日別アーカイブ: 2015/11/12 木曜日

ビジョンから制度への落とし込みを徹底する、が長期視点を持つ場も定期的に設定しておく

ビジネスをしていく中で、学んでいくことがある。
それは、先輩から教えてもらったこと、組織の制度から意味を自ら読み取ったこと、メンバーから学ばせてもらったこと、お客さんから学んだこと。明示的に教えてもらったこともアレば、数を重ねて自分が感じ取ったこともある。それを咀嚼して、自分なりに意味付けをして、再度実行してみる。するとうまくいくことも、うまくいかないこともある。そこで、再度考えて修正をかけて、また実行してみる。

組織において、ビジョンが優れていてもうまく組織が回らずに、実現しないパターン。
制度はピカイチなのに、制度だけがうまくワークするけど、実益が伴わないパターン。いろいろ存在する。

ようは、入り口から出口、ビジョンから制度までを一貫して作る必要がある。ビジョンと制度の整合性が取れている状態を作り上げる必要がある。制度を作るときに、この制度は本当にビジョンやミッションを成し遂げるのに、ベストな制度なのか。制度に基づいて人が行動すれば、ミッションというか目的は成し遂げられるのか、それを繰り返し考えながら、作り上げていく。

そうすれば、制度にしたがってチームなり個人が行動すれば、それが積み重なってミッションが達成されることになる。組織はビジネスは個々人や個別に発生するできごとの積み上げでしかない。だとすれば、自由意志を持った人間がある一定のルールにしたがって行動していれば、結果的に積み上がって、組織がうまくいきましたという状態を作り上げることにある。

ビジョン、ミッション(成し遂げたいこと)、戦略、ルール、組織設計、制度設計、採用方法、採用メッセージ、人事制度、評価制度、上に立つ者の行動、組織の意思決定方法、責任と権限移譲、すべて含むのだ。これをうまく連動するように、作り上げていく。

もう少し具体的に書けば、商品の課金形態、営業マンのスキルセット、使用するツール、上に立つものの意思決定(方法、軸も含む)、営業目標の指標、人事評価制度、日常の社内の雰囲気、表彰これらは一貫していないと、うまくいくはずがない。一つでも外れていたら、いくらいい商品でも売れるはずがない。本当に商品が悪かったのか、その商品は良いのにそれを売る体制が作れていなかったのか、売るスキルが足りなかったのか、客観的に判断するべきだ。それで売れないと言っているのは、制度設計をする立場の人の問題にすぎない。

これは型は行動を規定する、ルールは行動を規定する。という単純なルールに従っている。人は良くも悪くもルールにしたがって動く。右向け右といっても右に向かないこともあるが、右に人参をぶら下げれば右に行くのが人間だ。

わかりやすい指標を追いかければいい状態を作ることがいかに重要かが分かるし、だからこそKPIマネジメントなどと言って、ビジネスの鍵となる指標を見つけ出しそれを追いかける組織をつくり上げることが、ひとつの組織の解となる。

しかし、それだと近視眼的になり時代の変化に対応して変えるという発想がなくなるのも事実。型にハマってやっていれば、それなりにうまくいくからだ。徐々に悪化していっても、対処療法で解決しようとしてしまう。ただ、PCからスマホに変わるデバイスチェンジとかAIとか含めて、世界を変える出来事が存在する。だから定期的に、長期視点を持つ非日常的な合宿的な場を持つことも重要だ。そこで、将来の変化を見据えて、再度ビジョンに対して一番マッチする制度を作り変えたりする。

あとは、引き継ぎもままならない状態で、人事異動をかける。これは、乱暴だが必然的に前の習慣がなくなる。新しい人は必死で現在の状態をキャッチアップし、考えられるベストな制度を作り上げる。もちろん、その次代の最新の考え方とかも取り入れるだろうから、乱暴なやり方だが優秀な人に任せれるなら一つのやり方だ。この方法のメリットを体感していないと、怖くて実行することができなかったりするが。

あと、制度づくりの時に気にすることは自分で選択した、自分で決めたという気になるような制度を作ること。人間は、やらされることが嫌いだ。同じAをするにしても、やれと命令されてやるのと、自分がAをやりたいと言ってやるのでは全くモチベーションが異なる。タスクを決めるときは、予め決まっていても命令するのではなく、個人で考えて結論を出してもらうのがいい。それをあたかも自分で考えたと思えるように、うまく誘導するってのが一番うまいやり方なんだが。100マイル走れと命令されたら絶対やりたくない罰ゲームだが、自らやると決めたらお金をかけて休みを使って喜んで100マイル走るのが人間という生き物なのだ。

あとは、単純に褒めること。適度な共感と努力と結果に対する賞賛、あとは適度なムチ。飴と鞭をうまく使うこと。それぞれの受容度は人によって異なるが、それぞれに合わせてちょっと許容よりも大きな飴と鞭を使い続ける。人間は麻痺する生き物なので、飴と鞭は新たなものに変えたり、強度を増していくことがポイント。

自立した優秀な人が多ければ、楽しく仕事ができる場をつくる。自らの視点で課題を見つけ改善できる余地を与える。権限と責任も付与する。メンバーに期待すること、能力を信じて期待して任せることが、その人の能力アップや視界を変えるきっかけになる。自立してなく優秀でない人が多ければ、ルールで縛るというのも致し方無い。

あとは単純だが、好き嫌いで決めない。良し悪しはその人の行動や結果で客観的に見る。得意不得意はすべての人にある。すなわち、得意なことが発揮できるポジションがあるし、優秀と言われる人でも苦手なポジションがある。優秀なプレイヤーが優秀なマネージャーでないことが多いのもこれと一緒。マネージャーが偉いわけではない。

意思決定の軸を持つこと。意思決定者の超重要な仕事の一つ。意思決定をする立場になると、日々何回も意思決定を求められる。毎回、どんな意思決定をしたかは覚えていられない。でも、AさんとBさんに違う回答をするのはNGだ。Aさんびいきだと言われかねない。データに基づくのは当然だが、それだけで判断できないことが多いし、そういった問題こそほんとうの意味での判断が必要になる。そこで重要なのが、意思決定の軸というか、最終判断する際の拠り所。これがないと、意思決定がブレる。経済合理性で判断するのか、弱い立場の人を守るという判断をするのか、何か判断するジャッジ基準を自分で決める。そして、意思決定のプロセスと意図(背景)をしっかりと伝える。

そして意思決定する人間は、できるだけ暇そうに装う。質問されたら、出来る限りその場で答えを出して、背景も含めて説明する。メンバーは、上司に相談することをためらうものだ。怒られるかなとか。でも、相談しようか迷っていて、仕事が先に進まず無駄な時間を過ごしていることが多々ある。だから、常に質問OKという態度を示して、質問を受け付ける。これがメンバーの業務を早く効率的に進めるのに超重要。

意思決定について書いてきたが、意思決定でアウトプットされれるものは情報だ。ってことは、組織における、情報の流れを設計することが続いて重要になる。しっかりと意思決定したこと(情報)が平等に隅々まで流れる仕組みを作ること。情報は組織にとっての血液だから超重要。

脳は経営的な意思決定をするボードメンバー。血液という情報はボードにも流れてくるし、そこで意思決定された情報(血液)は体全体=すべての組織に等しく流れるべきである。どこかで血が止まると、例えば足が壊死するなど。

もちろん、手も足もそれぞれ可動範囲がある。組織や人も自分の業務範囲があり、それを実施する。基本的に手は手だけで行動し、足は足だけで独立してことをなす。が、手と足が共同して動かないといけないこともある。組織は人の体と同じだ。人の体がうまく動くように、組織もまるで一人の人間であるかのように、うまく連動してワークするように作られているのがベスト。

そのために、PDCAを回す文化が生み出され、常に体(組織)はメンテナンスされて、うまくワークするというのが望ましい。

まあ、華やかなことに踊らされず、常にしたたかに。でも、決して邪悪にならず、社会に価値と革新、そして驚きと、少しのユーモア(笑い)を提供できる組織が一番だし、自分が関わる時はいつもこうでありたいと思う。

つきなみだが、こうしたことが文化づくりになる。何を成し遂げたいか、そのためにはどんな組織がベストか。それにもとづいて、制度を作り上げ、結果として文化が生まれる。大きくなればなるほど組織において文化・風土というものが大きなインパクトを持つし、文化・風土は簡単には作れず、変えることもできないから、最大の資産になりえる。

終わり。