初めての雪山登山@雲取山

多くの人がイメージする「雪山」に登る事は危険を伴う。ただ、雪が20センチ程度でトレースのある登山道を登る山なら、特別な装備や技術がなくても行く事ができる。もちろん油断はしてはならない。
以前にも登った事のある雲取山も、冬は2、30センチほど雪がつもり、初心者でも楽しめる事を知り、行く事にした。一緒に行った友達は以前にも共に雲取山に登った友達だ。

前日は、山頂での自炊のために下ごしらえ。少しばかり早く起きて、出発。中央線沿いに住んでいると、奥多摩などの山へ行きやすい。春になったら、新緑の山へ行こうと思う。お青梅乗り換え奥多摩着。バスで鴨沢バス停下車。ここまで1500円程度。安い。


登り始めに雪はない

前回と同様に鴨沢ルートで登る。この登山道はトレースができているので安心だし、以前も登ったことがあるのでこのルートにした。初心者でも大丈夫と知りつつ、慎重派だ。登り始めてしばらく雪もなく、普通の山登り。汗が出て来てフリースなどを脱ぐ。それにしてもいい天気で気持ちがいい。人もちらほらといて、適度だ。

今回はハイドレーションをつけて来たので、水を飲むために休む必要がない。たまに休憩したり、景色をゆっくり見るために止まったりするぐらいだ。天気がとても良く、青空が綺麗だ。紅葉シーズンに来た時とは少し違った雲取山。落ちた枯れ葉の色が少し濁りを増し、土に還っていくんだろうなと感じた。こんなんで雪は本当に積もっているのだろうか?と少し気になったが、登っていくにつれ、斜面に雪がちらほら見えて来た。徐々に雪を見ることが多くなり、こうして雪のゾーンに入っていくのかとワクワクする。


そびえ立つ富士山

先週は雨が続いたせいか土がぐちゃぐちゃになっていたので、スパッツを装着。スパッツといてもタイツのようなものではなく、登山靴とふくらはぎの辺りにつける泥よけ&雪の侵入を防ぐもの。そうして歩いていると富士山が見えるゾーンにやって来た。ドーンと富士山が鎮座している。前回11月に来た時と違うのは、富士山の山頂付近がまっ白だったこと。冬なんだなーと感じる。そして、やっぱり景色が良いところを歩くのは気持ちがいい。バックパックも軽くなったように感じる。もちろん晴れているからこその景色だ。

11月に登ったばかりなので、登山道の風景を覚えている場所もある。ああ、ここだ。ここをすぎると何があって、あと何分ぐらいで山頂に着くなど、と。ついでに、11月に写真を撮影したポイントも覚えているので、風景がどう変わったかを家に帰って楽しむために、同じ場所で写真を撮ったりした。


雪積もる大地


七ツ石山への坂道


七ツ石山頂上と俺


七ツ石山山頂からの風景

そんなことをしつつも登り続け、七ツ石小屋を越える。ここから山頂にかけては、雪が積もっている。積もっていると言っても10センチ程度。そこで軽アイゼンを装着。何だかワクワクする。一面雪だ。登山道はトレースが着いているものの、それ以外は美しく一面に雪が積もっている。青い空と白い雪のコントラストが美しくて、気分が高揚してくる。晴れて良かった。雪をザクッザクッと踏みしめる音を聞きながら、登っていく。


雪と青空


雪と青空と月

坂道の下から見る景色がいい。白い雪の坂道とその奥に見える青い空。ただ歩いているだけで、そんな風景が目に入ってくる。気持ちがいい。そしてその坂を上りきると、視界がパッとひらけ、山々と雪の眺望。七ツ石山の頂上に至る坂道とそのピークからの眺めは抜群だった。ぼーっと眺めたり、雪に落書きして遊んだり。童心に帰る。童心に帰りっぱなし(笑)


テカテカの雪の表層

七ツ石山から雲取山にかけての稜線(石尾根縦走路)は高低差がなく、歩きやすい。そして眺めが最高。遠くに見える山々には雪化粧をしている山もあった。そして、足下を見れば鹿か何かの足あとがあったり、一度雪が溶けたあと再び凍ったためか雪の表面が光沢されたように光っている所もあった。雲取奥多摩小屋の前にあるベンチで一休み。太陽がぽかぽかして、長袖シャツだけでも十分。温かい紅茶とチョコを食べながら、ここで昼寝をしたくなるほどの陽気。幸せの極み。ゆっくりと休んだ後、雲取山の頂上へ向かう。西の空の雲が厚くなり、富士山が見えなくり、太陽も顔を隠してしまった。明日は天気予報通り曇りだろうな。そして今晩の夕日を期待していたが、厳しそうだ。


動物の足あと


雲取山の山頂

山頂に行き、夕日の時間までまとうかとも思ったが、分厚い雲が覆い始めたので諦めた。山の天気は変わりやすいので注意しなければならない。そして、雲取山 山頂から雲取山荘まで40分ほど。宿に着くと、友達と二人で一部屋だった。これはくつろげていい。1泊朝食つきで6,000円。部屋に荷物を置き、こたつで休んだあと、とりあえずビールで乾杯。つまみがない事に気がつき、自炊場に行き夕食を作り始める。俺はもつ鍋を作る。友達はキムチ鍋。これらをつっつきながらビールを飲む。18時も近くなり暗くなり始めた。雪の積もる外を見ながら、暖かい部屋で鍋を作りビールを飲む。山頂で作る飯はなぜこんなにも美味いのか不思議になるほどだ。隣のおっちゃんとおばちゃん4人グループはしゃぶしゃぶをしていた。美味そう。肉も超高級っぽい。友達とうらやましそうに見たけど、お裾分け無し。。。残念。図々しすぎました(笑)。野菜は大根や人参をそのまま持って来て、皮むき器を使い、そのまま鍋に入れていた。火も通りやすいし、丸ごとだと悪くなりにくいし、頭良いなーと。ちゃっかり、このノウハウは頂きました。


夕食のキムチ鍋

それから部屋に戻り、紅茶とチョコレートを食べながら話す。あったかい紅茶は美味い。チョコもチビチビかじりながら友達と話す。
「隣で食べてたしゃぶしゃぶ、美味そうだったなー。」
「俺らも今度やりたいなー」
「二人だと荷物多いから、あと二人ぐらい欲しいなー」
「周りに山登る奴っていたっけ?」
「共通の友達だといねーよなー」
「それ以外の友達でも呼んでもしゃぶしゃぶしたいなー」
「それか共通の友達に山頂での乾杯の喜びを教え込むか?笑」
などと話した。

雲取山は東京からのアクセスも良く、夜の晩餐を楽しむための山荘も綺麗だ。節約する時はテントだって張れる。春夏秋冬にこだわらず雲取山での宴会参加したい人は随時募集中です。けっこうマジです。

そんなことを話しつつ、適度な疲労と適度な酔いと適度な眠たさ。体も暖まり、もうすでにお休みモード。ペットボトルの水で歯を磨き、外に捨てに行き、トイレでは手を洗う水の代わりに雪で手を洗い8時に就寝。寒いので、薄っぺらい敷き布団3枚、毛布を下に1枚、上に2枚、そして掛け布団。心地よく眠れ、夜中にトイレに一回起きただけ。

8日(日)


朝食

朝の5時30分に起きる。外を見ると曇っていたため、日の出は諦め、荷物を準備する。そして6時に食堂で朝食。シャケに納豆に卵と朝から豪華。山登りでは体力も必要なので、ご飯をおかわりする。うまい。山頂での暖かいメシは美味い。ご飯を食べ、お湯を頂いて、紅茶を水筒に入れる。そして7時に出発。外は朝ということもあり寒く、帽子と手袋を装着。今日は下山なのだが、山荘から山頂までしばし登る。すると霧氷がきれいだった。木々の枝や葉に雪が着いていて、木が白くなっており、美しい。朝はまだ気温が低いから解けていないのだろう。昨日は木々に霧氷は見られなかったので、昼間の太陽で解けていたのだろう。とすると、この霧氷は昨夜だけでついたものなのだ。それを考えると一晩でこんなにも氷がつくのかと驚くとともに、夜中はそれだけ寒いのだろうとも思った。


霧氷


雪の登山道


雪の中


遠くに見える霧氷の木々


霧氷の木々

頂上に着くと別世界だった。風も強く、非常に寒い。帽子や手袋があって良かった。この辺りの風景は険しい雪山というようなイメージだ。霧氷もびっしりとついている。辺りを眺めた後、寒いのでそそくさと下山。しばらく降りて行くと、一気に気温と風がかわる。風もなくなり寒さも感じない。頂上は遮るものがなく、寒さも厳しいのだ。帰りは近くの木々の霧氷や遠くに見える山肌の霧氷などを眺めるぐらいで、あとはスタスタと。

下りは特に疲れないので、休む事なく一気に下山。当初は11時30分のバスに乗る予定だったのだが、10時45分でも間に合いそうとわかり、歩を早めて下山。するとジャストタイム。バスが来る5分ぐらい前に到着。楽しい雪の雲取山だった。

※一部の写真を見れば、かなりハードな雪山かなぁ?と思われるかもしれませんが、そうではなく初心者でも登れる雪山です。まさに、写真のトリックです。

前回の雲取山の日記。

以下は自分用のメモです。

◆服装
速乾性Tシャツ(BVD)
速乾性ハイネック長袖シャツ(LoweAlpine)
フリース(ユニクロ) 寒い時だけ使用
レインウェア上着(モンベル) 寒い時だけ使用
タイツ 下山時のみ使用
冬用速乾性パンツ(LoweAlpine)かなり高機能なズボンで良い。
耳当てつきゴアテックス帽子(LoweAlpine) 寒い時だけ使用
防水手袋 寒い時だけ使用
登山靴(Danner)
バックパック30L(ミレー)
ハイドレーション(モンベル)(ポカリ2リットル)往復でも2リットルが余った
軽アイゼン(snowpeak)雪のある場所のみ靴から外れる事があり、あまり良くなかった。。。
スパッツ(登山靴とズボンの裾から雪が入るのを防ぐため)(MIZUNO)
登山用の厚手の靴下(近所の服屋で2足200円で買ったが良かった)

◆持ち物

バーナー3600kcal(プリムス)
コッヘル(snowpeak)
ガス250(プリムス)
保温水筒500ml 山での暖かい飲み物はホッとする
キッチンペーパー
アルミコップ
割り箸
ヘッドライト40ルーメン(Petzl)
ヘッドライトの予備電池
ティッシュ
ウェットティッシュ
タオル
歯ブラシセット
腕時計
山の地図
コンパクトデジカメ 乾電池の予備も持っていく
デジタル一眼レフ 充電を忘れない
眼鏡ケース
携帯(ずっと圏外)
財布
スイカ

・使わなかったもの
室内用ズボン(モンベル)
室内用長袖シャツ(ユニクロ)
レインウェアのズボン(モンベル)
靴下(予備)
ダウンジャケット(予備)(LoweAlpine)
多機能ナイフ(ビクトリノックス)

◆食料
もつ鍋もどき(持つ煮込み、野菜セット)もっと多めに持っていくと良い。調理のいらないつまみも持っていくと良い。
レトルトみそ汁2パック
おにぎり8個(朝2つ、昼2つ、夜2つ、昼2つ)もう少しあっても良い。
ビール
板チョコ
チョコのお菓子
チョコチップパン
紅茶のTパック
ポカリの粉 実はポカリの粉よりもポカリを買った方が安かった。。。
自炊用の水は山荘でもらった。もらえない場合は水を持っていく必要アリ。
朝食は山荘で食べた。(シャケの塩焼き、納豆、のり、みそ汁、卵、ごはん&ふりかけ&梅干しはおかわり自由)

◆スケジュール
雪は七ツ石小屋から山頂まではつもっていた。10センチ~20センチ。場所に寄っては30センチ程度。
軽アイゼンがあれば問題ない。軽アイゼン無しでも登れる。(登っている人もいた)
行き

2009年3月7日(土) 晴れ
6:42 阿佐ケ谷 発 7:50青梅 着 JR青梅線 7:52青梅 発 8:28奥多摩 着
西東京バス 8:35奥多摩駅発 9時15分 鴨沢バス停下車 

09時45分 鴨沢ルートで登山開始 
12時30分 七ツ石小屋
13時10分 七ツ石山 山頂
15時40分 雲取山 山頂 
16時20分 雲取山荘
17時30分 夕食 自炊
19時30分 就寝

2009年3月8日(日)曇り
06時 朝食@山荘
07時 雲取山荘出発
07時30分 雲取山山頂
08時55分 七ツ石山 山頂 
9時10分 七ツ石小屋
10時40分時 下山 鴨沢バス停
10時45分 鴨沢バス停発 11時23分奥多摩駅着
11時29分 奥多摩駅発 13時08分 阿佐ヶ谷駅着

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