日別アーカイブ: 2016/1/20 水曜日

LOST WORLD3 空港の住人としてベネズエラを眺めた日

朝の4時30分にホテルを出る。もちろん外は真っ暗で、人通りは皆無と言っていい。ホテルの前に一台のタクシーが止まり、僕らは乗り込んだ。昨日どきどきしながら空港からカラカス市街へ向かった道を戻り、空港へと向かう。高速道路のような道路から見た街の明かりは綺麗で、空には月が輝いていた。

送信者 ベネズエラ2015-16
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空港につくと、ほとんど人はいなかったが、一部の航空会社のカウンターには人が並んでいた。片言のスペイン語でヒアリングを繰り返す。朝8時にプエルトオルダス行きの飛行機がconviasaから出ているとか、asercaからは何時とか、aeropostalからは何時とか。みんなの言うことも違うし、電光掲示板の情報も場所によって異なる。まさか、空港の電光掲示板が間違っているとは思わなかったが、結果的に間違っていたのだ。

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最も正しかったのは、多くの人が並んでいるカウンターの航空会社からは飛行機が出るということだった。クリスマスで、昨日のバス同様に完全停止している航空会社や間引き運行をしている航空会社がほとんどで、大いに悩まされた。いろいろな列に並んでは、空席はないと言われ、また別の列に並びということを繰り返す。ぼくらと同様にキャンセル待ちをする人も多くいた。ベネズエラ出身で今はカナダに住んでいる親子やおかまちゃん3人組は行き先もプエルトオルダスと一緒で、いろいろな列で時間をともにした。空港に一日いると、いろいろな人、人間模様が見れた。

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なんでこんなことを朝からしていたかといえば、17時30分のカラカス発、プエルトオルダス行きのrutaca航空のチケットは持っていた。しかし、到着が18時30分になり、そのまま夜行バスでサンタエレナに向かうのが難しいかもしれない。そうすると1日無駄にする。だから、少しでも早くプエルトオルダスへ行き、そのままサンタエレナに行きたかったのだ。あとは、新しい街に暗くなってから到着するのもリスクが有るという理由。まあ、それらの背景にはrutacaの航空券が往復で1500円以下ととても安いので捨ててもいいやという気持ちが大きかったのもある。

空港に8時間も9時間もいると疲れてくる。地べたに座り込んで、行き交う人を見ている。ほとんど観光客はいない、西洋人の5,6人グループがサーフボードを持って来ていたが、それ以外は10人も観光客を見なかったと思う。だいたいは、クリスマスで地元に戻るベネズエラ人だった。町中にいる人よりはお金持ちな気がしたが、飛行機のチケットはとても安いので、誰でも気楽に乗っている感じだった。そして、おかまちゃんがけっこういて、とてもオープンなところは日本より進んでいる感じがした。

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時おり、客引きが僕らに声をかけてくる。しかし、みんなカウンターで交渉しても討ち死にしていた。が、13時過ぎになっておかまちゃん3人が14時の便を取れたという。すると、客引きもチケットを取れるとアピール。僕らは、もう7時間以上粘って無理だったので、半ば諦めていた。取れるなら取ってくれと。すると、取れたっぽい。マジカ?ということで、買ってくれた人に1人10ドルを払う。しかし、出発まで30分しかない。急いで、ザックをビニールでプラスティファイ(ぐるぐる巻き)にして、荷物を預け、セキュリティーチェックへと向かった。紹介した客引きに2人で10ドル渡して、飛行機にかけ乗った。こんな事もあるもんだと、驚き、そして恐怖のカラカスを脱出できたことに安堵の気持ちだった。

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青い空と赤茶けた大地。1時間弱でプエルトオルダスに到着。上空から見ると、大きな工場がたくさんある街だった。空港につくとカラカスよりも賑わっていて、観光客もちょくちょくいた。やはり、ロライマの起点となる町だ。ここからサンタエレナへ行くバスやツアーが無いか聞いたが結局クリスマスでダメだった。おかまちゃんの1人がバスターミナルに行くというので、一緒にタクシーで向かう。しかし、ここのバスターミナルもほぼクローズ状態でバスがいない。活気ゼロ。。。タクシーの運ちゃんが何人かいて交渉したが、タクシーに乗ったら高い値段をふっかけてきて止めることにした。ガソリンが無いから明日のほうが良いよと、ヒゲモジャの若い兄ちゃんが話しかけてきて、彼は英語も話せたので助かった。そして、彼女が迎えに来るから、ホテルまで連れて行ってあげるよと。オリノコ川が見えるベンチュールオリノコホテルへと。バスターミナルからは10分ほど。その間は幹線道路があり、マクドナルドやサブウェイなど日本の田舎にあるようなファーストフードの路面店があった。

送信者 ベネズエラ2015-16
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彼の友達に相談すれば100ドルでサンタエレナへ行ってくれるという。まあ悪そうな人じゃないし、ホテルに5時に迎えに来てもらえるように頼んだ。ベンチュールホテルに到着すると、いかにも豪華な感じ。街の中心から離れ、ホテルまでのアプローチも長い。5つ星ホテルに泊まることに興味はない2人だが今日も疲れたし、日本円にしたら2000円程度だったので泊まることにした。それにしても2万ボリバールとなると200枚以上の札を渡すことになる。なんともすごい話だ。

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部屋にチェックインすると、川が見えた。オリノコ川だと思ったが、カロニー川で少し奥がオリノコ川だったらしい。ラ・リョビスナの滝が遠くに見える。この眺めはいい。一気にこのホテルが気に入った。夕日の時間とも重なり、外へ行く。川沿いに降りて夕日を眺める。ああ、空が広い。赤く染まった夕焼け空が美しい。川に足をつけたりしていたら、すぐに日は落ちた。ビールで、ここまで来たことに乾杯。そして、ホテルのレストランでバイキング。まあ、正直そんなに美味しいわけではなかったが、ゆっくり食事をすることができた。他のお客さんは家族旅行が多かった気がする。
ベネズエラに来てからどこのホテルもwifiが使えるので、スマホでネットを使う。ふと思う。キューバより便利だ。キューバはネットがほぼ使えなかった。何を基準に豊かというのかは難しいが、ネットが使えるということはやはり便利だ。それは、情報というものがいかに大切かということだ。旅のためには情報が必要だ。正しい情報があれば、正しい行動ができて、効率的にもなる。そして、ネットが使えるということはコミュニケーションができるということで、その心理的充足感もおおきい。そうすると、キューバよりベネズエラの方が豊かなのだろうか。いや、物資という意味ではベネズエラよりキューバが豊かな面も大いにある。豊かさとはwifi?コミュニケーション?正しい情報を得られ正しい判断ができること?それとも食事?ホテルの豪華さ?教育水準?なんであろうか。

送信者 ベネズエラ2015-16
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そんなことを思いながら、夜を過ごした。部屋のシャワーがまさか水しか出ず、おいおい5つ星ホテルw。さらに、トイレの水が流れない。ということで、部屋を変えてもらって、寝ることにした。明日の朝も速い。毎日5時までには動くという元気な日々をベネズエラで過ごしている。