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LOST WORLD8 “This is 最高!”

風が強かった。テントがひん曲がるほどの風は久しぶりだった。テントに戻っても、ほんの少ししかねなかったようだ。外で物音がして、外に出ると淡いピンク色の空が朝が来ることを告げていた。今日は、良い日になるに違いない。淡く美しい空が広がっていく。ロライマの絶壁を赤く染める。空に浮かぶ雲も紅に染まっていく。ひんやりと、そしてキリッとした空気がまた、美しさを際立たせる。朝食もそこそこにして、ずっと空を眺めている。空の色が変化していく、ずっと見ていても飽きることのない光景。


ただ、今日は下山してサンタエレナの町まで戻らなければならない。そして、トレイルヘッドまで25キロ以上ある。迎えのトラックの時間も決まっている。でも、ロライマが僕を引き止める。帰してくれない。こんな美しい世界を見せてくれたら、帰れなくなるじゃん。そんな気持ちだ。

ただ、時間というものは待ってくれない。待ってくれないからこそ、この美しい空を作り出している。と、空を見ながらも手早くテントを片付ける。出発しなければならない、帰りの車を考え5時過ぎに出発する予定が5時半になってしまった。相変わらずガイドは先に下っていく。僕とタクジさんは、最後のロライマを名残惜しむかのように、ひたすら写真を取り、深呼吸をしてロライマを味わい尽くしている。おのずと歩みは遅くなる。どうしようもなく、いい空、いい山、いい景色なんだ。この山に来て一番の天気が最後の日に訪れるなんて、もう1日山にいろと言われているかのようだ。

虹が出た。昨夜の雨のおかげだろうか。虹はテプイを覆いかぶせるようにおおきくかかっている。ありとあらゆる表情のロライマが僕らを迎えてくれた。雨、風、青空、星空、流れ星、虹、暴風、夕焼け、朝焼け、もうこれ以上の表情なんてないんじゃないか、そう思える程だった。偉大という名のロライマは、本当に偉大だった。下山していくと、多くの登山者が登って行くところだった、年末年始に差し掛かるので、ピークシーズンなのだろう。


ぼくらは、何度も後ろを振り返り、振り返りロライマを眺めながら歩いていった。第1キャンプの川を渡り、前日までの大雨で川が増水して、2階渡渉しないといけないという。数日前に渡った川は小川だったのに、そんなにも増水するのかと、再び保水力がないことを実感した。噂通りの増水でザックに全て片付け、ズボンをまくりあげて川を渡った。25キロの長い道のりを歩くのも、これだけの景色が見続けられると、曇だった行きのような長さを感じることはなかった。

11時30分にトレイルヘッドの村についたが、迎えの車は来ておらず、受付で石や植物を盗んでないか、ザックを全て開けてチェックされた。近くの掘っ立て小屋の売店にセルベッサ(beer)が売っていることをタクジさんが見つけて買ってきてくれた。そして、サルー(乾杯)!いやー、うまい。心地よい、最高の気分だ。思わずふたりとも笑みが溢れる。しみじみと、この最高の山行を回想していた。良かった、実に良かった。最高だった。

車が迎えにきて、乗り込む。行きと同様に転倒すると思うぐらいに車は右に左に揺れながら、デコボコの登山道を下っていく。ただ、疲れているはずなのに、この揺れすら心地よく感じてしまう、そんな気持ちにさせてしまうロライママジック。

満たされ、幸せな感情浸りながら、車でロライマを振り返っていた。タクジさんに感想を聞くと、

「よかったよ、ただそれだけだよ。」
「This is最高!」

まさに、そうだった。これが最高だ、それ以上の言葉は存在しない。今は、心地よい疲れが心と体を満たしてくれている。

日本出てから100時間以上かけて、トレイルヘッドまでやってきた。長い雨もあり、停滞もし、でも目の前の雲が風とともに消え去り、ロライマが現れた。思わず、口をつく。言葉にならない声が、心の奥底から脊髄反射で出たロライマのっ姿。うまくいくこともあり、いかないこともあったけれど、移動しながら、人と触れ合い、自然と向き合い、天気にヤキモキしながら旅を続ければ、旅はおのずと旅らしくなっていった。

サンタエレナに着く途中のバスターミナルでシウダ−ボリバルかプエルトオルダス行きのバスを探したが、すぐはなかった。夕方にあるようだったので、いったんサンタエレナの町に向かった。ロライマに行く前に行った宿に行き、1部屋とった。まあ、安いしシャワーを浴びてゆっくり荷物を片付けるためにも必要だし、夜行バスに乗れなかったら戻って泊まればいいし。シャワーを浴びてすっきり。

腹が減った。まともなものが食べたい。町に出るが、あまり店はやってない。年末年始だからだろうか。一番があり、何軒かやっていたが、ポジョ(鶏肉)はなく、ペスカード魚のみだった。まるっと揚げた魚を、カラカスから旅行に来ていた家族と食べた。やはり、地上の飯はうまい。

宿に戻り荷造りをして、タクシーでバスターミナルに向かう。窓ガラスもしっかり閉まらない、ボロいバス。旅に出たら、現地を味わいたい。できれば、ローカルバスも、タクシーも、歩きも、電車もいろいろ乗って、その国を知りたい。ということで、地元民が乗るローカルバスに。こういった考えはタクジさんと似ている。

とは言え、実際に乗ると一番後ろの椅子でリクライニングは倒れない。さらに、前の席の人はMAXにリクライニングを倒して狭くなるw長距離バスなのに、トランクがなく、バックパックは足元。さらに、スピードが出ると風が入り込んで寒すぎる。爆音で現地の音楽が流れ、斜め前の兄ちゃん4人はゲイw、さらに隣のカップルは大きなアイスボックスを足元に置いて、氷とロンを取り出して飲み続け、泥酔。もう、笑うしかない。2人でばくしょうした。学生じゃないんだからとw10年以上前の旅を懐かしむかのように、今の時間を楽しんだのだった。幸運だったのはつかれていたので、こんなバスでも寝れたこと。こうして、シウダ−ボリバルへと向かった。

未来を経験した人たちからのアドバイス

最も未来を的確に予測するのは、その未来を自分で作ることだと、ビルゲイツかアンチグローブか誰かが話してた。95年ぐらいにビル・ゲイツが書いた、未来を語るという本を読むと、本当に彼は予測していたとも感じるし、そういった世界を彼が作ってきたとも思えてくる。

これから二十年後は、誰も正確に予測できない。テクノロジー、自然環境、国債政治、宗教、戦争、病気などなど要素が多岐にわたる。

一方、個人の二十年後は、比較的予測できるかもしれない。いや、こちらも正確には予測できないのだが、経験した人たちがすでに存在するという点で。複数の自分より年齢の上の人からの、経験を踏まえた上でのアドバイス。当たり前のことしか、書かれてないが、あらためて年をとると大切と感じるようになるんだな、肝に銘じて生きようと思う。

結局、年を重ねないと分からないことがある。どんな天才でも分からない。体の衰え、脳の衰え、子供を育てる経験、年下が多くなる、お金を持つ、同世代が死んでいくなどなど。だから、未来の自分の年齢を生きた人たちの意見は参考になる。1人ではなく、多くの人が口を揃えて言うことは、自分も直面する可能性がたかいのだから。

そして、近現代史を国内も世界史も勉強したいと思う今日このごろ。引っ越してまだ本を荷解きしていないので、早く荷解きして本でも読もうと思う。

 inc magazineより

1. Start saving money for retirement now, not later
2. Start taking care of your health now, not later
3. Don’t spend time with people who don’t treat you well
4. Be good to the people you care about
5. You can’t have everything; focus on doing a few things really well
6. Don’t be afraid of taking risks, you can still change
7. You must continue to grow and develop yourself
8. Nobody (still) knows what they’re doing, get used to it
9. Invest in your family, it’s worth it
10. Be kind to yourself, respect yourself

LOST WORLD7 雨、雨、雨、そして流れ星

朝目を覚ますと、雨が降っていた。ロライマに来てから雨が多い。ロライマはいつも天気がコロコロ変わると聞いていたが、本当にそんな天気を目の前にすると、晴れてくれ、晴れてくれと願うばかりだ。

昨日トリプルポイントに行けなかったので、今朝晴れていたら、トリプルポイントに行ってからベースキャンプまで降ろうと考えていた。そう考えると、トリプルポイント往復の時間を考えると、タイムリミットが近づいてくる。でも、いっこうに雨が止む気配はない。トリプルポイントに行きたいが、昨日と同じでこの天気で行っても何も見えない。悩ましい。ガイドを置いて二人でいこうかとも話したが、結局テントの中で、朝ごはんを食べ、お茶をして話をしていると、もう昼が近づく、もう無理だと2人でトリプルポイントを諦めた。

目の前はいつの間にか雨が溜まり池になっていた。その水はどんどん推移が上がっている。こんなにも雨の影響を受けるとは、すごい地形だ。全く地面が見えなくて、本当にここを歩いて下るのかと思うと嫌になるほど。昼過ぎて、この調子だとベースキャンプに着く頃には暗くなってしまうかと思う。ただ、雨も降っているので頂上で延泊するのかとも思い、ガイドに聞くと降りるという。それもベースキャンプを過ぎて第1キャンプまで。そこには彼の仲間がいて、食料があるからっぽかった。しかし、第1キャンプまで降りると、万が一晴れても景色を楽しめない。当初の予定通りベースキャンプに泊まりたい。そう話すとガイドとバトルになった。

ただ、ガイドも諦めたようだった。下山するときも雨。まるでプールのように水が溜まっている。保水能力が無い山は、これほどまでに水が一気に貯まるのかと思うほど。靴が濡れるというレベルではなく、池の中を歩いている。これじゃ、道も分からないからガイドがいてくれて助かった。

下っていく。急な斜面は洪水状態。登山道も川になっている。頂上から雨が洪水となって流れている。これは大地も削られる。そして砂状だから、特にだ。下って行くと現地のポーターは靴下で登っていたりクロックスだったりと、驚き。さらに、まだ4歳ぐらいの小さな子も。震えていた。大丈夫かと思ったが、まだ登っていくようだった。


滝の下を通るときの水には驚いた。バケツをひっくり返したというレベルではなく、もう上も下も右も左も分からないレベルの水が空から降ってくる。雨と増水した滝と。ただ、土で汚れたレインウエアがきれいになった笑ベースキャンプに近づくと雨が小ぶりになっていった。

ここまで降りちゃったというなにか寂しい、不完全燃焼な気持ちもあった。トリプルポイントに対する未練と雨で停滞ばかりで体をあまり動かしてないからだろう。ベースキャンプに着くともう暗くなるので、テントをすぐに張る。初日に見たような夕日は見れなかった、そしてまた小雨が降ってきた。テントを貼ると水の通り道だったのと雨で、地面が水で染みてきた。緊急用に持ってきたエマージェンシーシートを床に敷き対応した。いつもと同じ尾西のご飯を食べて、早々に寝た。

夜中に起きると、満天の星空だ。起きた理由は風が強くて音で目覚めたのだ。テントが右に左に風でしなっている。ペグが抜けそうなほどだ。タクジさんは夜中にペグを打ちなおしていたし、近くのテントの登山者は、こんなんはじめてで、死ぬかもと思ったと話していた。ただ、この風が雨雲を吹き飛ばし、ロライマ初の満天の星空を連れて来てくれた。星とロライマのシルエットが美しすぎて、うっとりするほどだった。バカラのグラスでウイスキーを飲みながら、眺めるのに最もマッチした光景だなとふと思った。そうして、夜空を眺めながら写真をとっていると、あっ、星が流れた。本当にロライマはいろいろな顔を見せてくれる。青空に夕日に、星空に、雨に、風にと。そして、またテントに戻り再び眠りについた。

LOST WORLD6 雨で始める朝、ロライマの頂上へ

夜中に目を覚ますと雨がしとしと降りはじめた。少し前に目を覚ました時は雲海が見えたのに。5時過ぎに起きて、昨夜作った尾西のご飯を食べ、タクジさんと雨っすねーと話す。ガイドに雨が止みそうか、このまま振り続けるか聞いてみようとなる。ガイドは怠け者キャラなので、とりあえずここで待とうと言うだろうと話していた。で、聞きに行くと、まさかガイドに聞きに行くと止まないと言われ、待っても仕方ないので雨の中テントを片付けて、登山開始することになった。予想外すぎる。雨のテント撤収と登山はびしょ濡れだし気が進まない。

さらに、この雨はしばらく止まないということも気持ちを萎えさせた。ベースキャンプからロライマの頂上を見上げると垂直の壁に見える。こんな垂直な壁を登るとなるとクライミングのような登山になるかと思うが、山というものは意外と登りやすいルートが開拓されているもんで、ロライマも同じだった。雨の中垂直な壁はつらすぎる。そして、5日分の食料とテントも入って。岩というよりも砂が固まったのがロライマで、雨と登山者によって山肌の土(砂)は削り取られていた。

垂直の斜面に見えただけあってかなりの急登。雨の中、息を切らしながら登ると、暑くて雨具のジッパーを開けてしまう。するとびしょ濡れに。。。大半の登山者はテントで滞在していて登ってこない。まあ、雨の中アウトドアをやってない人は登りたくないだろう。幾度と無く大きな沢や滝の水が物凄い勢いで流れてくる。保水できない地質なので、雨が降るとそのまま流れ落ちるのだ。落差が数百メートルの滝の下を通ると細かなミストで視界が悪いほど。もちろんメガネは曇ってしまう。現地のガイドはポンチョを被っているのみ。タフだなとつくづく思った。

送信者 ベネズエラ2015-16

砂地の急登を登り終えると、黒い大きな岩のエリアに。もう頂上は近い。ただ、雨はやまずものすごいガスで何も見えない。3時間ほどで頂上に到着。ガイドに頂上と言われなければわからないほど。岩がゴロゴロあるだけで、いったい自分がどこにいるかも分からないし、どこがテントサイトかも分からない。頂上で現地のガイドやポーターとすれ違うと、ガイド同士で話している。テントサイトの空き情報の情報収集をしていたのだ。

送信者 ベネズエラ2015-16

キャンプサンフランシスコ(たしかw)に到着。テントサイトは洞窟というか、岩が貼りだしたところで、雨風をしのげる場所だった。雨が多いロライマではとても便利な場所。屋根がなかったら、20時間ほど振り続ける雨は辛かっただろう。とりあえず、テントを貼る。岩の軒下はとても面積がせまく、全部で5張りもテントを張れば溢れてしまうほど。その中でも、一番雨に濡れなさそうで、フラットな場所があった。あ、ココがベストポジションだなと俺は思い、そこを取りたいと思いベスポジに立って、話した。牽制したのだ。すると、みんなそこを狙っていたようだ。と、ガイドが俺の立っている場所を指して、そこにテント貼るからどいてくれと。おお、おい。まさか、ベスポジをガイドにとられる。。。ベスポジにガイドが寝るって、ありえないだろ。さすが、ベネズエラw

送信者 ベネズエラ2015-16

あきらめて、タクジさんと僕は少し雨の跳ね返りがある場所にテントを貼る。しかし、テントを貼り終わっても雨はやまない。ガイアナとブラジルとベネズエラの国境にあたるトリプルポイントに行きたかったが、この雨と霧で行っても何も見えない。せっかく出し行ってみたかったが、タクジさんと話して2人ではルートも分かりづらいし、諦めるか、という話になた。しかたなくテントでお茶を飲みながら時間を過ごす。びしょぬれになった靴下屋シャツなどの洗濯を岩に干しておく。

送信者 ベネズエラ2015-16

数時間経つとだんだん雨はおさまりはじめた、これは!青空が一瞬見えた、チャンスだと思ったが、すぐに分厚い雲が覆ってしまう。でも、いい流れであることは間違いない。テントの外に出て空を眺めている。30分ほどたっただろうか、風が強いのでまた雲が流れて青空が見え始めた。これはチャンス!ガイドを呼びに行き、眺めの良い場所に連れて行ってくれと頼んだ。すぐに荷物を準備して。

送信者 ベネズエラ2015-16

頂上は池がたくさん出ていたが、石の上をぴょんぴょん飛んで行くと、濡れることもなく。大きな岩の近くにたどり着き、そこをよじ登る。ここもガイドがいないと分からないような場所。登っていく。よじ登りながら、後ろを振り返ると、目の前に飛び込んできた。どっーん!と。ロライマの垂直の壁が、自分の目の前に、自分の目の高さに。一瞬言葉を失う。あまりにも偉大で勇ましく息を呑む美しさだ。そして、思わず声が出た。圧巻の景色。おお、すげー。

一番上に辿り着く前に、写真を撮りまくっていると、強い風とともに雲が流れてきてしまう。まずい、ということで頂上までダッシュ。写真を撮るベストな場所があったので、タクジさんとお互い写真を撮り合う。タクジさんの写真を撮り終わったところで、雲が覆ってきた、急げ交代していたら雲が。。。がーん。でも、もう青空が見えないかもということで急いで写真をとってもらった。そして、もう少し頂上を移動して、クケナンテプイが見えるところまで歩いて行く。こっちもすごい。クケナンテプイの形もいかついのだ。

送信者 ベネズエラ2015-16

ただ、一瞬の青空だった。強い風が吹く、飛ばされるほど。そしてその風が雲を連れて来てしまった。もうだめだ、降りるかと思ったが、また晴れるかもということで岩陰で風をしのぎ耐える。すっごい狭いところに3人体操座りをして、青空が見えるまで耐える。もおう、無理かなとも思いつつ、希望は持ち続け。すると30分ぐらい立っただろうか、また青空が見えてきた。キタ!岩陰を飛び出し、頂上へ戻る。すごい、すごいんだ。この景色。

送信者 ベネズエラ2015-16

青い空と切り立った壁。そして、緑の絨毯のような草原は太陽の光を浴びて輝いている。岩の上からは600メートル以上の滝が流れ落ちる。こんな世界は、世界中どこでも見ることができない、インパクトだ。ついにきた。ここまできた。これが見たかったんだ、感じたかったんだ。この景色をこの風を。興奮してしまって、飛び回る。あっち行ったりこっち行ったり。そして、シャッターを切りまくる。大きな岩に立って、テプイを背景に写真を撮ったり、高度感のある心地よさ。

きちゃったよ、ここまできちゃったよ、最高、この景色に会いたかったんだ。強い風が吹き続ける、その風と日差しの強い太陽が気持ちを高めてくれる。他にも数人ほど登山者がいて、最高だねと語り合った。そりゃ、最高だよ。ここは。と、また雲がやってきた。そして、小雨が降ってくる。同じ岩陰に隠れる。まさか、ガイドが雨宿りでもベスポジを取ってしまった笑また数順分耐えていると、青空がやってきた。ガイドはもう帰りたくて仕方なさそうだけど、僕とタクジさんは興奮が冷めない。この景色を少しでも長く味わいたい、この心地良い、開放された、解き放たれた気持ちを味わいつくしたい、そんな気持ちだった。

他にもいいところがあるからと、ガイドは降りて行ってしまったので、我々もついていった。とりあえず見晴らしのいい場所を降りて行き、頂上をあるいていくと、他のキャンプサイトを横切った。他の場所もテントが数張り張れればいいほどの小さな場所だった。これは、ピークシーズンは取り合いだな。そして、クケナンテプイの絶景ポイントへ。クケナンフォールも目の前だ。エンジェルフォールとたいして変わらない落差の滝だ。ナイアガラの滝もすごいが、これだけの落差というものは、本当に驚きだ。そして、落差によって滝は霧になりその水しぶきが幻想的な雰囲気を作り上げる。

送信者 ベネズエラ2015-16

ロライマの形もかっこいいのだが、クケナンテプイの方が絵になる、男らしいゴツゴツした形なのだ。こちらも、見ていて力がみなぎってくる。日が陰り始めたので、頂上をもう少し見ようということで、クリスタルと呼ばれる水晶の塊みたいなものが大量にあるエリアを歩いたり、洞窟のような大きな穴が空いた場所を見たりと、頂上を散歩。ぐるっと回って、テントサイトに戻ることには日が落ちていく。西の空はオレンジ色に染められ、岩肌のシルエットと合わさって、自然の一瞬の美しい世界を作り出してくれた。

送信者 ベネズエラ2015-16

夕食を食べないと行けない時間だ。といっても、毎日同じ尾西のご飯。お湯を沸かして尾西のご飯を食べスープを飲み、今日見た最高のロライマの景色の話しながら夜は更けていった。頂上には行けというか川があったが、水の流れが弱かったり人間の排泄物もあるので、タクジさんが持ってきた浄水器が役に立った。俺も買おうと思った。テントに戻り、日記を書いていると雨が降り始めた。夜中から明け方にかけて雨が降るんだなという印象があったので、明日の朝には止んでいることを期待して眠りについた。

送信者 ベネズエラ2015-16

大人はいろいろなことを失っていた

大人はいろいろなことを忘れていく。
忘れていったこと、失ったことすら気づかず、時にそれを成長とすら思っていることもある。

先日、毎年恒例の石打スキーへいった。

そして、いつもの石打ドライブインで焼き肉。

最初にキャベツの千切りがでてきて、むしゃむしゃ食べていた。うまいなーと。すると、ゴーサンとこのかすみちゃんが「辛い」と言って、泣き出したのだ。まだ、キムチとか辛いたれの肉も出てないのに、どうしたんだろうと。

すると、辛さの正体はキャベツのドレッシングだったのだ。おれは、そのからさを全く感じなかった。甘いとすら思っていた。その瞬間、これは鈍さだと思ったのだ。

子供は、繊細な辛さを感じ取っている。そんな能力があったのだ。どんな子供も小さな頃は、辛さとかに対して鋭い味覚を持っていた。大人より厳密に判断できる装置を持ち、それを的確に脳が判断して、辛さを見極めていたのだ。

が、大人になるとその能力は鈍っている。失っていく。子供はすごく精度の高いセンサーを持っている。そして、判別しているのだ。ただ、言葉が不自由で、大人にはうまく伝えれないだけ。

大人は、いろんな味を経験し、うまいだのまずいだの言う。さらに、子供にはこの味は分からないとか、そんな発言も聞く。でも、味覚は子供より劣っているかもしれない。そんな可能性があることは、常に頭の片隅に記憶しておきたい。そう思う。

食の経験を通して食事を楽しむ意味では大人のうんちくも価値を持つこともあるが、子供より味覚は鈍っているんじゃないか、少なくともかすみんより俺の舌は鈍感だと言うことはまちがいない笑

ついでに、大人がすぐスマホを使い出す。無意識のうちに。すると、スマホをこすってるね。大人は。こういわれた。確かに、スマホを使う自分を肯定するために、スマホを触るとか、使うというが、かさみんからしたら、擦ってるのと変わらない。

そんなことを学んだ石打スキー。