月別アーカイブ: 2011年4月

鉄人になるために

行ったことのない場所。
やったことのないこと。
見たことのないもの。
感じたことのない感覚。

そんな物を求める性格で、いろいろと日々遊んでいるけれど、ここ数年は肉体を動かすジャンルで遊んでいる。
当初の予定ではUTMFという、果てしない旅を今年一番の挑戦としていたけれど、地震の影響もあり開催延期。
秋に開催予定とあるが、俺の直感では今年は開催されず、来年じゃないかと思う。

そこで、今年のメインディッシュは佐渡国際トライアスロンにした。

その中でも、一番距離の長い佐渡国際Aタイプにエントリー。

スイム3.8Km
バイク190Km
ラン42,2Km
トータル236.0Km

日本で一番長い距離のトライアスロンレースだ。

一般的にトライアスロンというと超ハードなスポーツのイメージがあるが、トライアスロンといっても距離が様々だ。
オリンピックディスタンスはスイム1.5kmバイク40kmラン10km。もっと短いスプリントディスタンスの大会もある。
一般的に超ハードと思われているのは、アイアンマンがあるからだと思う。このアイアンマンはトライアスロンの中でも最長でスイム3.8kmバイク180kmラン42.195kmのレースのコトを意味する。そして、このアイアンマンを17時間以内に完走できたら「アイアンマン」別名「鉄人」と呼ばれる。

で、俺が出る佐渡Aタイプはアイアンマンよりも、少しだけ長い。それには、大人な?事情があって、アイアンマンは登録商標で、許可がないと使えないから。だから、佐渡は距離が少し長くて、実はアイアンマンという名前は使えず、完走するとアストロマンという称号を与えられる。

まあ、佐渡Aを完走できたらアイアンマン(鉄人)でいいじゃんと思っているので、今回完走できたらついに鉄人だ。制限時間は15時間30分。

俺の予想タイムだと、制限時間ギリギリでのゴールのはず。内訳イメージは以下。

スイム3.8Km/1時間30分
バイク190Km/8時間30分
ラン42,2Km/5時間30分
トータル236.0Km/15時間30分

送信者 sports

いきなりメインディッシュだとお腹がびっくりするので前菜として、7月4日に徳之島トライアスロンに出てこようと思う。これは、オリンピックディスタンスよりも長いミドルの大会になる。

佐渡島も徳之島も行ったことのない島で、島旅好きにはトライアスロンと旅が楽しめて一石二鳥。

そんなんで、トライアスロン用の練習をしなければならない。まずランは練習できているのでOK。水泳は東京体育館が18時閉館なので、週末しか泳げなくなってしまった。練習量は減ってしまっているが、週末はできるだけしっかり泳ぐことにしようと思っている。一番の問題はバイク。なかなかバイクの練習ができない。車が走っていて危険&排気ガスがあるので、町中は走りたくない。すると輪行して、荒川サイクリングロードまで行けばよいのだが、なかなかメンドクサイ。ジムよりも自然の中を走る方が断然好きだが、花粉とか雨の影響もないのはジムのメリットだ。

そこで、東京体育館のジムに初めて行って来た。今まではプールだけで2時間600円だったのが、4月からジムとプールどちらも使えて2時間30分で600円とお得になった。そんなこともあって、東京体育館で初めてジムへ。ボクシングのレッスンを友達と一緒に15分ぐらい受けて、汗を流した後はバイク練習。ひたすらバイクをこいだ。荷物もいらないし、手軽に練習できていいなと思った。これからはバイク練習を東京体育館でしようと思う。

1時間ちょっとジムワークをした後は、プールへ。今日のメニューは1800メートル。

個人メドレー (25*4)2本
キック 50*4
スカーリング 25+25フリー*4
キャッチアップ 50*4
忘れた 400m???
個人メドレー (25*4)2本
フリー400m*1

その後、さっと風呂に入って、2時間30分フルに使ってトレーニング終了。遅いランチを食べに友達4人でグッドモーニングカフェへ。テラス席で、ソファに座りながらパスタを食べた。とってもおしゃれで、一人だったら入れないけど、たまにはいいもんだ。

送信者 sports

2011年

【既に走った大会】
1/30 勝田全国マラソン@茨城
2/19 三浦半島縦断トレイルランニング@神奈川
2/27 東京マラソン@東京
4/3   高水トレイルラン15K@東京

【今後走る大会】
4/22 2011フライデー ナイト・リレーマラソン in 国立競技場 春大会 夕方から徹夜で12時間走@東京(エントリー済み)
5/15 第1回 高橋尚子杯ぎふ清流マラソン@岐阜(エントリー済み)
6/5  第1回富士忍野高原トレイルレース@山梨(エントリー済み)
7/4  徳之島トライアスロン
7/22 富士登山競争@山梨(エントリー済み)
9/4 佐渡トライアスロンA ロング
秋 UTMF 100マイル@山梨、静岡(エントリー済み)

【エントリーはしていないけれど、出ようか迷い中の大会】
5/22 新島トライアスロン
6/11 伊豆大島トライアスロン
8/7 長良川国際トライアスロン大会
8/28 おんたけ?
9月 信越五岳@新潟、長野
10月 ハセツネ@東京
1月 アンナプルナ山岳ウルトラトレイルレース@ネパール

地下鉄で通勤・通学をしない

些細なことだけど、自分の中で決めているルールがある。

風呂はシャワーで済ませず、夏でも毎日湯船につかる。

飲み会を除いて、食事は決まった時間に食べる。

朝起きたら、軽くストレッチをする。

睡眠時間は6時間程度とる。

などなど、いくつかルールがある。

些細なことだけど、これらは毎日やることなので、結果的に自分の体に大きなインパクトがある。

そんなルールの一つに、地下鉄で通勤・通学をしないところに住むと決めている。

朝出かける時に、暗いところにいるとテンション下がる。

空を見て、太陽を浴びて学校なり仕事なりに出かけた方が気分が晴れやかで一日楽しく元気に過ごせる。

東日本大震災が起きてから、地下鉄に乗っているとここで地震が起きたらと思うと恐ろしい。

今までは朝の太陽を浴びるために、地下鉄沿線に住まないでいたが、これからは地震も踏まえて地下鉄から避けるようにしよう。

数値で見えないことだけど、大きな影響があると思う。

自分の中のルール。

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石巻市でのお手伝い記録

先週末に石巻でヘドロ掻き出しとゴミ撤去のお手伝いをしてきた直後のメモは書いたが、もう少し細かな記録を残しておきます。

まず、当たり前の話だけれど必要な仕事はあまりにも沢山の種類があり、ボランティアの内容によって全く異なる。僕の考えとしては基本的に得意分野のことを人それぞれやるのがベストだと思っている。マンパワーが足りない時にはそれが一番効率的。

体力のある人は肉体労働をするべきだし、料理がうまい人は炊き出し、お金がある人は募金したり、NPOを資金面でサポートすればいいし、医療などの専門家はそれに従事すればいい。

でも、個人的には肉体を使う作業で良かった。特別な能力も金もないけど、体力はあるからという理由もある。けれど、肉体を使ってある程度の肉体的辛さがあるからこそ、分かる気持ちがあると思うからだ。ヘドロのかき出しは、一般ボランティアがやる作業の中ではハードな方だと思う。ヘドロはかなり重たい。そして、服などに汚れがつくととても粘り気が強く取れない。さらに、工場や車の油が含まれており、混じった匂いがする。きれいな仕事ではない。

とは言っても、今回は津波でこうした被害をうけている家が非常に多い。この作業をしながら、老人のみの家庭や旦那さんが働いていて奥さん一人で子育てしている家庭など、なかなか作業をすすめるのは厳しいなと思った。さらに、地震で身内を失ったり、様々なものを失った状態でこれだけタフな作業はやる気になれないと思えた。少なくとも、僕ならやる気になれないと思う。だからこそ、被災していない元気な人達が行って、作業をすることに価値がある。

一方でボランティアが足りない気がした。具体的に裏付けデータがあるわけではないが、石巻で被災した何人かの方とお話ししていて着いたし、まだ作業が終っていない家が何軒も見かけられたから。衣食住などが自分で完結できるノウハウのある人達が、ある程度の人数でまとまって、チームワークを発揮して活動出来れば本当に意味があるとおもう。

個人のボランティアは自衛隊などの手がとどかないところをサポート出来ればいいなと思う。例えば道路などは大きな重機で一応通れる様になっているが、個人の家や細い路地はまだまだのところも多い。そういったところのお手伝いを早い段階で出来れば良い。

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◆日程

集合時間:4月10日(日)1:00 am(土曜日の深夜)
集合場所:新宿駅

スケジュール:
10日 1:00am 車で都内出発

常磐道の友部SAで一人拾う

10日 9:00am 石巻着

宮城県石巻市旭町のアパートでヘドロ掻き出し作業とゴミの撤去作業
男女合わせて8人で、アパートの4部屋のヘドロ掻き出し、大きなタンスなどや細かなゴミを撤去

10日 12:00 昼食 おにぎりとパン 15分程度

午前に続き同じ場所のヘドロ&ゴミ撤去

10日 15:00 作業終了(4部屋の掃除とゴミ出しをほぼ終える)

10日 15:30 道具の片付け、着替えなど

10日 16:00 高台にある日和山公園から津波被害見学、海岸沿いへ降り津波で流されたエリア見学

10日 17:00 石巻発 東京へ

10日 23:30 都内着

◆ルート

首都高速→常磐道→友部SAで1人ピックアップ&手洗い用の水を空のペットボトルにつめる→東北道→矢本PA→石巻

石巻→東北道→首都高→東京

2011年4月10日時点では、高速道路は問題なく走れました。多少の凸凹はあり。

◆服装
汚れても良い服装(ヘドロ除去の場合は1回で服を捨てるレベルになる。一番外側の服は雨具など化学繊維の水分を含まないものがベスト)
 →カッパ上下、Tシャツ、長袖シャツ
・ネームカード(ボランティアかつ名前が分かるように)
・ヘルメット
・タオル
・マスク(油の匂い、津波で流されて菌も繁殖している可能性が高い)
・長靴(長めでかつ、口を絞れるもの)
・バケツ
・ゴム長手袋(軍手の上から肘まで隠れる長いゴム手袋)
・作業用手袋(ぼつぼつの軍手よりも全面ゴムの手袋が良い)
・着替え用の服
・カッパ上下
・濡れたとき用の下着

◆持ち物
・寝袋
・テント
・ブルーシート
・耳栓
・アイマスク
・大きなゴミ袋(たくさん)
・きれいなタオル
・食べ物(パン、おにぎり、ジェル、お菓子、梅干など塩辛い物、酸っぱい物など)
・飲み物(スポーツドリンク、水、ジュース)
・コッヘル
・バーナー
・ファーストエイドキット(風邪薬、下痢止め、消毒薬、薬、絆創膏、包帯など)
・目薬
・ウェットタオル(超重要)
・湿布
・栄養ドリンク
・ひも
・はさみ
・ナイフ
・ヘッドライト
・ネームプレート(ボランティアであることが現地の人に分かるように)
・雑巾として使える物
・たわし
・スコップ(先が四角いもの、大きすぎると重くて長時間やると疲労がたまるので適度な大きさが良い)
・荷物を運ぶ一輪車
・バケツ
・ファブリーズ
・手洗いや硬くなったヘドロを流す様の水(現地では水がない場合も)
・文庫本、iPodなど(何日もボランティアで働くと疲れるので、リラックスするツールが必要)

◆心構えと作業に当たってのコツ
・必要なものは仕事内容によりかなり違う。事前に仕事内容を把握し、しっかり準備してから現地へ行く。
・一般によく言われているが、自分の衣食住、活動に必要な道具は自分で準備する。現地で迷惑をかけない。
・健康管理は重要。がむしゃらに動きつづけて、風邪や怪我で倒れても迷惑。自分で自分をコントロールする。ボランティアだからといって、休みなしで働き続けるのではなく、適度に休憩する。
・これも当たり前だが、何でもやります!とボランティアに行っているのに、汚れる仕事は拒否するなどの行為はありえない。
・現地でお会いする方はどんな被災をされているか分からないので、それを念頭において気を使って話をする。
・現地での写真は無駄に行わない。人だけでなく、家やモノも持ち主にとっては大切だったものなので、興味で撮影して持ち主の方が嫌な思いをされることも考える。
・ヘドロは早くかき出さないと、水分が抜けて固まってしまうと大変。1ヶ月だと部屋の中のヘドロはまだ水分が残っていた。
・人数が必要。作業は頭数が命。少人数でやっても、片付けは全然進まなくて、気持ちが折れる。さらに、人数が多いと重い荷物が運べたり、色々な作業を抗体でできるので、気分転換になるので良い。1グループ5人以上は欲しい。
・いったん作業をし始めると、手が汚れたりして、かばんの中から必要なものを出すのが困難。そこで、作業を始める前に必要なものは全て出しておく。風に飛ばないように気をつける。
・昼を食べるのも楽にすむ様に、菓子パン、ジェルなど片手で食べれて、袋に入ったまま手で持てるものがベター。塩辛い物、甘いものなど。
・水は超重要。手洗いや掃除などにも使うため。飲料水とは別に水道水をペットボトルにいれて持って行くと良い。手洗い様に、大きなペットボトルに途中のSAPAなどのトイレで水をくんでおくこともできる。掃除用に水がなければ、トイレに水が残っていることもあるので、その水を使うこともできる。それもない時はやはりウェットティッシュが便利。
・ゴミも掃除に活用する。ヘドロの掻き出しはスコップでやっていたが、ベニヤなどを使って掻きだすこともできる。
・僕達がゴミと思っても、ゴミではないものがある。子供のおもちゃや趣味のコレクション、手紙、写真などは慎重に判断する。
・自分たちが持っていったもので、作業で余ったウエットティシュなどは、現地の方が必要かどうか聞いて、必要な場合はあげてくると良い。
・作業終了後に着替えはマストだが、着替える場所がないこともあるので、カッパの下に服を来ておくと便利。
・汚れ物を入れれるように大きなゴミ袋はたくさんあると良い。
・トイレがないこともあるので、事前にできるだけ済ませておく。
・交通止めの道もあるので、事前にチェックしておく。
・知らない人が作業していると、近所の人に怪しまれる(泥棒?)可能性があるので、ネームカードをぶら下げ、ちゃんと挨拶をする。

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東日本大震災 石巻でのお手伝いと、目の当たりにして感じたこと

4月10日(日)東日本大震災から1ヶ月後の日に宮城県石巻市旭町のアパートで片付け作業を行った。
友達の友達の実家ということで、ヘドロの掻き出し、ゴミの片付けを手伝いに行った。

以下は時系列での見たりやったこと、そして感じたこと。

東北道の道は修理した場所が多く、凸凹し車が揺れた。

高速から見ると、田んぼには漂流して来たモノが散乱していた。

一方で、何事もなかったかのような地域もあった。

自衛隊の車と物資を運ぶ車、医療関係の車をたくさん見かけた。

空にはひっきりなしにヘリコプターが飛んでいた。

高速の矢本PAには、通行止めの道路情報と使えるトイレの場所が掲示されていた。

町中は、家の外にゴミとヘドロが堆く積まれていた。

土ぼこりが舞っていた。

すでに1ヶ月たったとは思えない。道は片付いてたが、家の中はまだまだのところが多い。

ヘドロの掻き出しをしたアパートは2メートルぐらいまで水没の跡があった。

部屋の中は油と水と土とヘドロとゴミが混ざったものが、10センチぐらい積もっていた。

油の匂いが少しツンとした。

作業は泥だらけになり、予想以上にヘドロがやっかいで時間がかかった。

お手伝いしたアパート周辺はまだ水がストップしており、作業に手こずった。

ゴミとして捨てて良いと言われても、土で汚れた子どものミニカーや手紙などを捨てるのは忍びなかった。

なにから何までゴミになるので、道にゴミの置き場がないぐらいだった。

町の人も協力しながら、コツコツ片付けをされていた。

重労働が多く、被災された方は片付ける気力を振り絞るのも大変。
さらに少人数だと進みも遅く、片付ける気持ちを持ち続けるのもたいへん。
金も必要だが何より明らかにマンパワー(頭数)が足りてないと感じた。

被災したら、片付けなんてする気になれないだろう。元気な奴がやりに行く意味は大きいと思った。
被災していない俺らが元気をなくしてどうするんだ。

ボランティアをした石巻市旭町のアパートのおばちゃんに見て行くように言われ日和山公園から海岸を眺めた。

建物の土台も何もかも流されていた。車は逆さま、家は崩れ、泥だらけ。様々なものが燃えて錆び付いていた。
全てが流され、引っ掻き回され。ぐちゃぐちゃだった。こんなことが起こりうるのか。。。茫然とした。

自分があの瞬間にあの場にい会わせたことを想像すると、迫り来る津波に物凄い恐怖がおそってくる。いろんな気持ちがご茶混ぜ。
こんな事態になったら、おれは錯乱するんじゃないかと思うが、みなさん辛さを押し殺しているのだろうけど、温かく迎え入れてくれた。

道を挟んで隣の家なのに、何もかも流されている区画と何事もなかったかのような家が残る区画との差が大きかった。
隣の家なのに電気が通っている所といないところ。水も同様。少し高台とかもあるが、あまりにも大きな差だった。
自分がすべてを失った立場だったら、辛すぎる。俺のような人間だったら失わなかった人を恨みたくなってしまうんじゃないかとも思った。

1ヶ月がたった今日でこの状態。
直後はいったいどんな世界だったんだろうか。

いったい、これからどうやって立ち上がって行けば良いんだ。
あまりにも先が見えない状態が目の前にあるが、一歩ずつ進むしかないのだろう。

避難所では、今日の元気メニューと幟を立てて、ぜんざいやおでんなども振る舞われていた。

公園では子どもたちが走り回って遊んでいた。

自衛隊の人は黙々と作業をし、警察官は町中で交通整理、そしてボランティアもお手伝いしていた。

自然は恐ろしく、美しい。
当日の朝日と夕日は真ん丸で淡く美しかったし、石巻でも梅の花は何事もなかったかの様に花を咲かせていた。
一方で、何もかもを消し去った跡が目の前にあった。

お手伝いボランティアに役立ちそうなことなど細かなことは、後日にまとめて書きたいと思います。
今回はまず目にした事実と感じたことを忘れない様に、最初の気持をとりあえずメモしました。

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1票を投じる大変さ

またこの時期がやって来てしまった。
少しの後ろめたさを引きづりながら、夜のランニングをする。

走っていると都知事選と区議会議員選挙があるため、町中の至る所に選挙看板が目に入る。
そして、この歳になると区議などに立候補すると友達から連絡をもらう。
今回の地震や友達の立候補もあってか、選挙や政治というものがより身近に感じている。
そこで、選挙権を持ってから今までずっと感じ続けていたことを書き記しておこうと思う。

選挙が身近に感じるようになっているはずなのに、なぜ後ろめたさがあるかと言えば、自分が納得いく投票をしたことがないからである。そして、今回も納得のいく投票が出来なさそうだからだ。

個人的には選挙は非常に重要だと思っている。国の姿や人々の生活を大きく左右する意思決定なのだから。
それだからこそ、いい加減な理由で特定の人に投票することに後ろめたさを感じているのだ。

数えてはいないけれど、選挙権を得てから今まで何度も選挙の機会はあった。
正直に言って、行かなかった回数の方が多いと思う。
最近の若者の投票率の低さを指摘されるけれど、その要因の一人でもあった。

投票に行った何回かは、誰かの名前を書いたことも、白票を投じたこともある。
ただ、どちらの場合も自分の投票行動には納得がいっていない。
それは、自分がしっかりと調べ、この人に頑張ってほしい!と思える人を見極めた上で投票出来ていないから。

自分のいい加減さを盾に逃げているのかもしれないが、選挙で誰かを選び投票するには下調べにとても時間がかかる。
考えるだけでも膨大な時間がかかりすぎる。選挙は重要といいながら、そこまでの時間を割くことと自分の1票の価値では、自分の時間を優先してしまっていたのだ。

僕個人が何にそんな時間がかかると思っているかと言うと、選挙の前に調べる2種類のことだ。

・ひとつは立候補者およびその政党について
・二つ目は国や都道府県、市区町村の現状

ひとつ目の立候補者および政党については、彼らの政策やその実行可能性、過去の実績など。

ただ、それらを判断するには、前提知識となる国や都道府県などの現状を把握していなければならない。
政治、経済、外交、農林水産業、科学技術、教育、医療、子育て、老人福祉、産業、財政、金融、エネルギーといった幅広い内容。

さらに、もっと前提になるのが、自分自身がどんな国になることを望むのかというビジョンがなければならない。
それがなければ、どのような政策を支持するかは決められないのだから。

まとめて書いてしまえば、これだけのことに過ぎないのかもしれないけれど、一つ一つやろうと思ったらかなり大変だ。それに我々は国会議員の選挙だけではない。国も、都も、区もといったように、様々なレイヤーの人々に投票しなければならない。

それら(区、県、国)の単位で問題の粒感も大きく異なるし、それぞれについて知り、自分の価値観と照らし合わした上で投票せねばならないのは並大抵のことではない。日常的に関心を持って調べていれば、選挙の前だけに右往左往する必要はないのかもしれないが、新聞社の政治部記者や学者、政策をウォッチしているNPOの人ぐらいしか日常的に細かなところまでは追いかけられない。新聞やテレビでは不十分なのは言わずもがなで、議会に足を運んだり、政治家の話を聞きに行ったり、著作を読んだり、シンクタンクのペーパー読んだり、自ら議会議事録などを取り寄せたりしなければ、本当の所は分かりっこないのだから。

さらに、目の前の選挙について調べるだけでは足りない。振り返りという作業もしなければならないからだ。前回の選挙で自分がどのように調べ、どのような判断軸で誰に投票したか。それをもとに、当選した人の活動と成果を調べ、自分の投票行動が良かったのか悪かったのかを見極める。それをやった上で、目の前の投票にいかさなければならない。

しかし、現実問題として毎日仕事をし、子育てをし、それなりの趣味を持って日々の生活を送っている一般の人が、上記のことをやるには時間がない。時間がないという言葉や忙しいという言葉は言い訳に過ぎないかもしれない。もっと、国のことを思っていたり、自分の生活が直接的に大きな問題が生じるようになれば、死ぬ気で調べるだろうから。

とは言っても、いきなりこんな風になるわけではないので、現実的な路線で考えてみたい。

今までの話から4つにフェーズを分ける。
1,ビジョン:自分がこの国や町はこうありたいという姿を思い描く
2,現状調査:政治、経済、教育、外交、農業、医療、エネルギーなどなどの現状調査と自分が考える問題の解決策案を作る
3,振り返り:前回の自分の選挙における投票行動と当選した人の活動の成果振り返り
4,立候補者調査:立候補者とその政党の政策やその実行可能性などの調査

まず1,ビジョン。
正直なところ、どんな国を望むか、どんな国の姿がベストかの明確な意思はない。共産主義国家よりも自由度が高い国家を望むとか、自然が好きなのでそれらを尊重する国家とか、そんなぐらいはあるが、国家のあるべき姿を明確にイメージし、なぜその姿がいいのかという裏付けを持ち合わせていない。例えば小さな島でどんな地域、コミュニティを作りたいかは僕の頭でもイメージできる。ただ、国とかいった大きな単位になるとイメージが沸かない。さっそく一つ目からつまずく。が、自分の価値観があれば、2の現状を調べることによって、あるべき姿を少しずつイメージできてくるような気もする。ので、次へ。

2,現状調査
現在はほとんどがネットのニュースで世の中のことを知る。ただ、ネットのニュースはテレビの様に受動的ではなく、能動的だ。だから、見るニュースは自分の意志でクリックして読む。必然的に偏ってしまうシステムなのだ。そこで、今まで見なかったけれど、現状調査という観点から重要なものは見て、さらに自分でも追加でちょっと調べて背景も理解するように心がける。これの積み重ねで、かなり現状理解が深まると思う。
ついでに、本はエッセイを中心に読んでいるが、もう少し幅広いジャンルの本を読んで知識をつける。そして、友達とも議論をし、自分の考えをブラッシュアップさせる。

3,振り返り
これは最もハードルが高い。というのは心理的なものと、実際の手間という点で。これからの選挙に関しては情報がたくさん落ちているが、過去のことはマスコミなどでもあまり取り上げられない。だから、自らの意思で情報を取りに行かなきゃならないからだ。まずは、1,2,4ができてからにしよう。それか、実績がまとめられたサイトないのかな?あれば多少は需要がある気がする。まあ、すぐに需要はないかもしれないけれど、とても意義のあるサイトになると思うな。

4,立候補者調査
マニフェスト。HPをくまなく読む。街頭演説で人となりを感じ取る。実はこれにはそこまで時間がかからない。2の現状調査と自分の考える問題解決策があれば、それと合致する候補者を見つけるだけだからだ。そんな人が見つかれば、その人が本当に政策を実行できるのかどうかを判断すればOK。まあ、これは直感を含め定性的なので、曖昧な部分はありますが。何度も選挙をしっかりして、3の振り返りをしていれば、この精度も上がってくるだろう。

大人なんだし、これぐらいはやって行きたいなという理想。選挙だからいろいろ書いたけど、いやー、こんなことできるのか?怪しいけど、ちょっとずつ前に進んで行きます。

最後に、ぼやきを。

上記のことがしっかりできたら絶対に生まれてくるであろう、感情がいくつか。

・完全に同意する立候補者なんていることの方が少ないんだから、自分が立候補するのか?ということ。
・いくら調べても結局のところ未来は分からない。だから、結局は感覚で投票するのか。という葛藤。
・例えば「原発は絶対反対」とか、「超自由主義経済」とか、何か一つこれだけ守ってくれる政党や人なら後はなんでもOKというものがあると楽なのかな。

送信者 ドロップ ボックス