日別アーカイブ: 2016/5/12 木曜日

旅をする木、旅をする本

偶然テレビをつけたら、BSプレミアムで「星野道夫 没後20年“旅をする本”の物語」が始まったところだった。タクジさんがちょうど星野さんの雑誌記事の取材で南東アラスカに行っていて、その時の写真をネットで見ていてアラスカという場所の素晴らしさを再実感していたところだった。

10年以上前に「友達が取った写真は身近に感じる」と書いていたことがある。自分はその地に行っていないのに、親しい友達の旅に自分を重ねあわせる。テレビや雑誌の綺麗な写真では感じない、リアリティを友達の写真からは感じるのだった。

番組の中で、旅をする木の中から、ガラパゴスの章が紹介された。
「私たちはここまで早く歩きすぎてしまい、心を置き去りにしてきてしまった。心がこの場所に追いつくまで、私たちはしばらくここで待っているのです。」
移動の速さに心がついていけず、歩調と心の速さを合わせるといったくだり。僕も学生時代に南米を旅した後に移動手段の速さに心がついていけなかった。当時は長期旅行から日本に帰ると、旅の時間と日本の都会での時間のギャップに戸惑うことが多かった。そして、大学時代に東京の一人暮らしの家から、実家の岐阜を目指して歩いたのだ。東海道を歩いて。

そして、ちょうど今、石川弘樹さんが、高尾から大阪まで東海道自然歩道を走っている。それを思い出していた。ちょうど今日出張で名古屋へ行った。新幹線から歩いた道が見え、弘樹さんが今ここを走っているんだなと、また自分の思い出と仲間の今を重ねあわせて風景を見ていた。

そんなことが重なると、自分の頭は旅モードになってしまう。「旅をする木」を読み返そうと思った。

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番組で印象に残った部分

生きる目的を、生きる理由を与えたほうが良い。死ぬなよと直接的に言うことは、これから冒険する人に適切ではない。阿部幹雄さんがそうはなしていて、そのために、「旅をする木」を局地冒険家の荻田さんに渡したのだと。

奥さんの星野直子さんは、星野さんが健在だった頃は本からよりも本人から刺激をもらっていたが、亡くなってからは星野さんの本や写真からより多くのことを学ばせてもらっていると。

生態学者・田邊優貴子さんがは16歳の時」という章の全てが好きと。

星野道夫 没後20年“旅をする本”の物語
アラスカの大自然やそこに生きる人たちを愛した、写真家の星野道夫さんが亡くなって今年で20年。生前最後に出版された「旅をする木」という一冊の本が、さまざまな人によってリレーされ、ヨーロッパからアジア、南極、北極と12万キロを旅しています。バックパッカー、南極の湖に潜る女性研究者、単独無補給で北極点を目指す冒険家など。人生に大きな影響を与えた本と、その感動を伝え続ける人たちの不思議な物語です。

【出演】ドリアン助川,【語り】松雪泰子

http://www4.nhk.or.jp/P3939/x/2016-05-12/10/33069/2578325/