日別アーカイブ: 2013/12/31 火曜日

サヨナラアコンカグア

突然、あっけなくその時はきた。
アコンカグア登山終了の時が。

仲間と準備をし、練習をともにして、やっと迎えた登山。現地に入ってからも、ワイワイガヤガヤ楽しく時を過ごした。

準備も終わり、ついに登山開始。灼熱の赤茶けた大地を歩く。みんなで、話ながら。時には、靴を脱いで川を渡ったり。

アコンカグアも見え、自然と気持ちは高ぶる。テントでも食事を作ったり、今後の予定を話したり。朝や夕方は美しく太陽が山を染めた。

プラザデムーラスのベースキャンプについても元気で、楽しい日々が続いた。石川弘樹さんも、到着し、やっと全員揃った。

僕は調子がよく、日中に高度順応をかねて、4800mまでトレッキングをした。体調がいまいちなメンバーは、ベッドで寝ていた。

その夜、僕は咳き込んだ。肺水腫。4800の軽い運動が裏目に出た。
翌朝、咳止めでももらおうとメディカルに行くと、ヘリで下山しろと。

突然だった。まだまだ始まったばかりのアコンカグア。もう少し登らせてくれたって。1日休めば復活する。みんなそうだし。

でも、そんなことは通用しなかった。僕はヘリで下ろされ、そのまま病院。

心肺機能は確かに弱くなったが、まだいけると思っていた。

あまりにもあっけなく終わり、呆然とした。

悔しくて、やりきれなくて、もどかしくて。

なんで、俺だけこんなことになるのかと嘆いた。

しかし、これが現実。

4800のトレッキングが結果的に良くなかったのだが、今でも著しく間違った行動でないと思う。体調は良かったし、かなりゆっくり登りゆっくり下った。一緒に他のメンバーも行動していた。

嘆いても仕方ないが、あそこでトレッキングをすると判断したのは自分だ。

もっともっと高山病について調べ、自分の体を知りつくし、基本を絶対守る行動をしていればよかったかもしれない。

いま、自分が仲間と山にいないことが、やりきれない。

アコンカグアに登りたかった。何よりも、あの素敵な仲間と苦楽をともにして、価値観を共有したかった。その時間を味わいたかった。そして、結果的にアコンカグア登頂できれば良かった。

今回はいろいろなことを感じ考えさせてもらった。夏のPTL と合わせて、なかなか成し遂げれない年だった。自分の準備不足、仕事との両立、何の理由にもならない理由しかない。

時間は不可逆であり、チャンスはそんなにない。いかに自分で準備するか、そして初期でつまずくとその後のすべてがなくなる。最初は肝心だ。冷静に基本に従い着実に進めていく。調子がよいときほど冷静に。

もっと謙虚に、もっと準備をして、もっと当事者意識をもち、おごらず見栄をはらず、基本を大切に生きていこうと思う。

時間ができたので、パタゴニアに行ってきます。