日別アーカイブ: 2012/7/1 日曜日

”Defy Gravity:The Art of Tangible Bits”

MITメディアラボ 副所長である石井裕教授のお話が聞けると、石井さんと飲み友達という友達から誘われ夕方から早稲田大学の理工学部へ。
早稲田の教室に入るなんて大学生の時以来だろうか。

石井さんについて、細かく書く必要性もないだろうけど、Tangible(触れる)interfaceを研究している方。
でも、それだけに限ってしまうのは、物足りない気がする。
新たな概念というか、新たなモノ、新たな世界を作り出そうとされている気がする。

講演会の後、食事もご一緒させて頂き、日曜のランチも数人でご一緒させて頂いて、久しぶりに脳みそがぐしゃぐしゃになりつつもとても共感し、自分の至らなさを再認識して精進しようと思った。

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ということで、お話を聞きに金曜の夕方ダッシュで、早稲田の理工キャンパスへ。
数分遅れで滑り込み。

今回のテーマは”Defy Gravity:The Art of Tangible Bits”

石井さんの研究内容の紹介や過去の研究から今に至るまでの流れ、どんなビジョンを持って研究されているかをユーモアを交えながら話してくださった。

とてもエネルギッシュで、どんなことにも真剣に真っ向勝負をされている方に感じた。
そして、お茶目さももたれている、人間としてとても魅力的にだった。

Tangible(触れる)であるinterfaceにこだわる理由は、そこにあることが揺るぎないから。
今後、どんなにバーチャルが発達したとしても、人間は自分の体を持ち続けるだろう。
そうすると、Tangible(触れる)であることからは逃げられない。
それほど、Tangible(触れる)ことは根源的であるから。

I/O Brushはとても面白かった。
何かに触れ、何かに映す。
この単純な行為に、今までにない驚きと、分かりやすさを盛り込んだ感じがワクワクした。

他のどの作品にも共通して感じられたのが、
徹底的に考え、考え、考え抜き、
徹底的に、行動し、手で触れ、感じる。
そして、形にする。できるだけシンプルなカタチにする。
それは、分かりやすさであり、美しさであること。

他にも印象的だったのは、テクノロジーは1年で陳腐化する、ユーザーニーズも10年で変わる、しかしビジョンは100年以上続く。
そのビジョンを成し遂げるために、情熱(passion)を傾け、少しずつビジョンに近づく。
だからこそ、シャープなビジョンを持つことは、何よりも大切だということ。

From いろいろ

後半は、学生の人へ向けた考え方や概念のヒントをいくつも共有してくださった。
石井さんは、世界トップの研究者でありながら、やはり教育者なんだなと実感した。

若手の人を本当に思っていると感じたのは、講演会終了後の質問の時間。
若い学生の質問にひとつひとつ真摯に答えている。
一人一人と向かい合うことが、唯一世界を変えていくと本当に知っていらっしゃるからだろう。

そして、最後に印象に残った言葉があった。

暗殺者を求めている。
とんでもなくスゴい奴がやって来て、俺をぶっつぶせばいい。
でも、そう簡単には負けないよ。
そんな奴らを育てる、それが私の仕事。

感想をひと言でまとめるのは難しい。
まだ、自分の中で整理して言語化できていない。
でも、講演内容は、自分が考えていることと重なり合う部分も多く、とてもしっくりきた。

どちらかというと、エンカレッジ、インスパイアされる場としてとても良かった。

石井さんは、
本当に頭が爆発するぐらい徹底的に考え、
物事に真摯に向かい合う方だと思った。
妥協せず、徹底的に手を抜くことなく生きている。

そんな姿を拝見したり、食事しながら色々お話をさせて頂いて痛感したことは、
俺のやりたいこと、やっていること、なぜやっているか、それをやることによって何を感じ、何を考えたか。
などをもっと、突き詰めて考えて、完結に答えれるようにシャープにしておく必要がある。
そうしないと伝わらないし、そうすることに寄って自分の中でも整理されて、次の世界が見えてくる。

次、お会いするときまでにいかにシャープにできるか。
それが自分の中での勝負だな。

過去がどんなであろうと、出発は今ココからしかできない。
今、この状態、世界を引き受けてスタートする。
過去に固執するのではなく、今ここから先をどうするかが勝負。

石井さんに関しては、ここが一番まとまってるかな。
http://matome.naver.jp/odai/2132508532920880701

昔のブログ
「行き詰ったら、物に返れ!」
http://www.teratown.com/blog/2007/11/04/yuyeyeyeaiaaiaiaiethaae/

From いろいろ

◆キーワードメモ
ゼロリセットして、新たな世界で勝負する(リブート)
完璧は幻想
屈辱感、悔しさが一番のエネルギー。
実在することの
枠にこだわらない。枠なんて取っ払って、答えに辿り着く
稲妻理論
2200年を生きる人に何を残すか
永遠の未来
ドライビングフォースで大切なのは死(時間は有限だから、私は走る)
具体と抽象のいきき
造山力(自分で山を描き、山を作り、山に挑み、頂へ。そしてまた山を描き、未踏峰連山を走り続ける)
あなたは何を表現したいか
自分の揺るぎない軸
内部からほとばしるもの
飢餓感
孤高
物事を概念化し、絵で表現する大切さ
師匠の存在の大切さ
短い言葉で完結に伝える大切さ
自分にしか出来ないことをやる
答えはない、問いも変わる。でも、問い続けること
本当の親友との緊張感(3年ぶりに会って、お前に会うまでこのアイディアは気づかなかったと言われる関係がいい)

“Defy Gravity: The Art of Tangible Bits”

「重力に抗して:タンジブル・ビッツ」

情報生態系を支える水路網の劇的な構造変化、そしてその水路網を再編集されながら循環する情報水流の加速。これらの変化の先の未来を予測するベストの方法は、自分たちの手で未来を発明すること。私たちメディアラボは、世界中の先進的な企業とのコラボレーションを創造のエンジンとし、未来ビジョンを創出・発信するために、ユニークな「独創・協創・競創」の文化風土を作り上げてきました。その中から生まれたのが、タンジブル・ビットです。人々が生涯を通じ物質的な世界と関わりあうことで育んできた豊かな感覚と能力を活かし、人間、デジタル情報、そして物理世界をシームレスにつなぐインターフェイスを実現することが、タンジブル・ビットのゴールです。本講演では、タンジブル・ビットのコンセプトとタンジブルメディアグループがデザインした多様なインターフェイス例をご紹介し、ユビキタス GUI を越える未来をご提案いたします。さらに MIT をとリまく「競創」の風土を生き抜く術について、お話させていただきます。

Where the sea meets the land, life has blossomed into a myriad of unique forms in the turbulence of water, sand, and wind. At another seashore between the land of atoms and the sea of bits, we are now facing the challenge of reconciling our dual citizenships in the physical and digital worlds. Windows to the digital world are confined to flat square ubiquitous screens filled with pixels, or “painted bits.” Unfortunately, one cannot feel and confirm the virtual existence of this digital information through one’s body.

Tangible Bits, our vision of Human Computer Interaction (HCI), seeks to realize seamless interfaces between humans, digital information, and the physical environment by giving physical form to digital information, making bits directly manipulable and perceptible. Guided by this vision, we are designing “tangible user interfaces” which employ physical objects, surfaces, and spaces as tangible embodiments of digital information. These involve foreground interactions with graspable objects and augmented surfaces, exploiting the human senses of touch and kinesthesia. We are also exploring background information displays which use “ambient media.” Here, we seek to communicate digitally-mediated senses of activity and presence at the periphery of human awareness. Our goal is to realize seamless interfaces taking advantage of the richness of multimodal human senses and skills developed through our lifetime of interaction with the physical world.

In this talk, I will present the design principles and a variety of tangible user interfaces the Tangible Media Group has presented in Media Arts, Design, and Science communities including ICC, Ars Electronica, Centre Pompidou, Venice Biennale, ArtFutula, IDSA, ICSID, AIGA, ACM CHI, SIGGRAPH, UIST, CSCW.

Hiroshi Ishii
MIT Media Lab Tangible Media Group

http://profiles.google.com/ishii.mit/about

石井裕教授 講演会 ”Defy Gravity: The Art of Tangible Bits”

講師  石井 裕(マサチューセッツ工科大学 メディアラボ副所長/教授)

日時  6月29日(金) 18:00 – 19:45

場所  早稲田大学西早稲田キャンパス(理工学術院) 63号館2階201・202教室

対象  特に制限はありません

連絡先 早稲田大学理工学術院情報理工学科 教授 村岡 洋一(muraoka@waseda.jp)