日別アーカイブ: 2011/8/31 水曜日

みんなに愛されるということ

阿佐ヶ谷と言う町に、
ワンという中華料理屋がある。
南阿佐ヶ谷駅からすぐにあるけれど、
2階と言う立地から馴染みのお客さんが多く通う。

この店を知ったのは2年ぐらい前のこと。
1階の階段あたりにあった地味な黒板を見て、
阿佐ヶ谷に引っ越して来たばかりの友達と入った。

店主のワンさんの笑顔、気だての良さ、そしてひたむきさ。
もちろん、料理の味は抜群で、どんな料理もうまい。
青椒肉絲、餃子、ピクルス、チャーハン。
いつもこの店に来ると食べ過ぎてしまうほど。

そして、お会計をすると、ビックリするほど安い。
申し訳ない気持になるほど。

ランチも営業し、夜中の2時まで店を開ける。
一生懸命に、本当に一生懸命に店を切り盛りするワンさん。

そんな、ワンさんが中国の福建省に戻ると言う。
そして、今日がワンさんの味を楽しめる最後の日。

9時前に店に行ったときは、お客さんで溢れかっていた。
ちょうど、お客さんが帰る所で、僕たち四人は席に着いた。

今日もうまい料理が次から次へと。
みんな、底なしのように食べ続ける。

お客さんは入れ替わり立ち替わり。
帰って行くお客さんは、
ワンさんにプレゼントを渡したり、
抱き合ったり、
写真を一緒に撮ったり、
連絡先を交換したり、
ケーキをプレゼントしたり。

それぞれの形で、気持を伝えていた。

ワンさんは皆から愛されていた。
それは、ワンさんの人柄。

お客さんにおいしい料理を、
お腹いっぱいに、
心地よい空間で、
安く、
食べてほしい。

そんなワンさんの思いが詰まったお店。

最後の日は、食事も飲み物も常連さんに無料でサービスするというのも、
ワンさんのお客さんを本当に思う気持が表れていたのだろう。

今日のワンさんを見ていて、
本当にみんなから愛されるということを知った気がした。

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