飲む、食べる、聞く、叫ぶ、踊る、笑う、フジロック’08

以前から野外フェスに行きたいと思っていた。
近年良く聞くし、目にするし、さまざまな場所で行われている(気がする)。
これは一度行ってみたい。
そんなことを思っていて、去年apbank fesに行く予定だったが、台風で中止になった。

で、今年、やっとこさ野外フェスに行けた。
フジロックに。
新潟の苗場で行われるフジロックフェスティバル。
俺がどんなアーティストが出るかも知らないのに行くというので、不思議がる人もいたが、僕はどんなアーティストでも楽しめると思っていたし、そして何よりもまずは行ってみたかった。

以前にもフジロックに行ったことがある友だちが、今年も行くというので便乗させてもらった。結果的に思ったのだが、こういったフェスは行く相手も楽しむのに重要だなと思った。それで言うと、一緒に行った相手は最高だった。

越後妻有トリエンナーレ以来の越後湯沢駅に到着し、駅から徒歩1分という便利な宿に荷物を置き、さっそくシャトルバスで会場へ向かった。会場に近づくと何やらウズウズ、ワクワクしてくる。なんでだろうと思ったら、そこに向かっている人の感情が、みなワクワクしているから、それが伝わってくるのだ。

会場内ではいくつもの場所で、同時進行でライブが行われている。それもあって、みんな自分の好きなように振る舞っている。寝ている人もいれば、ライブを楽しんでいる人も、飲んでいる人も、飯を食っている人も、移動している人も、大道芸を見ている人も、ぼーっとしている人も。みんな好きな時に来て、好きなときに帰る。こういった十人十色な感じが大好きだ。なんとも自由な空気がよかった。何かに統制されていないのが、居心地の良さを作り出していた。

居心地の良さは野外であることも大切だった。空の下、大地の上。木々に小川。そこには野外の自由があった。自然の中にいるという、やすらぎがあった。

さらに、この空間は大人の幼稚園だとも思った。会場内に入ってしまえば、何をしても誰も気にしない。昼からビールを飲んでも、地面で寝転がっても、歌に合わせて叫んでも、日常の生活では社会の視線が気になることも、気兼ねなくできる。大人も何にも縛られない空間を求めている。そんな空間だから、「大人の幼稚園」だと感じたのだ。

俺たちの行動も、自分たちのペースだった。
飲む、食べる、聞く、叫ぶ、歌う、踊る、笑う、見る、寝る、川に足をつける、語る、遊ぶ、ギャグ連発、写真を撮る、雨にぬれる、虹を見る、幸せ。

どれをとっても最高に楽しかったし、本当にこの空間にいられることが幸せだった。

一番強く印象に残っているのは、ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロトの笑顔だ。あの笑顔が忘れられない。あんなにもいい笑顔をする人を久しぶりに見た。一点の曇りもない笑顔なのだ。彼の笑顔を見ていると、こっちまで笑顔になってきた。2日間(3日間)俺もずっと笑みがこぼれていたと思う。

一人ではできないことも、楽しめる。野外フェスは一人じゃない。楽しみを幸せを共有できる。行って正解だった!サンキュ。

最高に幸せな時間と空間にふと気づかされたのは、日曜の夜ビールを片手に飯を食い、大道芸を見ながら腰かけて話をしていた時。フジロックを一通り楽しみ、帰りが近づいた時だった。
あの幸せは何だろう。安心した幸せというのか、ほっとする幸せというのか、何か時の流れとその空間が幸せに包まれる感じ。人生で数度しか味わったことのない感覚に包まれた。
幸せで仕方ない。中国での砂漠、ガラパゴスの船上、コパカバーナの朝、屋久島の浜、西表島の蛍と星空の浜、でしか味わったことのない人生6度目の「幸せ」だ。
お互い幸せすぎて、相当にやけていたと思う。
http://teratown.com/blog/2008/06/19/caueaethaacaeaci/

この幸せを共有できたならば、死ぬまで一緒に楽しくいられると思う。

帰りは、ザ・クロマニヨンズの「うめえなもう」が頭をリピートし続けていた。

ううっふー ううっふー
ごはーんーが すすーむー

2泊3日の幸せなフジロックは、幕を閉じた。

[26日 土曜]
沖仁
ザ・クロマニヨンズ
PRIMAL SCREAM
UNDERWORLD

[27日 日曜]
ソウル・フラワー・アコースティック・パルチザン(中川敬/奥野真哉/リクオ)
Big Willie’s Burlesque
MICHAEL FRANTI AND SPEARHEAD
THE BIRTHDAY
ゆらゆら帝国
Sheena & The Rokkets

以上、楽しませてもらったアーティスト。
漏れがあるかもしれない。うん、まあ、ご愛嬌。

(追記:雨でぬかるんだ土の上を歩いているときに、ぼんやりと感じたことがある。”今の俺は子供だ。”まぎれもなく子供だ。子供のころと感覚が同じだ。心の状態が子供だ。一般的に言ったらお前はいつも子供だと言われそうだが、なんだかんだ社会を意識して振る舞いをしているわけで。それが全くなくなっているなと感じた。こんな風に感じたのはとても珍しい。)


[フジロック フェスティバル’08@苗場](PENTAX K10D 16-45mm F10.0 1/100s 16mm ISO400)

2 thoughts on “飲む、食べる、聞く、叫ぶ、踊る、笑う、フジロック’08

  1. 最高に楽しくて幸せだったあの時間を
    素敵な文章で残してくれてサンキュ

    会社でこの日記読んでたら
    涙でてきた
    幸せプレイバック

    あの瞬間間違いなく
    我ら最高級ににやけてたよw

    また行くべし

  2. ぽーにょ ぽーにょ ぽーにょ 鳥あたまー

    鳥あたまだけど、楽しいことは忘れないー。
    楽しさと幸せのリピート再生状態。

    また行くべしだな。
    わくわくさん。

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