月別アーカイブ: 2009年12月

ネットで何にロイヤリティを感じるか?

インターネットに関するロイヤリティの話し。これは1年ぐらい前に考えていたことで、人々は何にロイヤリティを感じるのかと言う問題。今日、この話しをしたら刺さったので書き残しておきます。

人々がインターネットサービスの何に対してロイヤリティを感じて、何に関してはロイヤリティを感じないかと言うと、情報にはロイヤリティを感じず、機能に対してロイヤリティを抱くということ。なぜなら、情報は検索すれば見つかるため特定のサイトなどにロイヤリティを感じて再訪問することが少ない。よっぽど特徴的な情報を扱っている場合は違うが、限りなく少ない。一方で機能に対しては無意識のうちにロイヤリティを抱く。なぜなら、機能は情報でないために検索できないから。

銀行のオンライン振込は銀行のサイトでしか出来ない、航空券を買うのも航空会社のウェブなどでしか出来ない、本の購入などもアマゾンなど、検索という機能もこれにあたる。よって、ユーザーにロイヤリティを持ってもらおうとしたら核となる機能が必要になる。これは他社とかぶっていても良くて、徹底的にシェアをとりに行ってしまえばいい。ビルゲイツ(だったかな?)の言ったGet Share first, Profit laterの世界。一方、情報で勝負するのであればユーザーがいつの間にか再来訪してしまうような集客施策の徹底がKeyとなる。

ついでにグーグルさんは乗り換え情報なども検索ボックスで検索できるように進めており、機能も検索で代替してしまおうという戦略をとっているのだと思います。これはどんどん加速して行くだろうな。

そんな風に思います。

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まあ、こんな青い空と雲のように曖昧な話しです。

意思があればひとつになれる。

矢野顕子さんのさとがえるコンサート2009に行ってきた。数年前から矢野さんがいいなと思って聞いていたのと、クリエイティブライティングの初回の講座で矢野さんのひとつだけが流され、こんな場にしたいと新井さんがお話しされた。さらに、阿佐谷の友達が矢野さん好きということで一緒に行ってきたのだ。

矢野さんはステージに登場したときからやんちゃな感じがした。(笑)天真爛漫の女の子が大人になった感じで、非常に心地よかった。自分の中から沸き上がってくるものを、いつわりなく体で表して歌っている感じがとても良かった。そして、MCで話している間もピアノをさわりながら自然に音を奏でていた。ピアノと一体感を持った方だった。そんな素敵なコンサートの中でも「When I die」という曲がとても印象に残っている。

そして最後の曲が終わり矢野さん達がステージから引く時に盛大な拍手が巻き起こった。それから、アンコールの拍手になかなかならなかった。それぞれの人はアンコールのリズムで拍手をしているのだろうけど、何千人もいるとリズムがなかなか合わない。そんな時間だけが流れていった。すると徐々にみんなの手拍子があってきた。ある瞬間これはみんなの手拍子がそろうなと思ってからは、あっという間だった。みんなのリズムが合わさり、会場全体がひとつのリズムでアンコールの手拍子を行った。

最初はバラバラでも、ひとつになるもんだ。そう思った。みんなアンコールのリズムで手拍子をしたいと思っている。だから、周りのリズムを聞いて隣の人にあわせたのだろう。その連鎖が少しずつ広がって行ってひとつになった。みんなの意思が同じ方向を向いていれば、絶対にひとつになるんだ。そんなふうに思った。これはコンサートの手拍子に限らず、大きな組織であろうと、チームスポーツであろうと、オーケストラであろうと。意思があればひとつになれるんだと思った。

聞き惚れる声

この1年ほど、朗読を聞く機会に恵まれた。

そのきっかけは、Rainy Day Bookstore & Cafeでの赤坂さんのストーリーテリングだった。深い森の中でアラスカの神話を聞いているような気分になった。こんなにも声が空間をひとつに包み込むものなんだと初めて気づいた。そして、また朗読を聞き続けたのは偶然にも同じ場所だった。

クリエイティブライティングでは、書いた文章をみんなの前に立ち朗読した。30人ほどの出席者が入れ替わり立ち替わりあるテーマについて書いた文章を読み上げる。数時間程さまざまな人の朗読に耳を傾ける。全6回の講座があったから、この半年で180回ほど朗読を聞いたことになる。それぞれ読むスピードも違えば、緊張して声が震えている人もいる、落ち着いて声に強弱をつけて読み上げる人もいる。その人なりの朗読になり、全てが魅力的にうつった。読み上げられている内容と朗読の仕方が非常に上手く合わさり、それらの組み合わせでしか生まれない表現となっていた。ちなみに、僕は参加者の一人に「少年みたいな朗読をするね」と言われ、自分でもその感想に頷いた。

参加者の中には図書館で子供に絵本の読み聞かせをしている人、プロのストーリーテラーかと思うほどの人、淡々と読み進める人、感極まって声が震えている人。そんな中でも特に好きな人が3人ほどいて、その人たちの朗読が始まると瞬く間に文章の世界に吸い込まれて行った。文章の内容よりも前に、その声だけで聞き惚れていた。声に聞き惚れただけでなく、そんな朗読をする人は例外なく素敵な文章だった。

朗読し始めた瞬間に空間を包み込むような、全ての視点を奪うような声。その声はつぶやくような柔らかさを持ちつつ、しっかりとしていた。声と声の間に潜むものや声の背景にある世界も伝わってきそうで、想像が膨ら朗読だった。朗読の素晴らしさは、読書では味わえない程に想像が膨らむことにあるのだろう。そして、その想像は場を文章の中の世界にする力を持っている気がする。

これが僕に取っては非常に希有な経験だった。声に自然と集中し、目を閉じて聞く。心地よいとても暖かく幸せな時間に浸っていた。そんな暖かな幸せは、今まで旅の中でしか出会ったことがなかった。そんな気持を初めて東京の建物の中で味わった。またひとつ幸せな時間が増えた気がした。

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青空を見て読みたくなった「僕のトルネード戦記」野茂英雄

ドジャーブルーとは、野茂英雄がメジャーで最初に所属した球団ロサンジェルス ドジャースのチームカラー。朝起きて、抜ける冬の青空を見てふとドジャーブルーを思い出した。

野茂英雄という男が好きで、彼の本を持っていたけれど読んでいなかったので、本を持って出かけることにした。家よりも外の方が本を読むには良い。せっかくの青空なんだし。中央線に乗り西へ。上野原駅とその隣の四方津駅周辺で本を読む。平地でも木々が色づき始め秋を感じながら、澄み切った冬の青空の下でゆっくりと本を読むのは幸せだ。

この本を読んで改めて、野茂英雄の凄さを知った。この本は95年に出版されており14年前の本だ。野茂英雄が近鉄を退団しメジャーリーグに渡り1年目のことが書かれている。当時27歳。昨年彼は現役を引退しているが、当時から信念は変わっていないことに改めて知った。

そんな青空の日曜日。

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僕のトルネード戦記 野茂 英雄

野茂英雄という美学
鮮やかではない人生
次の試合に勝つことだけ
野茂という生き方
野茂英雄

夏の沖縄は底抜けに楽しいけれど、冬の沖縄はどうだろうか。

夏の沖縄は底抜けに楽しい。この言葉に沖縄を旅した時の思い出を巡らす人も多いだろう。事実、夏の沖縄は底抜けに楽しい。青い海、青い空、あの暑さ。けれど、もう夏は過ぎ去った。

今は冬の沖縄。楽しいのであろうか?

前回、沖縄に行ったのは9月の半ば。2ヶ月ほど前のこと。今回の目的は、「海山木(みやぎ)」という宿に泊まること。この宿は旅人の中では有名で、何人もの友達からこの宿が良いと聞いていた。波照間島で出会った友達と飲んでいると「海山木」に行きたいねー、という話しになった。人気の宿で予約がとりづらいとみんな知っていたので、予約が取れたら行くよと話して、飲み会は終わった。すると翌日予約が取れたと連絡がきた。じゃあ、行くか。こんなノリで決まった沖縄旅行。

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9月に行ったときも同じメンバー4人組。2ヶ月しか経っていないのに、久しぶりの沖縄と感想を漏らす沖縄通いの旅人もいれば、また沖縄に来たなと思う自分もいた。金曜日16時発のJALで那覇へ向かう。まだ明るい東京の町を眼下に眺め、東京の時間から遠ざかっていく。そんな飛行機の中で旅のエッセイを読み、さらに旅の時間へと入り込んで行く。

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那覇に着くと、まだわずかな暖かさと湿度が残っていた。そのままチェックイン。ホテルに泊まるなんて珍しいが、今回はJALのダイナミックパッケージというツアーでの旅。ツアーといってもチケットと宿を自分で組み合わせる個人旅行なのだ。これを利用したのは安いから。JALのウェブで割引航空券を買おうとすると、直前になればなるほど高くなる。一方でツアーは10日ぐらい前になっても安いまま。今回の旅のチケットを2週間ぐらい前に購入したので、これが一番安かったのだ。往復の航空券と1泊で3万円程度。さてとチェックインしてから、飲もうかと思い電話。4人とも違う飛行機で来て、違う宿に泊まる。一緒なのは「海山木」での宿泊とその往復だけなのだ。

すると、コザの民謡酒場で沖縄民謡を聴いていると言う。じゃあということで、一人で飯を食って那覇の町をぶらぶらと。23時頃に那覇に戻ってきたメンバーと居酒屋「なかむら家」で合流。しばらく飲んで、散り散りに自らの宿へ帰って行った。一般の感覚からすると、なぜバラバラに泊まるのか不思議に思うかもしれないが、全て一緒に行動するとなると誰かが幹事役を行い、しっかりと計画を立ててというコトになる。それが堅苦しいし、一人に負担がかかってしまう。それぞれの事情もあるだろうから、自分で都合にあった飛行機で来て去って行く、それが一番いいように感じる。まあ何よりもみんな「旅人」であり、一人が好きで、人が恋しいのだろう。

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翌朝9時頃、レンタカーでホテルまで迎えにきてもらう。朝飯だということで、A&Wへ。ドライブスルーではなく、駐車場に車を止めて備え付けの電話で注文すると、店員さんが駐車場まで持ってきてくれる仕組み。なんとも珍しい沖縄のファーストフード事情。これを一回やってみようとA&Wへ来たのだが、面倒くさくなって店内で食事。僕は初めてルートビアを飲んだが、化学的な味がして好きにはなれなかった。

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今日の目的地は本島最北端の奥集落。だから、那覇からひたすら58号線で北を目指す。途中、恩納村で最後の一人をピックアップし4人そろって再出発。途中どこか寄る場所も決まっていなかったが、ANAインターコンチネンタル万座ビーチリゾートへ。冷やかしに寄ってみる。個人的には南国のリゾートというものに対して、良い印象を持っていない。ただ、一人だったら絶対に行かないし、一度ぐらい見てみたいと思っていたので、良い機会だった。結婚式が行われていたり、白を基調に吹き抜けのホールがあった。イメージするthe大型リゾート。ぐるっと見て回り、続いてブセナ・テラス。ここは超高級リゾートで沖縄サミットも行われた場所で、名前は聴いたことがあったが行くのはもちろん初めて。ほとんど高級リゾート見学の旅とかしてきた(笑)。超高級という割に、細かな備品だったり掃除の行き届き具合は超1流であるとは感じられなかった。

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さてと、このまま帰っても良かったのだがちょうど昼ご飯の時間帯だし、せっかくなのでということでブセナテラスで高級ランチ。ランチビュッフェが3000円ほど。いやー人生で3000円のランチなんて滅多にない。まあ、そこそこうまい。けれど種類の豊富さが微妙かな。スパゲッティなんかも1種類だったし。でも、こんな風に自分だけではやらないことが出来る旅も面白い。他人の旅を旅すると、自分とは異なった旅の仕方を知り、1度で2つの旅を同時にしているような気分になる。4人とも好きなように食べ、カレーを食べ始めお腹が満腹になったり、フルーツを大盛りにとってきたりと面白かった。

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高級リゾート見学会も終わり、さらに北へ。たいして何もしていないのに時間は経っている。それだけ奥集落が遠いのだ。途中屋我地島から古宇利島を一周。古宇利島へ行く橋からの眺めが良いと聴いていたので楽しみだったが、あいにくの曇り空。ただ、青い海を架ける橋は気持がいいもんだった。途中買い物をして、さらに北へ。やっと到着した辺戸岬。ここは沖縄本島最北端の地。小雨が降る辺戸岬を堪能し、ついに「海山木」へ。辺戸岬からしばらく行くと奥集落があった。まずは共同売店で今夜のお酒などを購入。

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それから本日の宿「海山木」へ。ちょっと分かりづらい場所にあった。「海山木」は噂通り木々に囲まれ落ち着く場所であった。休憩スペースには本棚があり、茅葺き屋根の建物には囲炉裏があり、それを囲んでの食事。食事はとても種類が豊富で、さらに美味しい。満腹になるまで食べ、宿のおじいのトークに笑い、今日この宿に泊まる15人ほどと話しに花を咲かせた。三線も入り、大盛り上がり。そんな中、遅れてやってきた二人組の一人が僕の手相を見始めた。先祖を大切にしなさい、お墓参りとかもしていなさそうだから行きなさい、やりたいことがあるのならば、まっすぐ勝負して生きた方が良い、ダメ人間か成功者のどちらかになる、能力があるのに逃げている、覚悟が決まってそれに向けて走るまで沖縄に来るな、このままだとダメな大人になるなどといったコトを冬の沖縄最北端それも真夜中に語られ、頭がボーッとしながらも色々と考えを巡らしたのだった。そして、眠りについた。

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2009/11/20-23の沖縄旅

旅日記の続きはコチラ「沖縄本島を南下してアメリカの跡と辺野古(キャンプシュワブ)の今を見た。」