「本」カテゴリーアーカイブ

場所の意味が変わっていく、人間の関係の質が変わっていく

Forget me not2015に行ってきた。
アコンカグアの時を除いて毎回参加している。7年ぐらい前だろうかクリエイティブライティングに参加したのがきっかけで、その仲間が年末に集う。

SWITCHの新井さんを囲んで、師走の時期に集う。みんなが1年の近況を話、それから作品を発表する。食事をしながら、話して最後に文庫の交換。基本的に毎回同じフォーマットで時間が流れる。でも、会を重ねるごとに、場所の意味合いが変わってきている気がする。それは、参加者互いの関係性の質が変化してきているからな気がする。関係の質というのは、互いの心の開き具合が変わったことによって質が高まったため、お互いを受け入れながら会話をするようになった気がする。

でも、20人ぐらいの参加だったが、毎年参加者は異なる。昔は毎年参加していたが、今年は来ない人。クリエイティブライティング講座依頼7年ぶりの人。いろいろな人がここで繋がる。だから、会っている回数は多くても5回ぐらい。それも1年にたった1回だけ。1年に1回だから、お互いのことを詳しく知っているかというとそうでもないと思う。でも、なんだかこうした定期的に会うという行為が、自分の内なるものを発表するという行為が、自分をさらけ出し互いの人間関係の質を近づかせる働きをしているのだと思う。

継続して、同じ時期に同じ場所で会を続けることの意義は、久しぶりにも来れるというのもあるが、関係の質が高まりやすいというのがあるんだろう。

あとは、大人になればなるほど、といっても高校生や大学生、社会人1,2年目の頃よりも、少ない回数で少ない時間ではじめて会った人と分かり合えるようになっていると思う。多くの種類の人と会って、新しく会った人も過去の出会った人の分類に当てはめてキャラを推測できるように精度が上がっているからなのだろうか。

送信者 いろいろ

新井さんが作ってくれた動画のBGMの 小島ケイタニーさんの曲が頭のなかでぐるぐるとループしている。

forget me not 2015 自ら終わりを決めること

3月、僕はハバナ行きの飛行機に乗っていた。

巷では、キューバとアメリカの国交正常化がニュースで噂されるようになっていた。カストロが生きている間に、アメリカとの国交正常化の前に。今しかない、そんなタイミングだった。陽気な人々と音楽と太陽を想像するだけで、僕の心は舞い上がっていた。

夏休みや年末年始でもないタイミングで旅に出るのは、実に9年ぶりだった。学生の頃は時期を気にせず旅していたのが懐かしい。この時期に旅をするのは9年働いた会社を辞めることにしたからだった。働き始めた頃は、こんなに長く働くなんて思ってもいなかった。けれど、振り返るといつのまにかこんなにも長く続けていた。想像したよりも、仕事が面白く充実していたのだろう。

9年という期間は、小学生になったばかりの子供が中学を卒業するほどの期間と同じで、その間に子供は大きく見違えるように成長する。そう考えると、とても長い時間を過ごしたことになるなと、振り返ってみて改めて思うのだ。日々仕事をして過ごしていると大きな変化はそんなにも感じず、この日々が永遠に長く続くように感じる人生も、時が過ぎてから振り返るとあっという間に感じてしまうのは不思議なものだ。

大人になると人生の区切りがなくなる。逆説的に言えば、自ら区切りを作っていくのが大人なのだと思う、そして区切りをつけることによって新たなステージに臨んでいく。久しぶりに自ら終わりを決めることに悩み考えあぐねる、今までゴールのある世界で生きてきた人生だったんだなと、決断するまでの間つくづく思う日々を過ごしたのだった。

マラソンのように、42キロ走った先にゴールがあれば簡単だ。明確な与えられたゴールに向かって走れば良いのだから。どこまで行ったら終わるのか、自ら終わりを決めることが一番難しい。未来は分からないから、答えが無いから、自ら終わりを決めることが難しい。

規模は違えど、キューバという国家も60年の時を経て、大きな方針転換をした、これも自ら終わりを決めるという覚悟だったのだろう。自ら終わりを決めた今、未来がどうなるかは分からない。ただ言えることは、自ら終わりを決めなければ、新しい世界は始まらない。それが正しいかどうかは、分からない。けれど、新しい世界は、自ら終わりを決めたものにしか与えられない。それがどうなろうとも、楽しんでいこうと思う。

この世は通過するだけのものだから、

この世は通過するだけのものだから、あまりきばる必要はないよ。

水木しげるさんが亡くなった。

正直なところ、あまり存じあげないのだが、いろいろな人が影響を受けたと様々なところにアップしていたり、LINEグループなどでもメッセージを頂いたりしたので、いろいろと水木しげるさんの言葉を見ていた。いろいろと読んでいる本質的な思考をしていらっしゃってかつ、それを表現する言葉がシンプルで伝わりやすい。

さすが、漫画で表現するということをされていた方なので、そのあたりの表現がとても洗練されていて、ああ、スゴイ方だなと思ったのでメモ。

冒頭に書いた、「この世は通過するだけのものだから、あまりきばる必要はないよ。」という言葉も、まさにそうだと思う。基本的にこの考えに賛成なのだが、日々生きていると負けず嫌いな気持ちが出たり、なんかやってやろうという大きいことを望んだりする気持ちが出てくる。両極の思想だと思うのだが、根底は水木さんの思想で、それが大前提だけれど日々の生活に刺激を求めて、より知らない世界を知りたいという欲をもとめていろいろとやっている感じ。ただ、それが失敗しても、悔しくはあり勝負には勝ちたい、が、まあそれはそれであって死ぬわけでもなく、多様な生き方があるわけだし、最終的にはまあいいかと思う。

5つぐらいは自分の気持ちも行動も同じかな。でも、残りの2個はぜんぜん違うかなといったところ。

幸福の七カ条

第一条
成功や栄誉や勝ち負けを目的に、ことを行ってはいけない。

第二条
しないではいられないことをし続けなさい。

第三条
他人との比較ではない、あくまで自分の楽しさを追及すべし。

第四条
好きの力を信じる。

第五条
才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ。

第六条
怠け者になりなさい。

第七条
目に見えない世界を信じる。

頭で分かっているのに、行動しない奴は最も無能な人間だ

頭で理解しているのに、行動しない人間は無能な証拠だ。
これは、よく言われることだが、これは、自分への最大の戒めでもある。

無能とは・・・

僕の解釈では、3つ。
1つは、経験から学ばない人(こと)、同じ失敗を2回以上する人
2つめは、物事の仕組み、背景、将来を考えない人(こと)(見聞きしたことを盲目的に信じたり、言われたとおりしか行動できない人)
3つめは、口だけではこれしたい、あれしたいと言いながら、そのために準備や近づくための行動を起こさない人

もちろん、行動しない理由はあるし、気が乗らないこともある。だから行動できないのだし。
論理では理解できても、感情で理解できないってこととか、もちろんある。

でも、行動しないと世界は変わらない。

ただ、気が乗らないのであっても、そこには何かしら理由がある。そんな感情になるには、理由があるはずで問題を分解して感情の原因を突き止めて、それに対する改善策を打つとか。

本当に無能でいたくないなら、無能状態の人の心理を理解することも必要だ。

人間とは忘れる生き物であって、忘れるということができるから、生きやすいという側面も大きい。嫌なことやどうでもいいことを忘れると同時に、大切な価値が有ることも忘れてしまう。そうすると、経験から学べない。ただの一過性の出来事で終わってしまう。人生という流れ(フロー)のある一瞬だけ、これをストック化することによって学べる。それが、記録であったり、振り返りである。このブログもそのひとつ。

誰もが、分かっている真実なのに、そんな風に生きれる人は少ない。
誰もが、無能な人間になる要素を持っている。
ただ何も考えずに、流されていくることは簡単である。
それじゃ、口だけで理想を語る人間で終わるし、脳という素晴らしいものを授かったのに無駄にしてしまうことになる。

でも、誰もが無能ではいたくない。

行動し続けることで、少しずつ少しずつ変わる。
行動したことによってすぐに劇的に変わるなんてことのほうが少ない。

1%の堕落
1%の改善

0.99^365=0.02551796445
1.01^365=37.7834343329

365日続けばこれだけ違う。
日々の変化は小さく、自分がその渦中にいるから変化に気づきにくい。でも、ある期間続けることによって、後ろを振り返ると全く違う世界になっている。これができる人間かどうか。

似た話で、小さいころに父親に教えてもらって、今でも覚えている話がある。

6個のコインがある。
AくんもBくんも3個ずつ持っている。
2人はじゃんけんをして、負けた方が勝った人に1つコインを渡す。Aくんにとっても、Bくんにとっても、たった1個変化するだけだ。
でも、じゃんけんの後、Aくんが勝てば4個に、Bくんは2つになる。
差は2倍になっている。+とーの作用が同時に働くということは、こういうことでもある。

これを聞いた時から、そうかと思い、一定のパイを取り合う勝負には絶対に勝つ。そう決めた。

まずは、行動を始める。
その1歩。

そして、継続する。
世界は変る。

想像もしなかった世界へと到達できる。

まあ、とりあえずやってみる。
はじめて見る。
つべこべ言わずに、考えすぎず、まずやってみる。
人間は、肉体を伴う行動を起こすと、思っていたよりもテンションが上がるなんてことは多々ある。気が乗らなかったことでも、まずやってみる。すると、考えもしなかった面白さに出会いハマることがある。

struggleという言葉。
ネイティブじゃないので分からないが、この言葉が言い得て妙な気がするのだ。
なんとなく発音の響きも含めて。

「もがく,あがく,努力する」
「make forceful or violent efforts to get free of restraint or constriction.」

こちらも母親が祖父から言われたと何度か聞いた言葉。
まさにそうだと思う。生きているうちしか頭使えないんだから、今のうちに使っとけ、自分。

「死んだら頭を使えないから、生きてるうちに使っとけ」

「旅立つ理由」新たな世界に出会う、最高のプレゼント

著者が旅人だった
ガルシア=マルケスの本を訳している
みすず書房から本が出ている
書評を池澤夏樹さんが書いている、そして最高の評価をしている。
タイトルにセンスを感じる

直感的に、これは面白そう、そうワクワクした。
読む前から、楽しみになる。
ああ、今まで知らなかった、素敵な人に出会った感覚が、読む前からある。

「旅立つ理由」
旦 敬介

突然、朝イチで友達から1枚の写真が送られてきた。
この本読んだ?と、本の写真だった。
読んでないと言ったら、すぐに郵送して、明日届くと。
このスピード感、そして本を勧めてくれることが一番うれしい。
毎年、forget me notの本の交換も好きだ。
でも、僕の本の趣味というか、どんな人間かを知っていて本を進めてくれることがうれしい。
そういえば、この友達はリクルートを辞めた時も絵本をくれた。

世の中で一番うれしいプレゼントは、旅の誘いかもしれない。
プレゼントと言っても、お金は自分で払うが、旅に誘ってくれることがうれしい。
普通の温泉旅行とか沖縄とか何かよくある旅じゃなくて、魅惑の島とか土着の祭りとか、山のエクスペディションとか。
そういったのに誘ってもらうのが、一番うれしいGIFTだ。最高にドキドキ・ワクワクする。

その次は、今回のような本かもしれない。
ふと、そう思った。

僕は、高級なものとかブランド物とかに全く興味が無い。
どちらかというと、無形のもの、経験とかに一番価値を置く人生だ。
だからかもしれないが。

こうした唐突の連絡が好きだ。
そういえば、以前にも7,8年ぐらい前に別の友だちが、この本読んだと連絡をくれたことがある。僕は偏りがあるけれど、本を読むのは好きな方で、新たな本に出会うきっかけをもらうことがとてもうれしい。

今まで知らなかった、人に出会える。
確実に好きになりそうな作家に、新たに出会えるきっかけをくれる。自分のアンテナでは、出会うことがなかったかもしれない作家。

例えば、星野道夫さんを知らなかったら、自分の人生の幸せの感じ方って違っていたと思う。でも、星野さんを知る前の自分がいたわけで、その時に星野さんを誰かに紹介してもらったら、これほど嬉しいことはない。そういうことなのだ。

自分のアンテナでは知ることができなかった、でも知ったら絶対好きになる人に出会えるきっかけ。
ああ、感謝。

今から、読んで本の世界に浸るのが楽しみだ。

送信者 場を作る@北千住