じた。

その後、CDを買い、友だちの家に戻り寝た。
翌日はフェリーで座間味島へ向かう。

続きは次回。[まるで雲が流れるように、船が動きはじめた]

送信者 座間味島'08

[灯りのともったインタリュード](PENTAX K10D ISO: 1600 露出: 1/2 sec 絞り: f/7.1 焦点距離: 16mm)

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