今回のPTLの旅で、長年使っていた一眼レフカメラを失った。
旅をするようになってから、そこで出会う美しい風景を少しでも鮮明に記憶しておきたい、その時を後からより生生しく思い出したい。
そんなことを思って買った一眼レフ。
世界中、日本中、
いろいろな国を旅した。
いろいろな山に登った。
そんなとき、いつもこのカメラがそばにいた。
何十万枚撮ったか分からないけれど、自分が撮った写真はだいたい覚えている。
レンズを向ける時、いろいろな思いがその対象に向けられていた。
1枚の写真を出されれば、自分の写真かどうかはすぐに分かるし、その写真がいつどこで何を思って撮ったのかもありありと思い出せる。
風景ばかり撮っていた時も、人の笑顔ばかり撮っていた時も、日常の何気ないスナップばかり撮っていた時も。
イランの盗難でも何とか死守したカメラ。
アラスカに行ったり、様々な極地に行き調子が今ひとつだった最近のカメラ。
買い替えようかとも思っていた。
でも、結局買い替えずに使っていた。
そして、このカメラで撮った最後の写真は夕焼けに染まるモンブランだった。でも、この写真を見ることは永遠にないだろう。
その写真がないことも残念だが、愛着のあるカメラ自体がなくなったことが物悲しい。
さよなら、今どこにいるのだろう。
いつか新しい一眼を買うのだろうけど、なんだか、すぐにはそんな気にならない。
送信者 青空と雪の硫黄岳20130104-05 |