キリアン・ジョルネ
スペイン生まれの26歳
UTMB3連覇
スカイランナーワールドシリーズ年間王者
グランドレイドリユニオン、ウェスタンステイツなど名だたるトレランレースで優勝
出たレースはだいたい1位、悪くても2、3位
さらに、山岳スキーの国際大会でも軒並み優勝
ここ数年は、大陸最高峰のタイムアタックに挑戦しており、すべての最高峰で世界最速登頂に挑戦している。
いったい、何者だ。
この多様な領域での世界一位、そしてこの連戦でも勝ち続ける安定感。
精神、肉体、想い、人としての魅力etc
今に始まったことではないし、ずっと前から知っているキリアンだが、今回特に思ったことがある。
それは6月にデナリ(マッキンリー)世界最速記録を達成、ヨーロッパに戻りモンブランの短距離3.8kmで1000m駆け上がるレースで優勝、ついでにその姉妹レース30か40kmぐらいのでも優勝、そっからアメリカに渡り世界最強のトレイルランナーが大集結した今回のハードロック100マイルでぶっちぎり&コースレコードで優勝。そんでもって、ハードロックではレース中に携帯電話で写真撮ってたり、エイドで少しばかりテキーラも飲んでたとか。
これらの出来事が1ヶ月以内なのだ。時差もある、デナリは高所登山だから体への負荷や疲労も蓄積される。さらに、短距離と長距離で使う筋肉も違う。ってか、短距離と長距離が両方速いって普通はありえないはずだ。筋肉の質が違うのだから。トレランはただ走るだけだが、デナリは山岳登山技術も併せ持っている必要がある。そのデナリからスキーで下山しているのだから、そのスキー技術たるや言わずもがな。
こんな風に、何から何までできてしまうのが、キリアン。
こうして見ていると、同時代に天才がいてくれたことにうれしくなる。圧倒的な伝説の男がいたことが。天才を天才と本当に理解するには、意外と条件が整っていないと無理なのだ。
というのも、自分が真剣に取り組んで、感覚的にも論理的にも、肉体的にも精神的にも分かること。自分がやっていることじゃないとそのスゴさを実感できない。そもそも、そこまで自分が本気で取り組んでることがないといけないし、そのタイミングで偶然にも天才のピークの時代が重ならないといけない。今回の例ではトレラン。
そんな領域で、圧倒的な人、天才が同時代にいたことに感謝。とんでもない人って世界にはいるんだなと思えるし、リアルタイムにそれを感じられ心が震える。そすべてを世界トップのレベルで成し遂げるキリアンのスゴさは、登山とトレランをやっているからこそ分かること。
そして、鏑木さん。ハードロックで落石で縫うほどの大量出血をしながらも6位。45歳という年齢。
どんなことがあろうと結果を残す人、尊敬。やはりすごい。
勝負から逃げない男、日本に鏑木ありだ。
送信者 モンブラン登山とUTMB2012 |