石巻市でのお手伝い記録

先週末に石巻でヘドロ掻き出しとゴミ撤去のお手伝いをしてきた直後のメモは書いたが、もう少し細かな記録を残しておきます。

まず、当たり前の話だけれど必要な仕事はあまりにも沢山の種類があり、ボランティアの内容によって全く異なる。僕の考えとしては基本的に得意分野のことを人それぞれやるのがベストだと思っている。マンパワーが足りない時にはそれが一番効率的。

体力のある人は肉体労働をするべきだし、料理がうまい人は炊き出し、お金がある人は募金したり、NPOを資金面でサポートすればいいし、医療などの専門家はそれに従事すればいい。

でも、個人的には肉体を使う作業で良かった。特別な能力も金もないけど、体力はあるからという理由もある。けれど、肉体を使ってある程度の肉体的辛さがあるからこそ、分かる気持ちがあると思うからだ。ヘドロのかき出しは、一般ボランティアがやる作業の中ではハードな方だと思う。ヘドロはかなり重たい。そして、服などに汚れがつくととても粘り気が強く取れない。さらに、工場や車の油が含まれており、混じった匂いがする。きれいな仕事ではない。

とは言っても、今回は津波でこうした被害をうけている家が非常に多い。この作業をしながら、老人のみの家庭や旦那さんが働いていて奥さん一人で子育てしている家庭など、なかなか作業をすすめるのは厳しいなと思った。さらに、地震で身内を失ったり、様々なものを失った状態でこれだけタフな作業はやる気になれないと思えた。少なくとも、僕ならやる気になれないと思う。だからこそ、被災していない元気な人達が行って、作業をすることに価値がある。

一方でボランティアが足りない気がした。具体的に裏付けデータがあるわけではないが、石巻で被災した何人かの方とお話ししていて着いたし、まだ作業が終っていない家が何軒も見かけられたから。衣食住などが自分で完結できるノウハウのある人達が、ある程度の人数でまとまって、チームワークを発揮して活動出来れば本当に意味があるとおもう。

個人のボランティアは自衛隊などの手がとどかないところをサポート出来ればいいなと思う。例えば道路などは大きな重機で一応通れる様になっているが、個人の家や細い路地はまだまだのところも多い。そういったところのお手伝いを早い段階で出来れば良い。

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◆日程

集合時間:4月10日(日)1:00 am(土曜日の深夜)
集合場所:新宿駅

スケジュール:
10日 1:00am 車で都内出発

常磐道の友部SAで一人拾う

10日 9:00am 石巻着

宮城県石巻市旭町のアパートでヘドロ掻き出し作業とゴミの撤去作業
男女合わせて8人で、アパートの4部屋のヘドロ掻き出し、大きなタンスなどや細かなゴミを撤去

10日 12:00 昼食 おにぎりとパン 15分程度

午前に続き同じ場所のヘドロ&ゴミ撤去

10日 15:00 作業終了(4部屋の掃除とゴミ出しをほぼ終える)

10日 15:30 道具の片付け、着替えなど

10日 16:00 高台にある日和山公園から津波被害見学、海岸沿いへ降り津波で流されたエリア見学

10日 17:00 石巻発 東京へ

10日 23:30 都内着

◆ルート

首都高速→常磐道→友部SAで1人ピックアップ&手洗い用の水を空のペットボトルにつめる→東北道→矢本PA→石巻

石巻→東北道→首都高→東京

2011年4月10日時点では、高速道路は問題なく走れました。多少の凸凹はあり。

◆服装
汚れても良い服装(ヘドロ除去の場合は1回で服を捨てるレベルになる。一番外側の服は雨具など化学繊維の水分を含まないものがベスト)
 →カッパ上下、Tシャツ、長袖シャツ
・ネームカード(ボランティアかつ名前が分かるように)
・ヘルメット
・タオル
・マスク(油の匂い、津波で流されて菌も繁殖している可能性が高い)
・長靴(長めでかつ、口を絞れるもの)
・バケツ
・ゴム長手袋(軍手の上から肘まで隠れる長いゴム手袋)
・作業用手袋(ぼつぼつの軍手よりも全面ゴムの手袋が良い)
・着替え用の服
・カッパ上下
・濡れたとき用の下着

◆持ち物
・寝袋
・テント
・ブルーシート
・耳栓
・アイマスク
・大きなゴミ袋(たくさん)
・きれいなタオル
・食べ物(パン、おにぎり、ジェル、お菓子、梅干など塩辛い物、酸っぱい物など)
・飲み物(スポーツドリンク、水、ジュース)
・コッヘル
・バーナー
・ファーストエイドキット(風邪薬、下痢止め、消毒薬、薬、絆創膏、包帯など)
・目薬
・ウェットタオル(超重要)
・湿布
・栄養ドリンク
・ひも
・はさみ
・ナイフ
・ヘッドライト
・ネームプレート(ボランティアであることが現地の人に分かるように)
・雑巾として使える物
・たわし
・スコップ(先が四角いもの、大きすぎると重くて長時間やると疲労がたまるので適度な大きさが良い)
・荷物を運ぶ一輪車
・バケツ
・ファブリーズ
・手洗いや硬くなったヘドロを流す様の水(現地では水がない場合も)
・文庫本、iPodなど(何日もボランティアで働くと疲れるので、リラックスするツールが必要)

◆心構えと作業に当たってのコツ
・必要なものは仕事内容によりかなり違う。事前に仕事内容を把握し、しっかり準備してから現地へ行く。
・一般によく言われているが、自分の衣食住、活動に必要な道具は自分で準備する。現地で迷惑をかけない。
・健康管理は重要。がむしゃらに動きつづけて、風邪や怪我で倒れても迷惑。自分で自分をコントロールする。ボランティアだからといって、休みなしで働き続けるのではなく、適度に休憩する。
・これも当たり前だが、何でもやります!とボランティアに行っているのに、汚れる仕事は拒否するなどの行為はありえない。
・現地でお会いする方はどんな被災をされているか分からないので、それを念頭において気を使って話をする。
・現地での写真は無駄に行わない。人だけでなく、家やモノも持ち主にとっては大切だったものなので、興味で撮影して持ち主の方が嫌な思いをされることも考える。
・ヘドロは早くかき出さないと、水分が抜けて固まってしまうと大変。1ヶ月だと部屋の中のヘドロはまだ水分が残っていた。
・人数が必要。作業は頭数が命。少人数でやっても、片付けは全然進まなくて、気持ちが折れる。さらに、人数が多いと重い荷物が運べたり、色々な作業を抗体でできるので、気分転換になるので良い。1グループ5人以上は欲しい。
・いったん作業をし始めると、手が汚れたりして、かばんの中から必要なものを出すのが困難。そこで、作業を始める前に必要なものは全て出しておく。風に飛ばないように気をつける。
・昼を食べるのも楽にすむ様に、菓子パン、ジェルなど片手で食べれて、袋に入ったまま手で持てるものがベター。塩辛い物、甘いものなど。
・水は超重要。手洗いや掃除などにも使うため。飲料水とは別に水道水をペットボトルにいれて持って行くと良い。手洗い様に、大きなペットボトルに途中のSAPAなどのトイレで水をくんでおくこともできる。掃除用に水がなければ、トイレに水が残っていることもあるので、その水を使うこともできる。それもない時はやはりウェットティッシュが便利。
・ゴミも掃除に活用する。ヘドロの掻き出しはスコップでやっていたが、ベニヤなどを使って掻きだすこともできる。
・僕達がゴミと思っても、ゴミではないものがある。子供のおもちゃや趣味のコレクション、手紙、写真などは慎重に判断する。
・自分たちが持っていったもので、作業で余ったウエットティシュなどは、現地の方が必要かどうか聞いて、必要な場合はあげてくると良い。
・作業終了後に着替えはマストだが、着替える場所がないこともあるので、カッパの下に服を来ておくと便利。
・汚れ物を入れれるように大きなゴミ袋はたくさんあると良い。
・トイレがないこともあるので、事前にできるだけ済ませておく。
・交通止めの道もあるので、事前にチェックしておく。
・知らない人が作業していると、近所の人に怪しまれる(泥棒?)可能性があるので、ネームカードをぶら下げ、ちゃんと挨拶をする。

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10 thoughts on “石巻市でのお手伝い記録

  1. teratownさん、こんばんは。
    震災から1ヶ月が経った現実が見て取れました。
    もっともっと多くの人にこの現実を知って欲しいです。

  2. お疲れ様です!そしてありがとう!
    思っても現地に行くなんてなかなか行動にうつせませんよ!!!
    今回の地震で美術があまりにこういう時に無力なんだと思いました。
    なにか募金以外にやれる事をみつけないと駄目ですね。

  3. teraちゃん、こんにちは。
    ボランティアお疲れさまでした!
    そして、詳細な情報をありがとうございます。

    本当は私もボランティアに行きたい気持ちがあるのだけど
    交通手段や放射能の問題が不透明な中で動けずに悶々としています。
    同じように感じている人はたくさんいると思う。
    今は現地にいけなくても将来的に被災された方たちの
    メンタル面でサポートができるようなことができないかな、とか
    いろいろ考えているところです。
    まずはできることをしたり、考えたりすることが必要だよね!

    「被災していない元気な人達が行って、作業をすることに価値がある。」
    これは本当にそうだな、と改めて思いました。

  4. teratownさん、こんばんは。

    現地に行かないとわからないことってたくさんあるよね。
    とても参考になったよ。

    被災者の方の支援をしている東北の知人がブログに書いていたけど、
    東京からやってきた若者が作業途中でいつの間にか帰ってしまい、
    心配するやら驚くやらで、とても困った、と。
    若者も現地を見て辛くなっちゃったのかもしれないね。

  5. ポン山さん

    テレビや新聞で見る世界でした。
    でも、実際に自分の目で見ると、やはり感じるものが違いました。
    できるだけのコトをしたいと改めて思う様になりました。

  6. うぱるぱ さん

    比較的ミガルな人間なんで、いけるチャンスがあったので行きました。
    少しでも役に立てればいいなと思って。

    美術も役割大きいと思う。
    避難所生活が長くなって、食べ物とかも最低限確保されて来ているから、次は生活に少し潤いが必要な気がする。その時は、美術がとっても大きな力を発揮すると思う!

  7. ai さん

    僕も地震後からいろいろ調べて、行くタイミングを見ていたんですが、なかなかハードルが高いですね。

    そもそもアクセス手段、現地の詳細な状況、何を準備して、現地では何ができるかなどなど。

    今回は行くきっかけがあって本当に良かったです。これからもできることをできるだけやって行こうと思います。

    将来的なメンタル面のサポートいいですね。こんかいの震災は長期かしそうですので、絶対に必要な事になると思います!

  8. momomoさん

    現地に行かないと本当に分からないコトだらけですね。

    若者のボランティアが帰ってしまった気持も分かります。
    目の前の光景、そして体力のいる仕事は簡単ではなかったので。
    でも、我々が行くなら覚悟を持って、できることを最後までまっとうしたいなと思っています。

  9. お疲れ様でした。
    しかもすごい強行日程。

    私も行きたい。
    そう、きっかけが欲しいんですよね。

    参考になりました。

  10. maru さん

    確かに、かなりの強行日程です。。。
    体力はあるほうなので、持ちました。

    気持だけではなかなか行動に移しづらいですね。
    なんらかの方法で現地の生の状況をしり、機会があると、一気に行動へと繋がる感じでした。

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