日別アーカイブ: 2015/7/2 木曜日

【色鮮やかな国へ12】行き止まりの旅に粘り勝ち

【色鮮やかな国へ11】キューバの時間を惜しむように

真っ暗な朝。いや、時間的にはまだ夜中といったほうがいいだろう。けれど、起きる時間はなんとなく、朝と表現したくなる。そんな真っ暗な朝に起きると、同室の兄ちゃんはもう準備を終えて、シーツもたたんでいた。几帳面でしっかりしたドクターだ。僕は、ぎりぎりまで寝て、シャワーを浴びてからロビーの椅子に座っていた。これでキューバともお別れ。2週間という時間は、キューバだけを旅するには長かったが、まったく思い残すことがないくらい、いろいろな街を旅することができた。

一台のタクシーが宿の前に止まる。さあ、空港へ。静まったハバナの街を抜けていく。道路で話している若い少年たちがいるのは、世界共通の街の風景だ。高速に乗ると、車が何台か走っている。どの車も空港に向かっているのだろう。荷物がたくさん乗った車、人がすし詰めになった車。こんな時間に、こんな光景を見ると旅をしている、今俺は旅のまっただ中んだと実感する。

送信者 キューバ201503

空港につくと、空港で一夜を明かした旅人もいた。早い時間の出国はホテルにするか空港にするかいつも悩む。それはお金の節約と寝坊、そして疲労という3つの観点から。空港で寝ることもあるが、今回はゆっくり宿で寝ることにしたのだった。長い列に並び発券。そのあと、出国税がかかった。全く知らなかったけど、偶然残っていてギリギリ払うことができた。ホッとした。さらに残ったお金でサンドイッチを食べる。ハバナの空港はおみやげ屋がちょっとあるが、それだけ。ゲートも10箇所もないし、発着する飛行機も1日に10機もなさそうだった。場所によっては、電気もついていない。やはり、この国のメインはバラデロで、リゾートに直接来てホテルに滞在してそのままキューバを後にするのがスタンダードなんだろう。

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ハバナを旅立つと、カナダのトロントへはすぐだ。特に何も調べていなかったが、トロントからナイアガラの滝へ行こう。それだけ決めていた。事前に日本で調べたらトロント空港からバスも出ていそうだった。出国する。しかし到着したトロントまさか、ハブ空港なのにこんなに出国する人が少なく、インフォメーションも両替も交通手段もないとは。。。

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両替があったのに人がいない。呼んでも出てこない。俺、カナダドル持ってないwインフォメーションで聞いたら、冷たい。ああ、英語は通じるのに、まさか旅はしづらいなんて。コミュニケーションって言葉だけじゃないんだなと、つくづく思う。1つの両替カウンターで店員さんを見つけて、1万円だけ両替。これで、怖いものはない!と思って、インフォメーションでナイアガラの滝へ直接行くバスってどこから乗りますかと聞くとないと。あれ、ウェブであるって書いてあったのに。聞いてみると事前予約してないとダメらしい。たしかに、この出国人数を見れば直通バスがないのもうなずける。下の階にバスのりばがあるからそこに行って聞いてくれというので、行ってみるとバスターミナルまでS1に乗って行き、そこでバス乗り換えれば行けるよと。

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まあ、wifiが飛んでいない。ローミングは高いし、聞いていけばいいやと思って、言われたとおりにS1に乗る。あ、小銭がない。バスの運転手さんが、今日はタダでいいよと、乗せてくれた。トロンとは寒い。キューバは毎日30度以上。ここはマイナス10度。持っている服を全部着込んだが、それでも冷える。そして、街は綺麗だし、道は幅広い。ああ、アメリカ大陸だなーって感じ。

しばらくして、バスターミナルに到着。意気揚々と降りて、ターミナルの中で聞いてみる。しかし、ここからナイアガラの滝へは行くバスはないよと。プライベートカンパニーのツアーじゃないかなと。よくわからないんだと。がーん。完全に信じきって来てしまった。近くにいる人に聞いても、よくわからない。トロントに住んでいる人がわざわざバスでナイアガラの滝に行くこともないし、知るはずもない。完全に絶望。どうやっていいか分からない。ネットもつながらない。そして、時間がない。ナイアガラの滝が何時まで見れるかもわからなければ、行き方も分からない。到着するまでの時間もわからないから、明日の飛行機までに戻ってこれるかも想像できない。これは、困った。どこまでリスクを取って移動するか。絶対的な情報がない中で、どうするか決めなければならないという、まさに旅のシチュエーション。

路頭に迷いながらも、調べたり聞いたりしていると、Goバスというのに乗れば行けるっぽいということが分かった。絶望から少しの光が!しかし、Goバスってどこから乗るんだ?近くのスターバックスの店員に聞くと、この店出てすぐだよと。あれ、あったっけ?出てみると、看板はある。でも、先にチケット買ってないと乗れないとも書いてある。どこがチケット売り場だ???聞きたくても、寒すぎて外に人がいなくて聞けない。おお、どうするんだ。なんで、カナダなんかで、苦労して旅してんだ笑

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とおもったら、掘っ立て小屋というか倉庫みたいなところがチケット売り場だった!そこで、どうやって行けばいいか聞くと、バスで駅まで行って、電車に乗って、またバスに乗り換えて、ナイアガラ・フォールズ駅につくから、そこでまた聞いてみてと。分かったが、長い道のりすぎる。まあ、いい。行けるところまで行ってみよう。タクシーで駅まで行こうとしたが、けっこう遠かったのでGOバスでユニオンスクエアステーションまで。電車に乗り換える。バーリントン駅で下車。殺風景な無人駅。こんなところにバスが来るのかと思っていたら、50分後ぐらいにやってくる。近くのお店かどっかで暇つぶしをしようと思ったけど、周囲にはなにもないw

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ナイアガラ・フォールズ行きのバスが来た!乗り込む。凍った川を超え、高速に乗り、ショッピングモールなんかにも立ち寄りながら進む。何時につくかわからず、早く着いてくれ早く着いてくれと祈りながら。なんて言ったって、明日の飛行機に間に合うのかが心配なのだ。今日中にトロントに戻って泊まるのがベストだが、それも難しそうだなと考えながら。

ナイアガラに到着すると、まずは帰りのバス時刻をチェック。どうやら電車の駅もあるが1日1本だけ。バスは2,3社走っていて、今日も明日もある。これなら、明日でも大丈夫そうかなと思うと、ナイアガラの滝を目指す。が、どこか分からない。偶然通りすぎたタクシーを捕まえて、乗り込む。こんな風にナイアガラの滝に来る人は少ないらしく、タクシーの運転手さんも驚いていた。そして、キューバから来たというと、昨日の夜はマイナス15度だったよ。寒いから気をつけてねと心配してくれて、ナイアガラの滝で降りた。

送信者 キューバ201503
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街の中にあるとは聞いていたが、本当にすごい。高層ビルなんてないキューバ、看板やネオンなんてないキューバから来ると、このギャップに驚く。そして、ナイアガラの滝は街の中にある。川が切れ落ちて滝になっている感じ。でも、寒すぎて一部は滝が凍っていた。これで、寒さが伝わるかな。ビクトリアの滝もエンジェルフォールもイグアスも見たことがなかったので、巨大な滝は初めてだ。衝撃!というわけではないが、やはり、この水量は圧巻だ。ひと通り眺めてから、インド人とかの観光客が多いなと感じながら、帰るかここで泊まるか悩む。さすがに、観光地&都会だけあってwifiは落ちている。いくつかホテルを探すが、さすがに夕方で空いているところも少ない。うーん。めんどくさくなって、近くのInnに飛び込み1室だけ開いていた。でも、2万弱と高い。物価高いな―と思いながら、夜のナイアガラの滝ライトアップも歩いて見に行けるし、今日はつかれたしいいかと。

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近くのファミレスで、アメリカ大陸っぽい食事。サラダバーで野菜を食べ、でっかい肉を食べ、ポテトを流し込む。キューバと味が違いすぎるし、ネオンが目に染みる。ライトアップを見に行ったけど、冬はやっていないようだった。残念。明日の朝のバスだしということで、シャワーを浴びて早々に寝ることにした。

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それにしても、ネットが使えない不便さ、旅行者がいない不便さ、交通手段がない不便さ、旅人フレンドリーじゃない不便さ、旅というのはいつも想定外があって、面白いとカナダで実感した1日だった。