日別アーカイブ: 2010/12/18 土曜日

遮られない世界

東京を歩いていると、周りに見えるのはビルか車か人ぐらい。
ただ、空を見上げれば、ビルの隙間から空が見える。

ビルの隙間から見える夕焼け空が美しい。
隙間からじゃなくて、この美しい夕焼け空を全天で見たい。
でも、いきなり高い場所へは行けない。
何もない平原や海へは行けない。

そうだ。
人間は視界が遮られないことに喜びを感じる。
何処までも見える眺望。
広大無辺な自然が好きなのもその理由だろう。

遮られるというのは視界に限らず、自分の話しであってもそう。
遮られるということを人間はいやがる。
国会の答弁とか、テレビの討論番組を見ていてもそう。

なぜかと考えれば、自分の思い通りにしたいとか、自分がすべてを理解していたいと思うからなんじゃないかな。
遠くまで見る事ができれば、その遠くで起こっている出来事も把握できる(と思っている)。
しかし、ビルで遮られれば、ほんの10メートル先の出来事すら見る事ができない。
何が起こっているか分からなければ、そこにリスクが潜んでいるかもしれない。

そこには、人間の恐怖から来る、欲求が存在しているのではないか。
その恐怖の感情が、遮られないということを望んでいる気がする。

高層ビルの上から望む東京の町、何もない砂漠で永遠に続く砂、飛行機の窓からのぞく永遠の空。
そんな遮られない世界が僕も好きだ。

送信者 ドロップ ボックス