日別アーカイブ: 2016/3/12 土曜日

5年目の311

3月11日
東京駅36階
ビルは揺れた
目の前のビルが右に左に動いている。
映画の世界でしか見ない。
お台場で煙が立ち上り、千葉方面では火が上がっていた。
棚の上にあったものは全て落ち、
ブラインドは折れ曲がった。

焦っても何の意味もない。
ピンチになった時に冷静さを保つことばかり考えているので、
生き残るために最善は何か、そんなことを考えた。
近くでは皇居だろう。
皇居は日本中でも安全な場所に作られるはずだ。
そして、高層ビルが崩れても少し離れているし、死ぬことはないだろう。
いつも使っていた非常階段でダッシュで下り、皇居へと急いだ。
ビルの中では、安全です、待機してくださいという放送が無限ループで流れ続けていた。

そして、歩いて帰った。
街は人でごった返し、カオスだった。
泣き叫ぶ人、切れる人、酒を呑む人。

スーパーからは物がなくなった。
テレビでは津波が押し寄せる映像が流れ、
仕事は休みになり、
原発から白い煙が立ち上った。

地震の前日に4月から東北に転勤という話をもらい、
土日で仙台に家を探しに行く予定だった。
走ることや自転車に乗りやすいように、海岸沿いの家を探す予定だった。

その街が、津波で飲まれた映像が連日報道された。

震災から1ヶ月後ぐらいにボランティアで訪れてみると、道路はデコボコで多くの被災者が避難生活を余儀なくされていた。また、GWにも訪れた。お手伝いは精一杯したが、結局行った動機は自分のこうs鬼神に過ぎなかったとも思う。

そして、結局東北転勤はなくなった。不思議だった。東北に行く気満々だったので自分の魂だけ、ポカンとさまよっているような。一方で、地震が一日違えば自分もどうなっていたかと思うと、なんの意志も持たないものに偶然だとか必然といった概念を持ち込みたくなってしまう。

そう、あれから5年の時がたった。
100mileのトレランもモンブランもアコンカグアも、それからの出来事だ。ああ、時間というものは、いろいろな出来事や感情や記憶を作り出す。

2016年 東京
2015年 東京 数日後からキューバへ行った
2014年 麻布十番で飲んでたっぽい
2013年 伊豆トレイルジャーニーの翌日
2012年 東京

http://teratown.com/blog/2012/03/11/3i11aeuthooaie/