【地球の裏のその先へ9】メンドーサの安宿で一人もがき続けた日

【地球の裏のその先へ7】元気が戻り悔しさだけの病室

朝、目を覚ますと、体がかゆかった。着替える服もないし暑くて裸で寝てたせいもあるが、ダニにやられたのだろう。朝から嫌な気分だ。今日は日曜日、荷物を取りにいきたくても登山のエージェントはクローズと言われている。街に出てもほとんどの店は閉まっているはず。やることがない。ホテルの部屋で暇をつぶすしか。暇すぎると、アコンカグアの失敗のことだけを考え続けてしまう。着の身着のままでヘリで降ろされたので、暇つぶしの道具になるようなんてものはない。こんな精神状態の日に、一人宿の部屋で暇になるのは良くない。考え詰めてしまう。でも、町にでても何もやっていない。

残りのスプライトをごくりごくりと飲み干した。気分転換にホテルでも変えようかと思って、近くのホテルに行ってみた。するとべらぼうに高かったり、部屋が空いていなかったり。ついていない。10時ぐらいまで部屋で待つことにした。やることもないので、洗濯をして干した。すぐに乾く暑さだ。

送信者 Aconcagua&Patagonia

暇になると考えてしまう。なんで俺だけ失敗したのか。どこの判断がダメだったのか。なんで俺はいつも軽率な行動をとってしまうのか。ダメダダメだ。みんなは今ハイキャンプに着いただろうか。すると、あと2、3日でアタックだろうか。天気はどうかな?全員一緒にいるのだろうか。好天に恵まれて頂上まで言ってほしい。でも、自分だけいけないのは悔しいので、登れなかったら来年一緒にいけるかもと、嫌らしい気持ちもわいてくる。すると、本当に自分は自分勝手で、小さな人間だなと思えてくる。だめだだめだ。

トラベルエージェントがやっていないと知りつつも、念のために確認しようと思い、宿を出た。町中に人影はまばら。まあ、日曜日だ。天気のいい休日なのに、どこか寂しげだ。こんな心理状態だと、世界のすべてが負に見えてくる。当たり前だが、トラベルエージェントはやっていない。行く当てもなく、宿に戻る。

でも、結局考えることはアコンカグアの失敗。なんで自分だけ高山病になったんだ。元気すぎて、登ったのがいけなかったんだ。でも、本当にゆっくり登って順応したはず。事前の富士山もみんなより多く登った。なんでだ、どうしてだ。でも、すべての責任は自分。本当に見栄や強がりだけで生きているダメなやつだ。どうしたら、もっと人として徳をつめるのだろう。ああ、でもそんなことより、悔しい、もどかしい、落ち着かない。

送信者 Aconcagua&Patagonia

誰とも話す相手がいなくて、つらい。発散すらできない。スマホのwifiがつながったので、facebookに書いたり、ブログを書きなぐったり、理解してくれそうな友達に連絡したり。何人かとメールのやりとりをして、少し落ち着いた。やはり、人間はコミュニケーションがないと生きていけない。救われた気がした。

昼が過ぎて、もう1度とラベルエージェントに行ってみた。やっぱりやっていない。当たり前だが、ついつい来てしまう。帰りにランチを食べた。そして、水を買ってまた宿に。

堂々巡り。でも、悔しい。一人でベッドのシーツを握りしめて、悔し涙が出てきた。頭が狂いそうになる、一番残念だったのは、あんなにも素敵な仲間6人と一緒にともに時間を共有できなかったこと。苦楽をともにして、けんかもして、飯を一緒に作って食べて。そんな時間を一緒に味わいたかった。その時間が何物にも代え難いすばらしい時間になることは容易に想像できる。なんで自分は、それを捨ててしまうような軽率な行動をとったのか。そして、大切な仲間にも迷惑と心配をかけてしまったのか。愚かな人間だ。

送信者 Aconcagua&Patagonia

この無限ループは続いた。夕方にもう一度トラベルエージェントにいき、帰ってくるときにサンドイッチを軽く食べて夕食を終えた。日が落ちても考えることは同じ。ベッドの上で、スマホを触りながら、悔しさともどかしさの無限ループ。寝れない寝れないと思っていたが、いつの間にか眠りについていた。ダニにさされるベッドの上で。

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