この虚脱感を書き記そう

UTMFが延期になった。
今朝、飛び込んで来た情報だ。
昨日は、今年の出走予定を書いたばかりだったのに。

そもそも今年は地震がなくても開催されないんじゃないかという空気すらあった。
エントリーの開始日は、当初のアナウンスから遅れた。
2ヶ月前なのに、コースも発表されず、詳細なレギュレーションも発表されない。
開催までにはいくつもの課題があった。

ただ、エントリーは完了し振込も済んでいた。
もちろんスケジュールも決まっていたし、開催される前提で進んでいた。
大会側からのメッセージも開催に向けて取り組んでいるとのことだった。

今年はないんじゃないかという怪しさを抱えながら、開催された時のためにと練習を積み重ねていた。
未だかつてないほど、日々練習をしていた。
トレーニング方法の本を読み、筋トレをし、トレイルにも行き、コンスタントに大会もいれた。

なんで、こんなにも熱を入れていたのだろうか。
それは、UTMFに夢を見ていたから。
これは僕の性格、エネルギー源なのだ。

自分が今まで経験がなく出来るか出来ないか分からない、想像もつかないことをやりたい。
それを追いかけていないと落ち着かないのだ。
それを成し遂げるために、頭を使って考え、計画をたて、準備をして、実行する。
なんとかして、成し遂げる。

これが好きだ。

最近のロングトレイルに限らず、旅もそうだったし、友達と会社をしたのもそうだった。受験勉強だって同じだ。
頭を使って、体を使って実行する。そして、今までにない世界や感覚を味わい、何かを考える。
自分が主人公になり、かつ自分がゲームをするプレイヤーとして一人二役でロールプレイングゲームをする感覚。

それを失ったのだ。

とっても難しい迷路を我武者らで解いていたら、「ゴールはないよ」と言われたような、
とても楽しい日々を送っていたのに、夢だと気づいた時のような、
ボクシングの世界タイトルマッチで戦う前日に、相手がキャンセルしてきたような、
ベストタイムを狙ってマラソンを走りはじめたのに、30キロ地点で「機械故障でタイム計測が出来ていませんでした。」なんて言われたような感じ。

喪失感
虚無感
無力感
虚脱感

まあ、熟語で表すと、こんな感じ。
そんなにもショックを受けて、元気がないのか?と思われそうだけれど、別にそういう訳じゃないけれど、気を張って邁進していたから寂しさはある。
ああ、走りたかった、挑戦したかった。
正直言って、自分の今のレベルでは完走できたかどうかは半々といったところだ。
だからこそ、挑みたかった。
負けるかもしれない可能性を持った戦いに、挑み何とか勝ちたかった。
ただ、それだけだ。
勝負に挑めない悲しさ。

だったら、大会に頼らずに勝手に走れよという話しだが、1人でこの距離を走るにはかなりのリスクがあるし、精神的にテンションを高めるのがなかなか難しい。
僕はそこまでのレベルの人間にはなれていないから。

さあ、次だ。

中止ではなく延期(秋を目安に開催)ということなので、100マイルへの心の炎を灯し続けていこう。
やりたいことは、いくらでもある。
UTMFが延期になったので久しぶりにGWはどっか旅に出ようと思う。
そして練習量も通常に戻そうと思う。

送信者 ドロップ ボックス

レースを楽しみにしてくださっていた方々や協力をご快諾頂いた地元関係者の方々、とりわけトレーニングを熱心にされてきた参加選手の皆様の思いは私が昨年のUTMBの中止時に感じた無力感同様に、言葉では到底言い尽くせないものと推察いたします。この決断は私たちとしても非常に辛く心苦しいのですが、どうぞこの状況をご理解頂けますようお願い申し上げます。
 5月のレース開催については白紙に戻すこととなりましたが、私たちは秋期開催を目指してできる限りの努力を続けてまいります。今後とも変わらぬご理解ご協力を賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。

2011年3月23日
ウルトラトレイル・マウントフジ実行委員長  鏑木 毅

2 thoughts on “この虚脱感を書き記そう

  1. そうなんだ、延期なんだ。
    ホントこのところ異常にリキはいってたもんね。
    でも、中止じゃないからもう一度スイッチが入るよ。

  2. maru さん

    そうなんです。UTMFも延期になりました。
    maruさんも、エントリーした大会が中止のようですね。

    この時期だから致し方ないと思いつつ、寂しさもあります。
    また、気合いを入れ直します。

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