月別アーカイブ: 2009年3月

こんなのあったんだ

普段は天気予報なんて見ないのだが、年に数回ほど見る事がある。それは外で長時間にわたって何かをする前に、天気予報をチェックするのだ。例えば山に登る時と走る時など。先週の土日で山に登ったのだが、楽しみで楽しみで、晴れて欲しくて天気予報を見た。

滅多に見ないから、ヤフーの天気予報を見て、良いなーと思った。それは、ユーザーがいる場所の現在時刻の天気を投票する機能。仕組み的には対した事ないのだが、実際にそこにいる人々の証言は信頼できる。それに、純粋にこういったのっていいよなー、好きだなーと思う。ネットの良いところが使われている。たいした発想でもないだろうし、技術的にもたいしたことない。そうなんだが、実際にやっているというのがステキなんだ。

実際の天気のデータを収集するのも大変だけど、こうすれば比較的簡単に集められる。(ヤフーと言う集客装置があるからだけど。)せっかくのこの実際の天気のデータを再利用できないのかなと思う。もうすでにやっているかもしれないけれど、実際の天気のデータを予報と照らし合わせて、天気予報の精度を上げるとか。パッと思いつかないけど、何か他にも使えそうなデータな気がする。

http://weather.yahoo.co.jp/weather/promo/live/

そう言えば、携帯のメールが受信できなくなっています。理由は分かりません。(willcomのサイトにも情報がなかったので)
用がある方は、PCのメールか電話を下さい。
よろしくお願いします。

送信者 いろいろ

いつの間にかなくなるのは寂しすぎるから

誰が話しはじめたのだろうか?
あのことを。

ついつい熱が入ってしまう、あのことになると。

写真展最終日の28日夜、来てくれた友達は同じ大学の出身者が多かった。
そのために、誰からというわけではないが、あの話しになった。
同じ大学の人なら誰もが知っているあれ。

あれには皆、それぞれの思い出がある。

そんな時、ふと誰かが言った。
今は閉まっていると。

えっ?なぜ?
何かあったのだろうか?

いつの間にかなくなるのは寂しすぎる。
あの待ちわびる時間、あの香り、あの満たされたお腹。

そう、三田二郎がやっていないという。
二郎と言えば三田に本店を置く、ボリューム満点すぎるラーメン屋。
(二郎についてはコチラをどうぞ。)

店がやってない理由は保健所が入ったと言う説や、おやじさんが儲けすぎてやめたという説、歳でもう辞めたという説。
気になりネットで調べたら、いくつかのブログがヒットし臨時休業のようだ。
親父さんが怪我をしたらしい。

知らぬ間に店が閉じているのは寂しすぎるから、臨時休業が終わり、また店が始まったら行こうと思う。

とは言っても、行けるのは土曜日だけ。
さらに、行列に並ぶので昼間の時間から夕方までつぶれる。
そんでもって、臭い&腹ふくれすぎて、夜は誰にも会えない。
結果的に、1日つぶれる。
それでも行く。
大学時代の思い出が、気づかぬうちになくなるのは寂しすぎるから。

送信者 いろいろ

「おわり」のない最後

初めての雪山登山@雲取山

多くの人がイメージする「雪山」に登る事は危険を伴う。ただ、雪が20センチ程度でトレースのある登山道を登る山なら、特別な装備や技術がなくても行く事ができる。もちろん油断はしてはならない。
以前にも登った事のある雲取山も、冬は2、30センチほど雪がつもり、初心者でも楽しめる事を知り、行く事にした。一緒に行った友達は以前にも共に雲取山に登った友達だ。

前日は、山頂での自炊のために下ごしらえ。少しばかり早く起きて、出発。中央線沿いに住んでいると、奥多摩などの山へ行きやすい。春になったら、新緑の山へ行こうと思う。お青梅乗り換え奥多摩着。バスで鴨沢バス停下車。ここまで1500円程度。安い。


登り始めに雪はない

前回と同様に鴨沢ルートで登る。この登山道はトレースができているので安心だし、以前も登ったことがあるのでこのルートにした。初心者でも大丈夫と知りつつ、慎重派だ。登り始めてしばらく雪もなく、普通の山登り。汗が出て来てフリースなどを脱ぐ。それにしてもいい天気で気持ちがいい。人もちらほらといて、適度だ。

今回はハイドレーションをつけて来たので、水を飲むために休む必要がない。たまに休憩したり、景色をゆっくり見るために止まったりするぐらいだ。天気がとても良く、青空が綺麗だ。紅葉シーズンに来た時とは少し違った雲取山。落ちた枯れ葉の色が少し濁りを増し、土に還っていくんだろうなと感じた。こんなんで雪は本当に積もっているのだろうか?と少し気になったが、登っていくにつれ、斜面に雪がちらほら見えて来た。徐々に雪を見ることが多くなり、こうして雪のゾーンに入っていくのかとワクワクする。


そびえ立つ富士山

先週は雨が続いたせいか土がぐちゃぐちゃになっていたので、スパッツを装着。スパッツといてもタイツのようなものではなく、登山靴とふくらはぎの辺りにつける泥よけ&雪の侵入を防ぐもの。そうして歩いていると富士山が見えるゾーンにやって来た。ドーンと富士山が鎮座している。前回11月に来た時と違うのは、富士山の山頂付近がまっ白だったこと。冬なんだなーと感じる。そして、やっぱり景色が良いところを歩くのは気持ちがいい。バックパックも軽くなったように感じる。もちろん晴れているからこその景色だ。

11月に登ったばかりなので、登山道の風景を覚えている場所もある。ああ、ここだ。ここをすぎると何があって、あと何分ぐらいで山頂に着くなど、と。ついでに、11月に写真を撮影したポイントも覚えているので、風景がどう変わったかを家に帰って楽しむために、同じ場所で写真を撮ったりした。


雪積もる大地


七ツ石山への坂道


七ツ石山頂上と俺


七ツ石山山頂からの風景

そんなことをしつつも登り続け、七ツ石小屋を越える。ここから山頂にかけては、雪が積もっている。積もっていると言っても10センチ程度。そこで軽アイゼンを装着。何だかワクワクする。一面雪だ。登山道はトレースが着いているものの、それ以外は美しく一面に雪が積もっている。青い空と白い雪のコントラストが美しくて、気分が高揚してくる。晴れて良かった。雪をザクッザクッと踏みしめる音を聞きながら、登っていく。


雪と青空


雪と青空と月

坂道の下から見る景色がいい。白い雪の坂道とその奥に見える青い空。ただ歩いているだけで、そんな風景が目に入ってくる。気持ちがいい。そしてその坂を上りきると、視界がパッとひらけ、山々と雪の眺望。七ツ石山の頂上に至る坂道とそのピークからの眺めは抜群だった。ぼーっと眺めたり、雪に落書きして遊んだり。童心に帰る。童心に帰りっぱなし(笑)


テカテカの雪の表層

七ツ石山から雲取山にかけての稜線(石尾根縦走路)は高低差がなく、歩きやすい。そして眺めが最高。遠くに見える山々には雪化粧をしている山もあった。そして、足下を見れば鹿か何かの足あとがあったり、一度雪が溶けたあと再び凍ったためか雪の表面が光沢されたように光っている所もあった。雲取奥多摩小屋の前にあるベンチで一休み。太陽がぽかぽかして、長袖シャツだけでも十分。温かい紅茶とチョコを食べながら、ここで昼寝をしたくなるほどの陽気。幸せの極み。ゆっくりと休んだ後、雲取山の頂上へ向かう。西の空の雲が厚くなり、富士山が見えなくり、太陽も顔を隠してしまった。明日は天気予報通り曇りだろうな。そして今晩の夕日を期待していたが、厳しそうだ。


動物の足あと


雲取山の山頂

山頂に行き、夕日の時間までまとうかとも思ったが、分厚い雲が覆い始めたので諦めた。山の天気は変わりやすいので注意しなければならない。そして、雲取山 山頂から雲取山荘まで40分ほど。宿に着くと、友達と二人で一部屋だった。これはくつろげていい。1泊朝食つきで6,000円。部屋に荷物を置き、こたつで休んだあと、とりあえずビールで乾杯。つまみがない事に気がつき、自炊場に行き夕食を作り始める。俺はもつ鍋を作る。友達はキムチ鍋。これらをつっつきながらビールを飲む。18時も近くなり暗くなり始めた。雪の積もる外を見ながら、暖かい部屋で鍋を作りビールを飲む。山頂で作る飯はなぜこんなにも美味いのか不思議になるほどだ。隣のおっちゃんとおばちゃん4人グループはしゃぶしゃぶをしていた。美味そう。肉も超高級っぽい。友達とうらやましそうに見たけど、お裾分け無し。。。残念。図々しすぎました(笑)。野菜は大根や人参をそのまま持って来て、皮むき器を使い、そのまま鍋に入れていた。火も通りやすいし、丸ごとだと悪くなりにくいし、頭良いなーと。ちゃっかり、このノウハウは頂きました。


夕食のキムチ鍋

それから部屋に戻り、紅茶とチョコレートを食べながら話す。あったかい紅茶は美味い。チョコもチビチビかじりながら友達と話す。
「隣で食べてたしゃぶしゃぶ、美味そうだったなー。」
「俺らも今度やりたいなー」
「二人だと荷物多いから、あと二人ぐらい欲しいなー」
「周りに山登る奴っていたっけ?」
「共通の友達だといねーよなー」
「それ以外の友達でも呼んでもしゃぶしゃぶしたいなー」
「それか共通の友達に山頂での乾杯の喜びを教え込むか?笑」
などと話した。

雲取山は東京からのアクセスも良く、夜の晩餐を楽しむための山荘も綺麗だ。節約する時はテントだって張れる。春夏秋冬にこだわらず雲取山での宴会参加したい人は随時募集中です。けっこうマジです。

そんなことを話しつつ、適度な疲労と適度な酔いと適度な眠たさ。体も暖まり、もうすでにお休みモード。ペットボトルの水で歯を磨き、外に捨てに行き、トイレでは手を洗う水の代わりに雪で手を洗い8時に就寝。寒いので、薄っぺらい敷き布団3枚、毛布を下に1枚、上に2枚、そして掛け布団。心地よく眠れ、夜中にトイレに一回起きただけ。

8日(日)


朝食

朝の5時30分に起きる。外を見ると曇っていたため、日の出は諦め、荷物を準備する。そして6時に食堂で朝食。シャケに納豆に卵と朝から豪華。山登りでは体力も必要なので、ご飯をおかわりする。うまい。山頂での暖かいメシは美味い。ご飯を食べ、お湯を頂いて、紅茶を水筒に入れる。そして7時に出発。外は朝ということもあり寒く、帽子と手袋を装着。今日は下山なのだが、山荘から山頂までしばし登る。すると霧氷がきれいだった。木々の枝や葉に雪が着いていて、木が白くなっており、美しい。朝はまだ気温が低いから解けていないのだろう。昨日は木々に霧氷は見られなかったので、昼間の太陽で解けていたのだろう。とすると、この霧氷は昨夜だけでついたものなのだ。それを考えると一晩でこんなにも氷がつくのかと驚くとともに、夜中はそれだけ寒いのだろうとも思った。


霧氷


雪の登山道


雪の中


遠くに見える霧氷の木々


霧氷の木々

頂上に着くと別世界だった。風も強く、非常に寒い。帽子や手袋があって良かった。この辺りの風景は険しい雪山というようなイメージだ。霧氷もびっしりとついている。辺りを眺めた後、寒いのでそそくさと下山。しばらく降りて行くと、一気に気温と風がかわる。風もなくなり寒さも感じない。頂上は遮るものがなく、寒さも厳しいのだ。帰りは近くの木々の霧氷や遠くに見える山肌の霧氷などを眺めるぐらいで、あとはスタスタと。

下りは特に疲れないので、休む事なく一気に下山。当初は11時30分のバスに乗る予定だったのだが、10時45分でも間に合いそうとわかり、歩を早めて下山。するとジャストタイム。バスが来る5分ぐらい前に到着。楽しい雪の雲取山だった。

※一部の写真を見れば、かなりハードな雪山かなぁ?と思われるかもしれませんが、そうではなく初心者でも登れる雪山です。まさに、写真のトリックです。

前回の雲取山の日記。

以下は自分用のメモです。

◆服装
速乾性Tシャツ(BVD)
速乾性ハイネック長袖シャツ(LoweAlpine)
フリース(ユニクロ) 寒い時だけ使用
レインウェア上着(モンベル) 寒い時だけ使用
タイツ 下山時のみ使用
冬用速乾性パンツ(LoweAlpine)かなり高機能なズボンで良い。
耳当てつきゴアテックス帽子(LoweAlpine) 寒い時だけ使用
防水手袋 寒い時だけ使用
登山靴(Danner)
バックパック30L(ミレー)
ハイドレーション(モンベル)(ポカリ2リットル)往復でも2リットルが余った
軽アイゼン(snowpeak)雪のある場所のみ靴から外れる事があり、あまり良くなかった。。。
スパッツ(登山靴とズボンの裾から雪が入るのを防ぐため)(MIZUNO)
登山用の厚手の靴下(近所の服屋で2足200円で買ったが良かった)

◆持ち物

バーナー3600kcal(プリムス)
コッヘル(snowpeak)
ガス250(プリムス)
保温水筒500ml 山での暖かい飲み物はホッとする
キッチンペーパー
アルミコップ
割り箸
ヘッドライト40ルーメン(Petzl)
ヘッドライトの予備電池
ティッシュ
ウェットティッシュ
タオル
歯ブラシセット
腕時計
山の地図
コンパクトデジカメ 乾電池の予備も持っていく
デジタル一眼レフ 充電を忘れない
眼鏡ケース
携帯(ずっと圏外)
財布
スイカ

・使わなかったもの
室内用ズボン(モンベル)
室内用長袖シャツ(ユニクロ)
レインウェアのズボン(モンベル)
靴下(予備)
ダウンジャケット(予備)(LoweAlpine)
多機能ナイフ(ビクトリノックス)

◆食料
もつ鍋もどき(持つ煮込み、野菜セット)もっと多めに持っていくと良い。調理のいらないつまみも持っていくと良い。
レトルトみそ汁2パック
おにぎり8個(朝2つ、昼2つ、夜2つ、昼2つ)もう少しあっても良い。
ビール
板チョコ
チョコのお菓子
チョコチップパン
紅茶のTパック
ポカリの粉 実はポカリの粉よりもポカリを買った方が安かった。。。
自炊用の水は山荘でもらった。もらえない場合は水を持っていく必要アリ。
朝食は山荘で食べた。(シャケの塩焼き、納豆、のり、みそ汁、卵、ごはん&ふりかけ&梅干しはおかわり自由)

◆スケジュール
雪は七ツ石小屋から山頂まではつもっていた。10センチ~20センチ。場所に寄っては30センチ程度。
軽アイゼンがあれば問題ない。軽アイゼン無しでも登れる。(登っている人もいた)
行き

2009年3月7日(土) 晴れ
6:42 阿佐ケ谷 発 7:50青梅 着 JR青梅線 7:52青梅 発 8:28奥多摩 着
西東京バス 8:35奥多摩駅発 9時15分 鴨沢バス停下車 

09時45分 鴨沢ルートで登山開始 
12時30分 七ツ石小屋
13時10分 七ツ石山 山頂
15時40分 雲取山 山頂 
16時20分 雲取山荘
17時30分 夕食 自炊
19時30分 就寝

2009年3月8日(日)曇り
06時 朝食@山荘
07時 雲取山荘出発
07時30分 雲取山山頂
08時55分 七ツ石山 山頂 
9時10分 七ツ石小屋
10時40分時 下山 鴨沢バス停
10時45分 鴨沢バス停発 11時23分奥多摩駅着
11時29分 奥多摩駅発 13時08分 阿佐ヶ谷駅着

気になる写真展4つとおまけ

粒感はバラバラですが、直近で気になる写真展が4つとおまけ1つ。
(各写真展の詳細は下部にあります。)

◆行く予定(スケジュール)

アラスカでセスナに乗りながら写真を撮影する湯口さんの「アラスカ極北飛行」は20(金)か22日(日)に行きます。流山市の開催で、この町は未開の地&つくばエクスプレスも初めてになりそう。

ラダックに1年ちょい住まれていた山本さんの写真展「ラダックの風息」はご飯を食べながらになるので、旅好きな方など4月に入ってから誰か一緒に行きませんか?メールか何かくれると喜びます。

野町さんの「聖地巡礼」は混むと思いますが、ギャラリートークの時(4/11)に行く予定。
田原さんのALASKAは新宿での開催で、通り道なので何かのついでに行く予定。
おまけでフジフィルムスクエアの「写真で旅する世界遺産」は行くか微妙。六本木に用事があったら行くかも。

◆写真展に興味を持った背景

「アラスカ極北飛行」の湯口さんは同名の著書もある。アラスカについて調べている過程でネットを通じて湯口さんを知り、本も発売と同時に読み興味を持っていた方。
本の感想はコチラ

「ラダックの風息」の山本さんも、湯口さんと同様にラダックに興味があり調べていてブログを知り、最近出版された本もアマゾンで予約した方。本はまだ届いていないので、今から読むのが楽しみ。

野町さんは大御所なので言うまでもないですが、野町さんの写真は大好きで写真展には以前にも何回か行っている。
その時のブログはこちら

田原さんのALASKAは、アラスカに純粋に興味が強いため行こうと思った。

◆写真展詳細

「アラスカ極北飛行」~翼が見たアラスカ~
湯口公
3月20(金)~22日(日)
@流山市生涯学習センター1F ギャラリー 流山セントラルパーク駅 無料
http://www.talkeetna.jp/exhibition/nagareyama/poster_big.jpg
http://nagareyama-shougaigakushucenter.jp/access.html

ALASKA-PEACE ON THE LAND-
園原 徹さん
3月6日(金)~23日(月)
@コニカミノルタプラザ 新宿 無料 
http://konicaminolta.jp/plaza/schedule/2009march/gallery_a_090306.html

ラダックの風息 儚い夏、凍てつく冬

山本高樹
3月10日(火)~5月8日(金)
時間:11:30~24:00(土日祝12:00開店/日祝23:00閉店)
定休:月曜日
@リトルスターレストラン 三鷹
http://ymtk.jp/sky/2009/03/post-102.html

聖地巡礼
野町和嘉
3月28日(土)→5月17日(日)
@東京都写真美術館 恵比寿 800円
http://www.syabi.com/details/nomachi.html

「写真で旅する世界遺産」
第一部:「自然遺産編」~地球が創造した大地~
2月27日(金)~2009年3月25日(水)
第二部:「文化遺産編」~人類が創造した文化~
3月27日(金)から4月27日(月)
@フジフィルムスクエア 六本木ミッドタウン 無料
http://fujifilmsquare.jp/detail/09022701.html

そして中へ

前回の旅日記はコチラ「すべてはマシュハドへの序章だった」

旅も終わりに近づいている。駆け足であっというまだったがテヘランへ行かねばならない。行きたい場所はいくらでもあったし、もっとゆっくりして街を歩き、人と話したかったが、そうも行かない。旅というのは終わりがあるから旅なんだ。

ただ、この旅を通してはっきりと言える事がある、イランはすばらしい。何と言っても人が優しい。そして、最後にこのマシュハドという地に来れた事に感謝する。

マシュハドの朝は寒かった。夜中の間も暖房は焚かれていたが、やはり底冷えする。朝食を食べに上の階へ上がる。朝食のメニューは目玉焼き、ナン、ジャムそしてチーズ。もちろんいつものようにチャイはついてくる。疲れているのだろうか、甘いジャムがとてもおいしく感じた。寒く乾燥しているためか、ナンが固く感じた。


朝食

テヘランへの足を確保せねばならない。ホームステイ先のヴァリによると、イスラム教の偉い人の命日が近く、人々がマシュハドに集結すると言う。確かに、町中に黒い旗が立ちはじめていたし、昨夜のお祭り?儀式とも関係ありそうだった。バスで町中に行き、チケットを買い求めた。これまでバスばかりだったので、違う交通手段も乗ってみたい。なんでも試したがりやの性格が出る。すると、飛行機か電車となる。飛行機はどこの国で乗っても大差ない。イランの国内線の特徴としては、飛行機代がかなり安いということぐらいのようだ。とすると電車。電車チケットの空席を聞くと翌日の夜行列車ならあるという。それにする事にした。それも、最も高級なクラスにした。その名もグリーントレイン。日本人的感覚からいってもグリーン車を連想し高級そうな響きだ。22万リアル(約22ドル=2,200円)。高いというほどではないが、あまり贅沢をしない自分からすると高級だ。

イランに入国した時にアメリカドルからイランリアルに両替しすぎていた。帰国する時に再両替すれば良いのだが、再両替のレートが限りなく悪いということで、お金を使いきる必要がある。そういった背景もあり、グリーントレインにしたのだ。

その後、絨毯の卸売りを行っているビルに行き、そこのおっちゃんたちと話しをしたり、絨毯の売買の現場を眺めていた。それも飽きたのでチャイを飲み昼ご飯のケバブを食べてから、holy shrine(イマームレザ廟)へと向かった。ここは昨日だけでは足りなさすぎる。もっと見たい。もっとこの空間にいたい。そして中へ入りたい。そう思っていたのだ。


巨大なモスクの中

holy shrine(イマームレザ廟)は途轍もなく大きいため、入り口が何カ所もある。大きな入り口もあれば小さな入り口もある。昨日とは違う小さな入り口から入る。すると、入り口の警備員は、ガイドをつけろと言ってこず、一人で入る事ができた。何ともラッキー。これでゆっくり見て回る事ができる。

何度来てもこの大きさと美しさ、そして人々には圧倒される。このholy shrine(イマームレザ廟)は外の世界とは別世界だ。モスクの中と外をはっきりと別の世界とするためだと思うが、とんでもなく高く厚い壁で囲まれている。中に入ると別世界に来たような印象を持つ。礼拝の時間ではないが、やはり多くの人が礼拝に来ている。目が空ろな人や泣いている人もみかける。宗教に限らないかもしれないが、絶対的に何かを信じるということは、とんでもなく巨大な感情のエネルギーを作り出すんだなと深く思う。


写真の左寄りにあるのが聖なる泉。その水が聖なる水

中を見ながら歩いていると、イラン人に話しかけられる。彼らは聖なる水を飲んで清めていたのだ。その水を飲むように勧められたので、彼らと同じように聖なる水を口に含み、一口飲んだ。それから靴を脱いで核心部分であるモスクの中へ入る。中は人で溢れかえっていた。全ての人がお祈りをしている。壁にすがりながら祈ったり、棺のようなものに寄りかかるように祈ったり。モスクの中はムスリムの嗚咽が幾重にも重なって、独特の空気を漂わせていた。

モスクの中はまぶしかった。大理石の床に黄金の壁や柱、天井には鏡の破片がちりばめられている。このモスクを建物としてとらえても、ものすごい技術と時間とお金をつぎ込んだものだろうと思う。そんな建物と敬虔なムスリムの感情が合わさる事に寄って、マシュハドと言う聖地をさらに確固たる聖地たらしめているのだと思う。そんなことを考えながら、モスクの中を見て回った。


お祈りのために絨毯が敷かれている

マシュハドに来てよかった。イスラム教やムスリムを肌で感じたくてイランに来た。他の街でもイスラム教の聖職者と様々な事を話したり、街の人々が集うモスクでの礼拝を見学した。もちろん人々の生活の中に入り込んでいる習慣ベースでのイスラム教も感じる事はできた。しかし、このマシュハドのモスクに漂っていたムスリムの熱気というものは、他のものとはエネルギー量が異なっていた。それだけ驚くべきものであった。このようにムスリムの感情が極大化するような場と、日常のムスリムと接する事ができたことは非常に意義深かった。

ゆっくりモスクを味わいすぎて、もう暗くなってしまった。ヴァリの家までは歩いてしばらくかかるので、その間もこのモスクで出会ったイスラム教というものや人々の信仰などについて思いを巡らせながら歩いて帰った。夕食は昨日と同様にヴァリと俺と台湾人のデイブ。たらふく食べた後、ビスタが搭載されたパソコンを借りてネットをした。そして、寝る事にした。


夕食はピラフと豆とラムの煮込み

旅日記の続きはコチラ「マシュハドの日常。そしてマシュハドとの別れ。」