日別アーカイブ: 2014/8/31 日曜日

やり残した夏の宿題

UTMBウィーク最終日

UTMBやPTLの選手が続々とゴールする。ソーシャルメディアの俺のタイムラインはUTMB一色だ。去年も一昨年もあそこにいたのだから、愛着はある。今週末は友達と山に行く予定だったが、集合したけど雨っぽいと解散して結局、家にいる時間が多かったので、UTMBのライブをネットで見ていた。仲間のゴールや優勝者のゴールなど。

やはりお祭りだなと思う。アメリカの100マイルレースとは違うし、日本のそれとも違う。独特の高揚感。みんないい笑顔をして帰ってくる。途中のエイドステーションでは、真剣なまなざし。そのギャップがいい。いい時間を過ごしているんだろうなと思う。

何か成し遂げたいことや実現したい世界があって、そのために日々積み重ねて行き、こういったその成果を出し切る場があるというのはいいもんだなと思う。

今年は日本人初のPTL完走者が出た。すなおにスゴいと思う。ブラボー。今、東京にいる自分が、1年の時を経て、PTLとは何だったのかを書き記したいと思う。

ひと言で言えば、本気で勝負して、本気で負けた経験だった。

勝負する前から、今までの人生の中で圧倒的にハードルの高い勝負だと分かっていた。そのために準備をした。装備の準備、肉体のトレーニング、コースやGPSの使い方の準備。

ただ、それらを遥かに越えていた。レースのイメージを正しく持って練習することの大切さをしった。正しいゴールイメージを持って練習や準備しないと、全く無意味なのである。

とはいえ、レースのイメージが沸きすぎていたらチャレンジしていなかった。あまりにも過酷だからだ。知らないから挑める強さと知っているから着実に準備できる強さ。この狭間がポイントなんだろうと思う。

チャレンジしたからこそ、TEAM JAPONの3人の結束は揺るぎない絆になったと思う。互いの息づかいを感じながら過ごした時間、そしてあの決断をした瞬間、悔しさに涙をした日々。

3人で挑戦できたことが本当に良かった。価値観を共有できて、体力が同じぐらいで、休みも合致して、そんな仲間なんてそんなにいない。人生の中でそんな経験をすることって、滅多にない。アコンカグアもそうだったけど、2013年はそんな機会に恵まれた。

それだからこそ、三人でシャモニーに帰りたかった。でも、あの時のの実力じゃ無理だった。冷静に考えればそうなんだけど、、少しはああすれば良かったとも思った。

そんな甘い考えを吹き飛ばすぐらい、PTLのゴールを見て格の違いを感じた。全然及ばない。同じスタートラインを超えたものが、シャモニーに戻る瞬間。祝福と悔しさ、情けなさ。幾重にもなった感情が胸の中を渦巻いていた。

ラストフィニッシャーのゴールを見て涙が自然と流れた。こみ上げてきて、溢れ出した。ギリギリでもゴールする姿勢。音楽と共に祝福される。自分たちと重ね合わせ、三人でシャモニーのゴールゲートをくぐるイメージと重なり、それができなかった現実。感情が高ぶり、それぞれ涙していた。そんなシャモニーの昼さがりだった。

また、いつの日にか出るとしたら、TEAM JAPONの同じ3人でシャモニーに戻ってきたい。

あの景色は忘れない。

送信者 TEAMJAPON