月別アーカイブ: 2009年2月

それでも荒野が見たくてチャクチャクへ

前回の旅日記はコチラ「イランなのにキリスト教とゾロアスター教」

荒野と青い空に惹かれて、それがそこにあると聞くと喜び勇んで行く。広大無辺な荒野に照りつける太陽と青い空。そんなところで、体をいっぱいに伸ばして、空気を吸う。こんなところまで来たという喜び、青と赤茶けた大地の美しいコントラスト、そしてこんなにもでっかい自然に対して俺なんてちっちゃい存在で何にもできないと自分の本当の大きさを感じられる。

今回もヤズドでチャクチャクに行くことにした。チャクチャクはゾロアスター教の最も重要な聖地だ。しかし、そこには何もないと聞いていた。ただ、行くまでの道中の荒野がすばらしいと。うーん、イランに来て荒野はたくさん見てきた。過去には他の国でも荒野をたくさん見てきた。でも、まだ見たい。まだまだ見たい。そんなところに、ポツンと存在したい。


朝食。リッチな感じ。

朝起きて、朝食を食べる事に。このホテルでは朝食が3万リアル(3ドル=300円ぐらい)で食べられる。それもバイキング形式で食べ放題。外に行っても店はないし、食べる事に。チーズと卵とナンとトマトとキュウリとあとは名前が分からないものを食べる。うん、うまい。黒砂糖のペーストのようなパンに塗るものが美味かった。この甘さと温かい紅茶が朝のホッとする時間をくれた。やっぱり心を安らかにしていられる場所が人間にはたまに必要だ。

顔を洗ったり、トイレに行って準備。そういえば、イランのトイレではトイレットペパーを使わない。インドなどと同じく水洗いだ。旅をしていると水洗いの方がトイレットペーパーよりも好きという人がチラホラいる。しかし僕はどうも好きになれない。水で濡れたままパンツをはくとパンツがヒンヤリとして、あの感覚がどうも好きになれないからだ。しかし、イランではトイレットペーパーがほとんど売っていなかったし、荷物にもなるので水でやり過ごす事にした。インドなどと比べると衛生的だなと思ったのは、ホースで洗うためインドのように小さなバケツに水をためて手で洗う方式と異なったから。

話題がトイレになってしまったが、話しを戻してチャクチャクへ。ホテルを出て、大通りでタクシーを捕まえる。チャクチャクへ行きたいと言うと、タクシー運転手が顔を横に振る。何台ものタクシーに断られた。やっと行ってくれるタクシーを見つけ値段交渉をして、車に乗り込んだ。結局なぜ断り続けられたか分からなかった。ただ、乗ったタクシーの運転手も行き方が分からないらしく、道行く人に行き方を聞いたり、道に迷ってUターンしていた。断られたタクシーの運転手も道が分からなかったのだろうか。

タクシーに乗り10分もすると、幹線道路になった。ヤズドの街はそんなに大きくなかったようだ。幹線道路沿いには大きな工場があった。今までイランで見なかったような大きな工場が並んでいた。運ちゃんに聞くと、レンガ工場などだと言う。国が関わっている会社のようだ。

しかし、そんな工場もなくなり、真っすぐな一本道を車はぶっ飛ばした。荒野に大きな道に赤茶けた大きな岩が見えてきた。そんなところを迷いながら2時間弱で到着した。人はいなかったが車が一台だけ止まっていた。ここがゾロアスター教の神聖な地。


チャクチャクの荒野

本当に何もない。荒野のど真ん中にある岩の壁に建物が建っているだけ。ゾロアスター教の最も重要と言われる聖地がここになるのは、神秘性を持たせるために人里離れたところにしたからなのだろうか。それとも、他の宗教や国家の圧力で追いやられてここに聖地がなったのだろうか。実際の背景は分からないが、そんなことを考えながら、青空の乾いた空気を大きく吸い込んだ。気持ちがいい。ガァーと叫んでやると、遠くでこだました。

周りを見ても本当に赤茶けた大地とゴツゴツした岩しかない。それを照りつける青い空。青い空と赤茶けた大地はなんでこんなにも相性が良いのだろう。何処までも続く青い空が荒野たらしめている因果の関係にあるからなのだろうか。それとも、色の配色として青と赤茶は補色に近い関係だからなのだろうか。


ゾロアスター教の聖地 チャクチャク

「いいねぇー、いいねぇー。最高。これが好きなんだよ。これなんだよ。」と連呼してしまった。それから、岩の上にあると言う聖地に登る。聖地の小さな岩に着くまでにたくさんの建物があった。建物と言ってもブロックで作られたような簡易的なもので、屋根があるだけだった。なんだろうと思っていると、ゾロアスター教の祭事に世界各地からここに信者が集まり、宿泊するための施設だと言う。そうか、飴が振らないから壁がなくてもいいし、一時的にしか使われないから簡易的なんだと納得した。

神聖な岩までくると、管理人のようなおじさんが白い帽子を渡してくれた。ここに入るには、この白い帽子をかぶる必要があるようだ。帽子をかぶり中に入った。奥に見える岩は水がしたたり落ちていた。これかぁという感じ。特に珍しいようにも思わない。なぜならゾロアスター教徒ではないからなんだけど。当たり前だけど、信じるか信じていないかに寄って、ありがたさはまったく異なる。俺がここに来ても何かを感じれないのは当たり前の事なんだろう。


イランの女子高生

そして、またすぐに外へ出た。やはりこの荒野と青空が俺にはいい。チャクチャクに来たというのは名目上であって、求めていたのはこの荒野と青空。ゆっくりと周りを楽しんで、帰る事にした。バスで女子高生ぐらいの年代の女の子がたくさん来ていた。社会見学か修学旅行なのだろうか?イランの学校は高校までは男子校と女子校しかないから、女子だけなのは理解できた。しかし、なぜチャクチャクへ?ここはゾロアスター教の聖地で、イランはイスラム国家のはず。彼女たちはゾロアスター教系の高校に通っているのかなと思いつつ、手を振って車に乗って帰る事に。

帰りももちろん荒野しかない。車は猛スピードで飛ばす。窓を開けると台風のように風が舞い込んでくる。それが気持ちよくと窓を開けて、変わらない風景を楽しんだ。そのまま街に戻ろうと思ったが、ついでなので沈黙の塔(Tower of silence)にも行く事にした。ここはゾロアスター教が50年ほど前まで鳥葬を行っていた場所だ。小高い丘の上に円形のれんが造りの建物があり、ここで鳥葬をしていたようだ。今はその面影はなかった。近所の若者が数人遊んでいたぐらいだった。


沈黙の塔(Tower of silence)

凸タワー(アミール・チャフマーグ広場のタキイエ)近くで、タクシーから降りた。小腹が空いていたので、ケバブを食べる。安い、早い、うまい。おやつのようにケバブを味わい、街をフラフラと歩いた。ネットを少しして、バス停へ向かうことにした。18時30分発のマシュハド行きに乗るために、歩きながら向かったが1時間弱歩いて、暗くなり、時間も迫ってきたので、市内バスで向かった。


おやつのケバブ

しかし、バスの出発は遅れた。1時間以上待っても来なかった。もしかしたら、もう行ってしまった?とすこし不安になったが、周りの人に聞いてもまだ規定内というので、寒い中待つ事にした。1時間半ぐらいしてからバスがやっと来て、20時30分に出発した。イランでは珍しく出発が遅れた。

席を何度も移動させられ、後ろの奴がちょっかいをかけ続けるのでめんどくさかったが、寝続けた。この旅で3回目の夜行もマシュハドに向け出発した。

旅日記の続きはコチラ「
すべてはマシュハドへの序章だった」


ヤズドのバスターミナル

「Iranian Blue」~寺町 健 写真展~
期間:2009年2月15日(日)~28日(土)
   月曜は定休日です
   12:00~15:30 18:00~21:30
   (15:30~18:00の間は店が閉まっていますので、ご注意ください)
   店内は禁煙となっております。
場所:カルカッタカフェ
   〒166-0004
   東京都杉並区阿佐谷南3-43-1 NKハイツ101
   詳細地図はコチラ
   最寄り駅は阿佐ヶ谷駅になります。
   お食事の方は事前に予約をして頂けると幸いです。(tel:03-3392-7042)

展示の準備はチャクチャクと。(15日(日)から始まります)

2月15日(日)からカルカッタカフェで展示する写真の準備をしております。

今回は額に入れて展示する予定です。
額に入れるとまた印象が変わり、写真にも重厚感がでてきます。

最終的にどっちの写真にしようか悩みながら、額に入れて確かめながら準備をすすめております。あと1週間の準備期間があるので、もう少し悩みながら準備したいと思います。

お時間がありましたら、ぜひ来てください。
事前に連絡をくださるとありがたいです。

詳細は以下になります。

「Iranian Blue」~寺町 健 写真展~
期間:2009年2月15日(日)~28日(土)
   月曜は定休日です
   12:00~15:30 18:00~21:30
   (15:30~18:00の間は店が閉まっていますので、ご注意ください)
   店内は禁煙となっております。
場所:カルカッタカフェ
   〒166-0004
   東京都杉並区阿佐谷南3-43-1 NKハイツ101
   詳細地図はコチラ
   最寄り駅は阿佐ヶ谷駅になります。
   お食事の方は事前に予約をして頂けると幸いです。(tel:03-3392-7042)


準備中の写真たち

海の向こうからやってくる絵葉書

海外から送る絵葉書はいいもんだ。
送る側も楽しいが、受け取る側も楽しいだろうから。

実家に帰ったときに、つくづく思った。実家には食事する大きなテーブルがある。そのテーブルには透明のビニールがかけられているのだが、ビニールの下に僕が送った絵葉書が何枚も入っていた。トルコから送った絵はがき、エクアドルから送ったもの、ネパールから、チベットからと何通もあった。僕が旅した日々を、少しでも共有できればと思う。自分が送った手紙を見れるなんて、実家ぐらいしかない。それを見て改めて懐かしいなと思った。あの国へ行ったんだと思い返した。そんな絵はがきを見たときに、色々な国を旅をした時間が重なり合って蘇った。写真からでは立ち上がらない、記憶と感情がうまれた。いいもんだな。

メールならリアルタイムにコミュニケーションできるし、そっちの方が便利だけど、僕が旅をした国に実際に存在した手紙が海を越えて手元に届く。その喜びがあると思う。

絵はがきを送る側からすると、旅をする二つの時間を味わえる。旅先で絵はがきを書く。異国の地で同じ時に、同じ場所にいた絵はがき。その状況でしか沸き上がらない思いをしたため、ポストにたくす。そこから絵はがきは、僕と違う旅をして、日本を目指す。僕は絵はがきとは別の道を旅したのち、日本へ帰る。自分が辿った旅路とは異なる時間を絵はがきからは味わえる。そんなひとつの旅で、二つの時間の旅を味わえる絵はがきが好きなのだ。

昔は旅先から家族以外にも何人かに絵葉書を送ったことがある。すると、行ったことのない国から、どんぶらこどんぶらこと届くのがいいね。と喜ばれたり、「えっちらおっちら海を越えてやってきた○○発の紙。やっぱりいいね、手紙は。」こんな風にうれしかった、と言われると送った方もうれしくなる。

新年に実家に帰り絵葉書を見てつくづくいいなと思った。
また、旅に出たら絵葉書を送ろう。

「Iranian Blue」~寺町 健 写真展~
期間:2009年2月15日(日)~28日(土)
   月曜は定休日です
   12:00~15:30 18:00~21:30
   (15:30~18:00の間は店が閉まっていますので、ご注意ください)
   店内は禁煙となっております。
場所:カルカッタカフェ
   〒166-0004
   東京都杉並区阿佐谷南3-43-1 NKハイツ101
   詳細地図はコチラ
   最寄り駅は阿佐ヶ谷駅になります。
   お食事の方は事前に予約をして頂けると幸いです。(tel:03-3392-7042)

送信者 イラン

なんとなく絵はがきの世界っぽい

本の新しい買い方

インターネットで興味のあることを検索し、いくつものホームページを訪れる。企業が運営しているページや個人のページ。綺麗なデザインのページやテキストだけのページ。細かな情報が載っているページや目次だけでストップしてしまったページ。まさに玉石混合(訂正:玉石混合は間違いで、玉石混淆)。これは悪い意味で使っているのではなく、良いものも悪いものもあるからネットはすばらしいと思っている。情報の善し悪しは情報を得る人によってまったく異なるのだから、ある人には価値のない情報でも、別の人にはどうしても知りたかった情報ということも多々ある。

いくつも訪れたページの中で興味を持つページがたまにある。書かれている考え方や文章表現がすばらしかったり、写真が好きだった場合だ。すると隅から隅まで読み、ブログがあればRSSリーダーに登録する。更新されれば自然とチェックする。そういったサイトが個人サイトの場合、サイト運営者が本を出版されたり、写真集を出すことがある。こういった場合、いきなり本を出版しましたという報告ではなく、今執筆中ですとか写真を選んでいますというエントリーも書いている場合が多い。すると自然と親近感がわき、興味を持ってほしくなる。

つい先日もこんなことがあった。同じような流れで最近ちょくちょく本を買うな~と気づき、これって本の新しい出会い方、買い方だなと改めて気づいた感じ。

こういった本はたくさん売れる本ではないだろうから初版が少なく、書店でもあまり見つからないから、アマゾンで買ったり、直接そのサイトから購入依頼のメールを送ったりする。色々ある買い方の中では、サイトから直接著者にメールを送って購入するのが一番好きだ。自分が好きな文章や写真を撮影している人を応援している気持ちになるからだ。特に
こういった本の買い方をする場合は処女作が多いから、この作品ができるだけ多くに人に知ってもらいたいなという気持ちが強くなる、

ただ、そんな風に僕が1冊本を買ったところで何も起こらない。著者がそれで食べていけるようになるとも思わない。でも、僕みたいな人が増えていき、著者がギリギリでも食べていける程度になれば面白い社会になると思う。宝石の原石はありとあらゆるところにいるけれど、それが社会(現状ではマスコミや権威ある人、何らかの賞)に評価されるきっかけがなかっただけ。もちろん、そう言った評価を受けたからと言って一概にいい作品だとも思わない。

インターネットの良さがここにあるのだから、僕みたいな「本の新しい買い方」をする人が増えてゆき、ネット空間から実社会に多様性が広がればいいな。今はそれが一部の分野で起こっているが、もっと広い分野になればいい。そうすれば、様々な分野で能力を発揮して、それで食べていける人が増える、こうなればなんと面白い社会だろう。大きな流れとして、自然とこういった多様な社会になっていく気がするが。

そうなればインターネットにありがとうと伝えたい。

「Iranian Blue」~寺町 健 写真展~
期間:2009年2月15日(日)~28日(土)
   月曜は定休日です
   12:00~15:30 18:00~21:30
   (15:30~18:00の間は店が閉まっていますので、ご注意ください)
   店内は禁煙となっております。
場所:カルカッタカフェ
   〒166-0004
   東京都杉並区阿佐谷南3-43-1 NKハイツ101
   詳細地図はコチラ
   最寄り駅は阿佐ヶ谷駅になります。
   お食事の方は事前に予約をして頂けると幸いです。(tel:03-3392-7042)

イランなのにキリスト教とゾロアスター教

前回の旅日記「青い空とペルセポリスの大地」

今回の旅は夜行が多い。旅が2週間程度と短いから夜行を使って時間短縮をしたかったのだ。またも早朝にシラーズの町からヤズドに到着した。まだ朝4時か5時ぐらいだったため、バスターミナルの待合室で寝て待つ事にした。すきま風が背中を通り抜け、ゾクッとする。7時ぐらいになり、バスターミナルにある食堂でスクランブルエッグのようなものと薄いナンのようなものを食べる。次に行くマシュハドへのバスチケットも事前に取り、さて、町へ行くか。

バスターミナルと鉄道の駅が隣接しており、周辺の道路は大きな幹線道路であった。そんな幹線道路の交差点にはイランの国旗が力強くたなびいていた。そんなバスターミナルから町を歩いて宿を探す事にした。歩くこと1時間30分ぐらい、町も少しずつ活動しはじめたころに町中に着いた。今日泊まる事にした宿はドミトリーが4万リアル(4ドル)と安いが、中々きれいな宿で設備もすばらしかった。くつろげるスペースも広く、絨毯の上でごろごろできた。なぜ設備がしっかりしているかと言えば、シングルルームなどもあり西洋人のツアー客などが泊まっているからのようだった。この事実が今日というこの日の夜に意外なイベントを引き寄せる原因になるとは。

さてと町を歩くとしよう。金曜のモスクと呼ばれるモスクへ行く。この町では一番大きなモスクのようだ。このモスクは人々が毎日お祈りに訪れる場でもなければ、鮮やかで細やかにデザインされたモスクというわけでもなかった。ここで印象に残っているのは、キャノンの高い一眼レフカメラを持っていたイランの兄ちゃん。彼は学生らしいのだが、グラフィックデザインの仕事もしていると言う。さらに写真も撮って展示もする。それよりも驚いたのは、世界2、30カ国を訪れていると言う。金持ちは金持ちなんだなーと。

それからゾロアスター教で最も重要な教会へ。この町、ヤズドはゾロアスター教で有名な町なのだ。3、40分ほど歩き、教会へ。おそらくここだろうという場所に着いても何も案内がないし、人もいない。まあ、ヤズドの町に観光客はそんなに多くないからしかたないかなと思い、町の人に聞いてみると今日は夕方しか開かないと言う。体が急に重たくなった。ああ、マジですか。こんなに歩いたのに。帰るとするか。来た道を同じ道ではつまらないので、ルートを少し変えながら歩いた。

アミール・チャフマーグ広場のタキイエという凸型の建物がある。これは見晴らしがいいだろうと思い登ってみる。日本の感覚で言ったら高い建物ではないが、ヤズドの町では最も高い建物のようで街全体を見渡せた。見晴らしが良い場所というのは気持ちがいい。自分の真っ正面から真っすぐに道がのびているのも気持ちよかった。ここは夕暮れ時と夜にまた来ようと思い、ランチへ。サンドイッチ以外のものも食べたいと思い、町中で聞いてみるととあるレストランを紹介された。ただ、場所が分かりづらく、バザールをくねくね曲がり地下にひっそりとあった。「サラーム」といいながら扉を開けると、何とも綺麗なお店。見た瞬間に高そう。。。と。これは外人用のレストランだなーと思いながら店内を見回すと誰もいない。お客さんが誰もいないだけでなく、店員さんも誰もいない。。。なんとまあ。高そうだし、帰ろう。そして、またバザールをくねくね歩き、大通りに出た。腹が減り、何でもいいやと思ってしまい、またもサンドイッチとオレンジジュース。


凸タワー(アミール・チャフマーグ広場のタキイエ)

こんなことをしていたら、もう夕方近くになる。そうだ、ゾロアスター教の教会へ行かねば。30分かけて到着。しかし、まだ閉まっている。なぜだ?周りをぐるっと一周したけど開いていない。???近くを車で通りかかった人が、止まって教えてくれた。今日は記念日で開かないよ。明日また来ると中に入れるよ。と。ああ、そうですか。もう、いいです。縁がなかったということで、さようなら。

それよりも夕日が沈んでしまう。それまでに凸タワー(アミール・チャフマーグ広場のタキイエ)に登らねば。早歩きで、向かったが夕日はちょうど落ちてしまったところのようだったが、日没後の淡い空の時間を味わえた。夕焼け空がヤズドの街を、温かみのある空気で包み込んでいた。一人でのんびりと眺めながら、この時間の流れを感じていた。しばらくすると冷えてきて、そして夜空が空を覆っていった。夜の街あかりが綺麗に灯っていた。


夕暮れに染まるヤズドの町

さてと、宿に戻るか。宿に戻ると多くの人がいてワイワイガヤガヤ。今日はクリスマスパーティーだと言う。ここはイランですが?イスラム国家ですけど?西洋人が何人も泊まっているからクリスマスパーティーをするという。そうか、そもそも今日はクリスマスなんだ。今日が何月何日かも知らないし、クリスマスにもあんあり興味がないし、ここイランだし。さらに夕食代金12万リアル(12ドル)で、宿代の3倍!って思ったけど、せっかくの機会だしみんなで盛り上がろう、そして美味い飯を食おう!と決まり、参戦。


凸タワー(アミール・チャフマーグ広場のタキイエ)から見る夜景

野菜の煮込み、らくだのカレー、何種類ものイランの庶民料理、ノンアルコールビールを頂きました。これでもかというほど食べて、満腹。昼間にサンドイッチしか食べていないので、満足度は非常に高かった。しかし、ノンアルコールビールだけはまずかった。最後にクリスマスケーキが用意され、花火しながらお祭り騒ぎ。

そして、食後に思うのは西洋人は自分たちのスタイルを他人の国でも変えないなということ。そして、儲かるからという理由でこういうことを行う現地の人々。何とも難しい問題で、両者のどういう状態が一番望ましいのだろうか。いつもこれは考える。
ただ、西洋人には郷に入っては郷に従えという概念がない。自分たちのスタイルを何処でも突き通す。このスタイルに僕はなじまない、ということだけは常にだなー。

ホットシャワーと手洗い用の洗剤で髪の毛と顔を洗い、就寝。にぎやかな夜だった。

旅日記の続きはコチラ「それでも荒野が見たくてチャクチャクへ」

「Iranian Blue」~寺町 健 写真展~
期間:2009年2月15日(日)~28日(土)
   月曜は定休日です
   12:00~15:30 18:00~21:30
   (15:30~18:00の間は店が閉まっていますので、ご注意ください)
   店内は禁煙となっております。
場所:カルカッタカフェ
   〒166-0004
   東京都杉並区阿佐谷南3-43-1 NKハイツ101
   詳細地図はコチラ
   最寄り駅は阿佐ヶ谷駅になります。
   お食事の方は事前に予約をして頂けると幸いです。(tel:03-3392-7042)