日別アーカイブ: 2011/9/22 木曜日

【PNG紀行4】ついにマウントハーゲンショー2011へ

前回までの旅日記はこちら【PNG紀行3】祭りの始まり

パプアニューギニアでもトップ3に入ると言われる祭りのひとつ「マウントハーゲンショー」がついにやってきた。小規模な個性的な祭りのほうがディープに味わえたりコミュニケーションが取れるので好きなのだが、そういった意味ではなく祭りとして盛り上がるのはやはり大規模なものが楽しい。8月中旬の土日で毎年開催されている。

送信者 パプアニューギニア2011

外国人は参加料として2日間で300キナ(1万2000円)というかなり高額な料金を払わないといけないが、各地から非常に多くの部族が来て装飾をしてといったことにもお金がかかるので、その代金と考えれば妥当なのかもしれない。参加のチケットは紙の安っぽいものだと思っていたら、パプアに似合わずプラスチックカードでびっくり!シリアルナンバーも入っており、俺はちょうど「100」。なんか縁起がいいかんじがして、それだけで嬉しい。

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朝起きて、いつものようにパンをかじり、バスに乗って会場である広場へと向かう。空港近くのラグビー場だ。この国ではオーストラリアやニュージーランドなどオセアニア地域の影響もあってかラグビーが非常に人気のあるスポーツなのだ。町には他にスポーツ施設なんてなにもないが、ラグビーができる競技場だけあった。とはいっても、芝生にポールが立っているだけなので、簡単な施設だけど。

送信者 パプアニューギニア2011

地元の人も歩いてぞろぞろと会場に向かっていた。もちろん各部族のシンシンを楽しみにしている人もいたけれど、大半は盛り上がっている場所にたむろしにきているという人だった感じがした。会場の近くには露天がたくさん出ており、肉や芋、サトウキビなどが売られている。そして、お土産なんかも並んでいた。

送信者 パプアニューギニア2011

会場につくと、各部族が化粧や着替えをし、シンシンの練習をしていた。毎晩のように雨が降るのでぬかるみが多く、足は泥だらけ。こりゃ、パプアの人が裸足なのもうなずける。町を歩いていても3割は裸足。4割がスリッパ。3割が靴といった感じ。裸足でも何一つ不自由はないし、お金もかからないし、汚れても洗えばいい。ガラスでも怪我しないぐらいにがっしりとした分厚い足をしていた。

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まあ、余談はさておき、各部族の準備を見てまわる。昨日楽しんだパイワショーよりも多くの部族が集まっており、昨日とはまた全然違った衣装や化粧の人たちも多い。本当に多様で、見ていても飽きない。そして、パプアの青空と彼らの化粧や衣装がバッチリと合うのだ。パプアの空には、現地でとれたものを身にまとい、自生の植物からとれた香料で化粧をしたパプア人がよく似合う。よそ者の俺らみたいなものでは到底追いつけない自然さ。

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ぐるぐる回っていたけれど、日本人は俺を含めて2人しかいない。外人は300人ぐらいか。外人は日本人2人に対して、ヨーロッパとオーストラリアが多かった。インドと台湾なんかも。オーストラリアは近いからわかるが、フランスやドイツなどヨーロッパから来るってなかなか気合入っているなーと。

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ショーが始まると、いったんラグビー場の外に出された。そして、各部族がそれぞれのシンシンを披露する。このショーはコンテスト形式となっており、各部族のシンシンを審査員が評価して、優勝グループを決めるというもの。だから、各部族が順番にラグビー場に入ってきて、ぐるっと1周回りながら踊る。

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何グループほどいたかは正確には分からないけれど30ぐらいじゃないかと思う。昨日パイワ村で見たのと同じ部族も何組もいた。2列に向い合って座り、体を揺らしながら歌う部族。体を真っ黒に塗り木で銃を模した物を持って整列して歩くグループ。日本の日の丸のデザインをした大きな帽子をかぶったグループ。顔や体に黄色い泥を塗って亡くなった子どもを悲しむグループ。鮮やかな鳥の羽をさして踊るグループ、山のエリアなのに綺麗な貝殻をたくさん身にまとったグループ、木で作った仮面をかぶったグループ。全身を苔で覆った部族。黄色い土で体を塗り槍を持って走る部族などなど。

送信者 パプアニューギニア2011
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本当に多種多様な衣装と踊りを見せてもらった。それらを見た後に、簡単に昼ごはんを食べて、近くをブラブラと歩く。露天を出している人たちと話したり、おみやげ屋の人と話をする。パプアに行くと言ったら、一部の友達に「コテカ」「コテカ」と言われたが、コテカと呼ばれるペニスサックも売っていた。しかし、かなり一部の部族が使っているらしくメジャーではなかったが、おみやげとしては売っていた。基本的にどこを旅してもお土産を買って帰らないが、ひとつだけ欲しいなというものがあった。それは布に描かれたペイントだ。昔からの伝統的な絵というよりも、デフォルメされた鮮やかな現代の絵だ。ジミー大西さんっぽい色使い。しかし、その鮮やかな色使いと、コミカルな感じがとても気に入って、部屋に飾っておきたいとおもうほど。もっというと、こういう絵を自分でも描いてみたいと思う絵だった。

送信者 パプアニューギニア2011
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いくらか聞いてみると割引をねばっても200キナ(8000円)。まあ、それぐらいでもいいんだけれど、いかにもスグに色落ちしそうな絵の具で描かれていて、持ち帰るまでの間に布どうしが擦れて色が汚くなりそうだったのでやめた。でも、日本に帰ってからこういう絵を描く参考にしたいので、写真だけ何枚か撮らせてもらった。

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審査をするショーは終わり、会場の中に俺らも入れるようになった。休んで昼ごはんを食べる人もあれば、踊り続ける部族もいる。近くで見させてもらったり、一緒に踊ったり、いろいろと話しをした。彼らも休憩時間になると携帯電話を取り出して使う人がちらほらいた。パソコンの普及率はほぼゼロに近いし、テレビや音楽の娯楽もほとんど皆無。そんなエリアだけれども、携帯だけは多くの人が持っている。もちろん貯金という概念がない国なので、携帯はプリペイド式オンリーみたいだったけど。ちなみに最安の機種で50キナ(2000円)。通話料は4キナ(160円)~のカードを買って話していた。もちろん、家に電気が通っている人は少数なので、町の商店で充電をしている感じ。このような環境でも、携帯電話は普及する。うん、実にすごいなと思う。人間は個人どうしで自由にコミュニケーションをとりたい生き物なんだとつくづく思う。その欲求が非常に強くて、人間にとって根源的なものなんだろう。そして、固定電話ではなく個人がワイヤレスで持ち運べるってのが、個人で自由にコミュニケーションという欲求を満たしてくれたんだろうな。

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ショーも終わりバスでゲストハウスまで戻る。会場の近くには本当にたくさんの人が集まってブアイを噛みながらしゃべったり、じゃれあったりしていた。日本の花火みたいなもんで、これを口実にみんなが集まって露天で買い物をして、たむろするという習慣なんだろうなーと実感。外人は珍しいので、あいかわらずテンション高めに手を振ってきたり、走って追いかけてきたり。

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ゲストハウスに戻り、ビールを買いに行くことに。同じ宿の人がビール好きで飲みたいといったので一緒についていくことにした。宿の人に聞いてみるとマウントハーゲンエリアではほとんどビールを飲まないらしい。パプアの人は全体的にアルコールに弱い人が多いのだが、このエリアは特にとのことだった。だから商店にもカイバーと呼ばれる食堂にも、スーパーにもアルコールは一切売っていないのだ。唯一あるのは、町で一番の高級ホテルのみ。そこで、宿の人に連れていってもらって行くと門番に止められる。中から支配人みたいな人が来て俺らの服装チェック。スリッパがNGらしく、ホテルのレストランに入れてもらえなかった。ビールだけ買って替えるのもダメ。おー、いい加減そうな国に見えて、こういった高級なところでは意外と厳しかったりすることに驚き。

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諦めて帰ろうとしたら、連れてきてくれた宿の人がもう一箇所あるという。それはボーリングセンター。そんな娯楽があるのかと驚き。ボロボロの建物がボーリング場だった。中に入ると昔の西部劇に出てきそうなカウンターがあり、数人の酔っぱらいがビールを飲んでいた。あんまりいい雰囲気ではなかった。奥にはボーリング場があったが、日本のようなボーリング場ではなく、広い芝生が広がっていた。いったいパプアにおけるボーリングがどんな競技か分からなかった。というのもボーリングをしている人はゼロ。ここはボーリング場という名の場末のバーみたいな場所だったのだ。せっかくだからと缶と瓶のSP(サウスパシフィック)ビールを購入。確か1本5キナ(200円)ぐらいだった気がする。そして、缶の方が1キナ(40円)高かった。便はリサイクルもしていないのに不思議な感じがした。ビールを持って帰ろうとしたら、連れてきてくれた宿の人がここで飲めという。ビールを飲んでいるのが、他の人に見られるのが良くないということらしい。彼はビールを飲むなんてクレイジーだと言っていた。それぐらいビールはタブーなのだ。確かに、ボーリング場はかなり品のないダメな空間に感じた。瓶ビールだけここでのみ、缶だけは隠し持って帰った。でも、他のエリアではここまでお酒をタブー視しているところはなかった。

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それから、いつものように夕食を買って帰る。今日の夕食も昨日に続き魚のフライ。そして、ポテトフライと味のしない揚げパンにSPビール。それから、ゲストハウスで宿の人と話をしていると、明日はエンガ州でエンガフェスティバルもあるという。マウントハーゲンショーは楽しんだし、別のエリアにも行ってみたいと思い、明日はエンガに行くことにした。エンガはマウントハーゲンから2時間30分ぐらいかかるちょっと遠い場所だ。また違う町に行けるので、その風景や文化の違いも楽しみだ。