【地球の裏のその先へ13】青空のパタゴニア、フィッツロイとの出会い

【地球の裏のその先へ12】届かない手紙。テントを借りて、フィッツロイへと続く道

あっ、寝坊した。そう思って目を覚ますと、テントのチャックを明けた。まだ、間に合ったようだ。目覚ましをかけずに寝るから、日の出前に起きれるとは限らない。でも、大自然の中で寝ているのに、目覚ましは似合わない。

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近くのテントで泊まっていた足音で起きたようだった。テントから覗くとフィッツロイがうっすらと雲に隠れている。ただ、昨日よりは雲が薄く、そして雲が流れている。これは、待ち続ければフィッツロイの全身を見ることができるかもしれない。温かいお茶を入れ、シュラフにくるまりながら、その時を待った。空がうっすらとしていたけれど、太陽が昇り手前の山がオレンジ色になり始めた。ついにきた!と思い、テントから這い出る。

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とっても冷え込んでいたので、ありったけの服を着込んで、ニットキャップをかぶって外へ出た。我慢比べだ。日本でも真夜中にテントから這い出て、星を眺めたり、流れ星を待つことがある。もちろん、朝日も。こういった時は、いつも寒さと自然の巡りあいの我慢比べになる。まだかなまだかなと待ちわびながら、体を動かして暖めながら、その時を待つ。雲が流れ、薄い雲がかかりフィッツロイが霞んでいるものの、全体像を見せてくれた。これが、あのフィッツロイだ。アウトドアブランドであるパタゴニアのロゴにもなっている山。ものすごく険しい姿だ。

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そして、朝日を浴びて、フィッツロイの手前の山が赤く燃え上がる。この勇ましさ。この強さ。やっぱりスゴイ山だなと思いながら、完璧に雲が取れて、赤く染まるフィッツロイが眺めれないかと、粘る。朝のフィッツロイを湖まで見に行こうかと思ったけれど、今日の昼にエル・チャルテンを出て、カラファテに行かなければならない。だから、Poincenotのキャンプ場からで満足することにした。しばらく待って、再び温かいコーヒーを入れて、朝ごはんを食べる。ずっと、雲が切れることを願いながら。他にも粘っていた人はいたが、やがてテントを片付け、それぞれの次の目的地へと発っていった。僕は名残惜しさから、1人で粘りに粘った。時間を見ながらギリギリまで。朝焼けのオレンジはなくなり、日常の山になっていった。

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仕方なくテントを片付け、ザックを背負って下山することにした。あんなに近かったフィッツロイも少しずつ小さくなっていく。下山していると、背中にフィッツロイがあり見えないので、時折後ろを振り返りながら。バスの時間もあるので、時計も見ながらという、少し急ぎ足で降りていく。今日は昨日よりも天気が良さそうで、青空とフィッツロイが見れるかもしれない。そんな期待をしながら歩いていると、ちょうど展望台のところでついに雲が晴れた。雲のないフィッツロイがついに現れた。気持ちいい。この大地とフィッツロイと青空。パタゴニアの象徴的な光景だ。そんな景色を長め、手を大きく広げて、深く深呼吸をして、この自然を吸い込んだ。

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その後も、雲は晴れて、パタゴニアの山々を満喫しながらのトレッキング。下山して、テントを返して、バスを待つ。もう少し時間があれば、3泊ぐらいのトレッキングをしたかったなと思いつつも、この時の体力を考えれば1泊で良かったのかもしれない。エル・チャルテンの街を出て、再びカラファテに。この街にはペリト・モレノ氷河がある。これが見たかったのだ。ウワサでは、氷河トレッキングは人気で年末年始は空きがないと聞いていたので、ドキドキしながら向かった。

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青く晴れ渡った空とパタゴニアの大地。湖はエメラルドグリーンに輝いている。そんな大地を眺めながら、バスに揺られた。どこまでも続く大地パタゴニア。多くの旅人が憧れ、徒歩、自転車、バイク、車、バスなどで旅をした道。景色を眺めていると、何組かの自転車乗りを目にした。チャリダーだ。僕の友だちのチャリダー達もここを走ったのかと思うと、一度チャリの旅もしてみたくなった。チャリダーたちは口をそろえて、漕げないぐらい風邪が強かったと話す。その風を浴びてみたくなったのだ。本当のパタゴニアを知るために。まあ、いつになるか分からないし、やるかどうかも分からないけれど、自分の中でチャレンジしてみたいという気持ちが芽生えたことだけは事実だろう。

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カラファテに到着すると、すぐに代理店へと向かった。2,3店舗が牛耳っているというので、そこを当った。どこも、氷河トレッキングは満席だと言った。クルーズなら空きがあるけれどと。せっかくなら、氷河の上を歩きたい。遠くから眺めるのではなくて、自分の足で確かめたい。パタゴニアは強風で飛行機が飛ばないこともあるから、それでキャンセルが出るかもしれないので、夕方にもう一度来てみたら?と言われたので、それに希望を託すことにした。まだ、宿が見つかってないので、宿探し。1件目はフル。そこで、消化してもらった宿に。ログハウスのかっこいい作りの宿だった。

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同室には日本人もひとりいて、旅について話した。もうひとりはペルー人の観光ガイドで、ペルーから観光客を連れて回っているらしい。いろいろな人がいて面白い。そんなドミトリーライフ。やることもないので、街をふらふらしてみたり、スーパーに立ち寄ってみたり、おみやげ屋を物色したりと。その帰りに、代理店によると、飛行機が飛ばなかったらしく、空席ありとのことだった。ラッキー。即申し込み。

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夕食のハンバーガーを食べ、日記を書いて、眠りについた。

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