5月20日に向けて、学んだことを実践す

「量から質へ」というエントリーで書いたけれど、トレーニングの質を上げなければ一つ上の段階に行けない。
UTMFという大きな目標があるから、その日までの残り5ヶ月間を有効に使わなければならない。

ということで、ポラールトレイルランニングアカデミー@青梅に行ってきた。
講師は鏑木毅さん。まあ、ポラールの心拍計の営業のためのイベントなんだけど、実際に心拍系を使ったトレーニングや説明を受けられるので参加してみた。

参加してみて、思っていた以上に収穫が大きい時間だった。
今まで何年か山を走って来ているが、完全に独学で見よう見まねだったから。

まずは心拍に基づくトレーニングについての講義。

◆心拍トレーニング
【最大心拍数】
限界まで坂道ダッシュをした時の心拍数。まあ、それ以上は心臓が早く鼓動を打てませんよという値。一般に最大心拍数は「220ー年齢」と言われる。
今回、坂道をダッシュして測ったらオレは184だった。数式で計算すると、220ー27歳=193だから、今回測ったよりも少し高い数値が最大心拍数かなと思う。というのも、心臓が限界と言うよりも、足の筋肉が先に悲鳴を上げたから。おそらく、190ぐらいが最大心拍だと思う。

【スポーツゾーン】
スポーツゾーンとは最大心拍数に対する割合(%)を元にしてトレーニングを分類したもの。ようは限界に対して何%ぐらいの負荷のトレーニングかということ。

強度5:最大心拍数の90~100%(限界だー。ダッシュ)、効果は上級アスリートの瞬発力向上。オレの場合、171~190
強度4:最大心拍数の80~90%(きつい。坂道など)、効果は短いトレーニングセッションで最大運動能力が向上。オレの場合、152~171
強度3:最大心拍数の70~80%(普通。軽いジョギング)、効果は有酸素運動能力が向上。オレの場合、133~152
強度2:最大心拍数の60~70%(軽い。かなり遅いジョギング)、効果は基本的な持久力が増し、脂肪燃焼に効果。オレの場合、114~133
強度1:最大心拍数の50~60%(非常に軽い)、効果は運動不足の解消、体力回復のサポート。オレの場合、95~114

【LT値と効果的なトレーニング】
LT値とは、その点を境に乳酸値が一気に高まる心拍数のこと。LT値を越えると乳酸が一気に溜まって、疲労に繋がる。そこで、このLT値よりも下で動き続けると、長距離走り続けられる。さらに、LT値をトレーニングに寄って上げることによって、高負荷の運動をしても乳酸値が高くなりづらくなる。一般にLT値は(220ー年齢)ー(10~20)と言われている。オレの場合は173~183かな。

・LT値を上げるトレーニング
有酸素領域のトレーニング。有酸素領域とはLT値よりも低い心拍数の運動のこと。スポーツゾーンでいうと強度が3程度の運動を長時間することによって、LT値を上げることが出来る。これによって、高負荷の運動をしても乳酸が溜まりづらくなる。登り坂など心拍が上がるところでも、疲労がたまりづらくなる。

・LT値以降の乳酸値アップの度合いが緩やかになるトレーニング
無酸素領域のトレーニング。これは、LT値を越えてしまうと乳酸値が一気に上がるんだけれど、その上がり方を緩やかにするトレーニング。このトレーニングはLT値よりも心拍が高いトレーニングで、スポーツゾーンでいうと強度4、5のハードな領域のもの。

◆鏑木さんのトレーニング

【コンバイントレーニング】
横軸を心肺負荷の大小。縦軸を筋力的負荷の大小のグラフで考える。
すると以下のような4つのゾーンに分かれ、それぞれに当てはまるトレーニングがある。
A、筋力負荷が大、心肺負荷が大
 トレイルランニング、スピードトレーニング
B、筋力負荷が大、心肺負荷が小
 階段トレーニング、ヒルトレーニング
C、筋力負荷が小、心肺負荷が大
 自転車、クロカンマシーン、水泳、スピード走
D、筋力負荷が小、心肺負荷が小
 ジョギング、ウォーキング

このようにA、B、C、Dのトレーニングをミックスしてやることをコンバイントレーニングという。
例えば、A、筋力負荷が大、心肺負荷が大のトレランをやると、筋肉疲労も心肺疲労も大きい。筋肉疲労は翌日も続くが心肺疲労は翌日までは続かない。そこで、翌日は筋力負荷の小さい水泳や自転車などをする。すると、筋力へのダメージは少ないが心肺のトレーニングにはなるので、心肺強化がはかれるというもの。

さらに、ミックスすることによって、ボディーバランスも取れるし、トレーニングが飽きないというメリットも大きい。

【期分けによるトレーニング】
8月にメインレースがあるとすると、その9ヶ月前から本格的なトレーニングを開始されるそう。僕らみたいに9ヶ月も期間がとれない場合は、練習のメニューそれぞれの期間を短縮してやると良い。

9~5ヶ月前:体脂肪燃焼サイクルの構築トレーニング、心拍数は220-年齢×0.7ぐらいの負荷のトレーニング。スポーツゾーン強度3
4~3ヶ月前:動的補強、心拍数は220-年齢×(0.7ー0.8)ぐらいの負荷のトレーニング。スポーツゾーン強度3、4
2~1ヶ月前:高心拍・高負荷、心拍数は220-年齢×(0.7ー0.9)ぐらいの負荷のトレーニング。スポーツゾーン強度4、5
当月:スピードトレーニング、直前は体を休める、心拍数は220-年齢×(0.7ー0.8)ぐらいの負荷のトレーニング。スポーツゾーン強度4

体脂肪燃焼サイクルの構築トレーニング
人間のパワーは糖と体脂肪の2つがある。走っている最中に補給するような糖だけでは、後半ばててしまう。そこで重要になるのは、体脂肪燃焼だ。体脂肪燃焼サイクルを構築すると荷物も少なくて効率が良いし、後半にもバテにくい。かなり、ゆるいトレーニング。LSD(ロングスローディスタンス)のような、かなりゆっくり目で楽しく走る。すると体脂肪をエネルギーに代える体になるのだとか。これによってLT値を上げることも出来る。

動的補強
体脂肪燃焼サイクルの構築トレーニングは激しい運動ではないため、体の動きも小さいことが多い。そうすると、体の動きが縮こまってしまう。そこで、おもいっきり体を伸ばしてやるようなトレーニングをやる。大股でジャンプして走るなど。体のバランスと筋力を同時に調整し走りの効率性を高めるトレーニング

高心拍・高負荷
かなり追い込んだトレーニング。キツいトレイルを走り込んだり、坂道を走り込むなど。

スピードトレーニング
最後にスピードトレーニングをして、体を呼び覚まして、レースへの準備をさせる。

◆鏑木さんのトレイルを走る時のアドバイス
【登り】
登りは内股に力を入れて、お尻の筋肉を意識して登る。がに股にならない様に気をつける。
大股でなく小股で登る。
走って、歩いて、走って。歩いて心拍が下がったらまた走るという繰り返し。
少し前傾姿勢で、背筋は伸ばす。
猫背になると背中の筋肉を痛める。
背中の筋肉痛にならないためには、腹筋と背筋をやると良い。

【下り】
下りはリズムよく降りて行く。
トップ選手は直線で下って行く。

【その他】
レース前は当たり前だが禁酒
白い米など炭水化物に頼らない。玄米を食べる。白いパンも食べない
終盤でもジェルを少し取ることによって、意識レベルが上がって良い。
UTMFは70キロや100キロのトレイルレースとはレベルが違う。
UTMFを完走するためには、月に1、2回5時間~10時間近く動き続ける(スポーツゾーン強度3)訓練が必要。走らなくてもよく、10時間歩き続ける訓練。
UTMFはレースと言うよりも富士山を360度から見ながら、ロマンを感じる旅と思ってほしい。

◆ついでにトレイルコースについて
・4月の高水三山の大会で使うトレイルコースの一部。青梅駅を南へ出て、大通りへ。右(西)へ曲がって進み、青梅市民会館を越え青梅坂下交差点を右折(南へ)。すると坂道があって、トンネルの手前に、左側(西側)に階段がある、そこを入るとトレイルに。そこからは、青梅丘陵ハイキングコースにつながる。三方山、などを越えて高水山まで行ける。

◆今回のオレのデータ
最大心拍数:184(本当のMAXは190ぐらいだと思う)
安静心拍数:63(普段プールで測ると58ぐらい)

今回のトレイルでは最大心拍:181
今回のトレイルでは平均心拍:140

◆5月に向けてのトレーニングメニュー

12月~2月:体脂肪燃焼サイクルの構築トレーニング、心拍数は2133~152のトレーニング。かなりゆるいジョギング。ゆっくり走ることを意識して、長めの距離20キロを2時間30分~3時間で。月に1度は5時間のゆっくりジョギング。
3月:動的補強。心拍数は152~171。普通のスピードでランニング。10キロ1時間切るぐらい。20キロで2時間強。体を大きく動かすジャンプしながら走るなど。ゆるいトレイルラン。フルマラソンの距離を普通のスピードで走る。4時間前後。
4月;高心拍・高負荷。心拍数は171~190。スピード走。坂道ダッシュ。スピード出してトレイルを走る。フルマラソンを3時間30分程度。
5月:スピードトレーニング、心拍数は152~171。スピード走などをやる。直前は体を休める。かるいジョギングなどで体の疲労をとりリラックス。

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2 thoughts on “5月20日に向けて、学んだことを実践す

  1. teratownさん、こんばんは。

    今回の日記は細かくてすごいねー。
    雑誌の特集になりそう。
    昔、本を書くのにATやらLTやらATPやら予測最大心拍数やら
    いろいろと勉強したけど、な~んも憶えていない。
    teraちゃんは勉強家なんだね。
    これからの実践、がんばってねー。

  2. momomoさん

    忘れない様に、自分の記憶に留めるために細かく書いちゃいました。
    ATやらLTを勉強されていたことがあるのですね。
    僕ももっと勉強したいと思いました。
    そして、実際に活用したい気持でいっぱいです。

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