日別アーカイブ: 2010/1/19 火曜日

アラスカ物語2 アラスカに来て一番最初に訪れた場所。それは・・・

前回のアラスカ旅日記はこちら「アラスカ物語1 アラスカの大地へ」

アラスカに到着して、肺が凍るようなフェアバンクスの寒さとエスキモーのおばちゃんに出迎えられた。おばちゃんの車に乗せてもらうと、「何軒か行きたい店があるので立ち寄ってから家に向かうね」と言われ、「分かりました」と答えた。さて、どんな店に行くのだろうと思いながら、雪に覆われたフェアバンクスの町並みを車窓から眺めていた。車は大きな店の駐車場に入って行く。「ここは私の大好きなお店なの」「安くていいものがたくさんあるのよ」と。一緒に店の中に入って行くと、殺風景な内装と雑然と並べられた食器や洋服があった。手に取ってみると使い古した感のあるよな品ばかりだったが、値段は安かった。なんだろう?おばちゃんに聞いてみると、ここはリサイクルショップだったのだ。アラスカに来て一番最初に訪れた場所、それはリサイクルショップ。なかなか面白い旅の始まりだ。おばちゃんは何とも分からない物を両手いっぱいに抱えて、満足げな顔でレジを済ませた。

送信者 ALASKA 2009

空港

送信者 ALASKA 2009

リサイクルショップ

車に乗った時に、何軒か行きたい店があると言っていた。さて、どんな店に何軒寄るのだろうか。1軒目がリサイクルショップだと次が気になる。車を走らせて到着したのは郵便局だった。郵便物を出し、次へ。大きな倉庫の様な建物に車が入って行く。???中に入ってみるとそこは天井の高い倉庫で、大きな麻袋が高く積み上げられている。いったい何の店だろう?店じゃなくて倉庫なのか?倉庫の中に入ると若い兄ちゃんが近寄ってきて、重そうな麻袋を車のトランクに何袋も載せて行く。麻袋を車に載せる度に車はドスンと車体が沈む。5、6袋積んだところで、おばちゃんに聞いてみた。「これは何ですか?」すると「ホース フード」と教えてくれた。その瞬間、頭の中は疑問符で埋め尽くされた。ホースフードって何だろう?と考えていたら、フッと思いついた。「馬のエサ」だ。このおばちゃんの家は小さな牧場をやっていて、そのエサを買いにきたのだった。

送信者 ALASKA 2009

スーパー

なかなか楽しい3軒の用事を終えると、Fred Meyerというこれぞアメリカと思わせるスーパーに到着した。おばちゃんは家族の買い物をし、僕は自炊するための5日分の食材を買い込んだ。5日分の食事っていったいどれぐらいだろう?と考えながら、1日目の昼はこれを食べて、夜はあれを作って。そんな風にスーパーを巡りながら考え買い物をした。もちろん、5日間だと悪くなりにくい食材を取り混ぜたりしながら。パスタ、パン3種類、冷凍ピザ。ピーマン、タマネギ、ブロッコリー、ベーコン、クリームソース、スープの缶詰、バナナ、リンゴ、ヨーグルト、オレンジジュースなどを買った。食材から家具・電化製品・洋服まで売っている店内を楽しく見て回った。ここはアラスカなんだけれど、アメリカの要素も多分に影響しているんだなと実感し買い物を終えた。

送信者 ALASKA 2009

車で市街地から1時間程走ると、ただ何もない大地と雪をかぶったトウヒなどの木々の風景が広がっていた。そんな中にCHANDALAR RANCH(シャンダラー牧場)はポツンとあった。車を降りてロッジに入ると、おばちゃんの孫と同じ部屋で泊まることを告げられ、部屋を紹介された。荷物を置き、一休み。

一人でこの場所にいても何もすることはない。車に乗せて行ってもらう以外に遠くへ行く交通手段はないし、歩いて行ける距離にお店はないのだ。ただ白銀の世界だけが広がっている。とりあえず日照時間も短いらしいし、ロッジから出てさらさらした雪を踏みしめながら散歩をする。すると、上空から飛行機のエンジン音が聞こえてくる。低い位置を飛行機が飛んで行った。しばらくするとまた飛行機の音がする。そうか、アラスカは飛行機をタクシーのように使うと聞いていたけれど、本当に小型飛行機がよく飛んでいるんだと実感した。本や人から聞いた知識を何気ない出来事から自分の五感を通して感じた時、旅をしているんだなと思う。

送信者 ALASKA 2009

セスナ

外を歩いていると既に夕焼け空。まだ夕方というには早すぎる13時か14時。今の時期は白夜の反対の極夜に近く太陽の高度が高くならないので、地平線の少し上を太陽がかすめるぐらいだ。だから太陽が出たときは朝も昼も夕方も常にマジックアワー(あやふふぁみ)のような空になる。そしてアラスカの山々は雪に覆われ太陽の光で淡いオレンジ色に染められる。

送信者 ドロップ ボックス

足下を見れば粉雪が全てを白一色にしていた。とても乾燥しているので、さらさらの雪で風が吹くと地面の雪が舞うほどだ。踏みしめても解けないし雪だるまも作れない、そんな雪がフェアバンクスの雪。近くをぶらぶらしてから惰眠をむさぼった。夕食はピーマンとタマネギとベーコンを炒め、パンをかじって済ませた。22時過ぎから何度か夜空を見上げたが、オーロラは姿を現さなかった。24時間以上の移動で疲れていたこともあって、寝ることにした。

アラスカ旅日記の続きはこちら「アラスカ物語3 オーロラを見上げた夜」