日別アーカイブ: 2015/8/30 日曜日

トレイルランナーヤマケンは笑う

最近、本を読んでいなかった。
特別な理由はないのだが。

「トレイルランナーヤマケンは笑う〜僕が170kmの過酷な山道を”笑顔”で走る理由〜」

読書リハビリ一発目というか、モチベーションアップ一発目。
雨の中走るために、本屋で買って2時間で読み、荒川沿いを25キロ走ってきた。

まあ、それはいいとして。

山本健一さん、通称ヤマケンさんの本。トレイルランナーの中でも、好きな選手の一人。理由は単純で、本当に山を楽しそうに走るのだ。笑顔だと体は良い反応を示す。感覚では分かっていたけど、以前ミウラ・ドルフィンズの低酸素室でそれを数値でも実感した。俺もトレランしてる時に笑うし、きれいな景色を見れば叫ぶし、前後するランナーと会話を楽しむ。

まあ、俺の話はいいとして。

この人、笑顔がいいのだ。

まあトレイルランナーの中で、1,2を争うイケメンだし、写真うつりも良いからってのはあるだろうけど。ヤマケンさんを見ていると、こっちまでワクワクしてくる、そんなエネルギーを周囲に振りまいている人物だ。まあ、こっちが勝手にワクワクしているだけなんだけど、笑顔の連鎖ってやつだ。

まあ、俺がワクワクする話はいいとして。

で、本を読みながら、こんなことを思う。

もっと、この人の人生を見たい。
もっと、もっと見たい。
心の機微も知りたい。
人の見た風景も、見てみたい。
どんな世界を見て、何を感じて、何を考えて、何をしたのか。
それをみたい。もっと知りたい、もっと知りたい。

インターネット以前と比べると、こういった芸能人みたいな人以外の特定の領域の有名人の映像や文章は読めるようになったけれど、もっと知りたい。いろいろな素敵な人生を送っている人をもっと深く知りたい。そう思う。

これは、昔からなのかもしれない。

他人に興味ないねって言われる。ことも多いが、
それは、真であり、偽である。

どうしても気になってしまう人がいる。
それは、1%か3%か、その程度なのだが。
99%か97%か知らないが、それぐらいの人には興味が無い。

その1%がヤマケンさんだ。

だから、世界の人の人生がもっとネットに乗ればと思う。
それは、文字データも写真も、映像も。いつか未来には脳波とかも。

情熱大陸がずっと好きだ。これも、同じ理由なんだろう。
自分の知らない世界を見たい。
惚れやすい人間なので、かっこいい生きかたをしている人を見ると、心の底から沸き上がる物がある。

小学生か中学生かなんて覚えていないが、その頃からずっと見ている。
テレビがない生活をしているが、気になる人の時はスマホのワンセグで見る。

笑顔と真剣な顔が好きで、探求者が好きだ。
己の軸があって、それに従って生きている人。

思い出せば、何年か前にヤマケンさんも情熱大陸に出ている。
再びこのブログを書きながら見てみた。

改めて思う。
何が一番好きかといえば、山が好きなんだと思う。
縦走が好きだ。
テントでのんびり歩き、汗を書き、美しい山を眺める。
夕日、星空、朝日、山の中での温泉、山の上での食事。
明日の天気にやきもきしながら、シュラフへと潜り込む夜。

でも、トレランも捨てがたい。
あの肉体を伴う高揚感。
脳だけでもない、肉体だけでもない。
両方が融合した頂点の状態、それを実現できるひとつがロングトレイルランニング。

僕のホームページのトップに引用している言葉

Exploration is the physical expression of the intellectual passion.
(A. Cherry-Gar-rad)

まあ、そういうことだ。
冒険とは、知的好奇心の肉体的表現であると。
フローとかゾーンと近いのかもしれないが、100マイル中の感覚はそれともちょっと違う気がする。

しばらく走ってなかったけど、また山を走りたいなと思った1週間だった。

送信者 記録

http://teratown.com/blog/2013/10/05/yssyyeyeyiyoyyoyaeyaeyye/

気に入った言葉の引用

P31
彼から学んだのは、自分に自信を持つことが、いかに大きなことなのか。
大会に勝つことが自身につながるわけではない。むしろ日々の蓄積が、何より大事。
たとえ足が早くなかったとしても、毎日部活に出ている。誰よりも部室の掃除をしている。集合時間には絶対に遅れない。何だっていい。
ほんの些細なことが自分を律していく。

P51
彼に向かって話したことは、自分の体を通じて感じたことだけだった。体験した以上のことは何も話せない。だからこそ、できるだけ多くの人と交わりながら、いろんな経験をしたいと思う。

P72
繰り返し訪れる急落と急登に、ワクワクした気持ちよりも疲労感のほうが強かったかもしれない。とにかくレースが終わったあとの欲求のことばかり考えていた。今、考えれば、それは苦しかったことの証だと思う。レースを楽しんでいるというよりも、苦行。修験道を走っているようなもの。

P86
すべてを受け入れるという、今までにはまったくなかった感覚。なぜか、いろんな欲求が落ちていった。今はほとんど動けないけれど、もう一度走ることができたらいいな。素直にそう思うようになった。

P98
一度勝つことができてからは、さらにレースに対する欲がいっそうなくなっていった。

P99
自分が限界だと思っていることをどんどん捨てていくこと。できるだけ勝とうとしないこと。体を硬くする要因を頭の中から排除することさえできれば、自分の中に眠っている力を引き出すことは誰にでもできる。

P105
僕は。「人生は極上の遊び場」だと思っているんです。越中隆雄さんの言葉

P113
がんばろうという気持ちなんてほとんどなくて、心のなかはありがとうで満たされている。中略 あらゆる人々、あらゆる事象に感謝して走っていた。

P116
街はもう人であふれていた。ゴールで仲間が迎えてくれた時の多幸感は、やっぱり言葉にするのは難しい。だから、みんなに走ってほしいと思うのかもしれない。

P162
いかに潜在能力を”自分の意志”で引き出すことができるか。 中略
自分の深い内面にも、あるいはもうひとつの違う次元にも、もっと世界が広がっていることをしりたいという好奇心なのだ。

P176
体は必ず状況に慣れて、新しいゴールまでたどりつく方法を提案してくれる。 中略
痛みが出てしまった時のコツは、痛みをそのまま受け止めないこと。 中略
眠気と痛みとでは、脳内の対処法は異なるけれど、意識を外に向けるという点では共通している。体の引き出しから、近しい経験を引っ張りだして、アレンジして使えるようになるまでに12時間かかったということなのかもしれない。

P181
もしも僕に人より優れたところがあるとすれば、ひとつは胆汁なところ。
もうひとつは人から力をもらう能力がるということ。

P204
超長距離は、より自由に、より自分が楽しむために走るもの。そうでなければ、ゴールにたどりつくことさえできないから。