日別アーカイブ: 2017/1/18 水曜日

作り出す雰囲気と相手に与える印象

吉田類の酒場放浪記という番組がある。そのへんの居酒屋に行き、だらだらと飲むだけの番組だ。でも、独特の世界観があって、のんびりした気持ちで見れるので気に入っている。この番組がヒットしたからできたと思われる、おんな酒場放浪記という番組もある。番組内容はほとんど同じ。

・訪れる居酒屋も古くからある個人経営の居酒屋
・番組構成も街歩きしてから、居酒屋へ行くという流れ
・番組のBGMやナレーションも同じ
・時間も1軒15分

違いは、お店に訪れるのが吉田類さんか別の人かだけだ。お店の人と話すことや料理の感想が特段違うわけではない。文字起こしだけしたら、ほとんど大差ないと思う。しかし、番組の作り出す雰囲気は全く異なるし、引き込まれる具合も吉田類の酒場放浪記が圧倒的だ。

ようは、作り出す雰囲気が違うだけ。吉田類さんの雰囲気が全ての価値を作り出している。その結果、見る側(受けて)の印象が全く違う。人の雰囲気というのはそれほど大きい影響があるのだ。

これって、テレビもそうだし、仕事もそうだし、友達関係も、アートとか、広告とか、政治とかも同じだろう。何を言うかより誰が言うかだ。もちろんその人が積み重ねてきたものが、雰囲気にはにじみ出ている。一方で、表面的でくだらないと思いつつも、作り出す雰囲気が相手に与える印象は大きな影響を及ぼし、受けての意思決定を左右する。人は見た目が9割とかって話もあるけれど、結局、良くも悪くもそういうものなのだ。だからこそ、興味はなくても見た目や作り出す雰囲気は、自分がこうしたいという方針にメリットの有る雰囲気を作り出し、相手の影響を操作していかなければならないのかもしれない。この世の中は。

何を言うかよりも誰が言うか