月別アーカイブ: 2012年5月

人の生涯を凝縮したような41時間49分4秒

160キロではなく、100マイルという響きに甘美な夢を抱く。
その甘美な響きに魅せられて、100マイラーになりたくて、人は挑戦する。

たぶん俺が英語圏で生まれていたら、100マイルという響きにこんなにも夢を抱くことはなかったんだよな。
でも、キロという概念で育った人間にとって、マイルというハクライな響きに夢と憧れを頂く。
それも100マイルと言う、自分の足で連続して走れるギリギリの距離であり、キリのよい数値に。

From UTMF2012心折れ部&金環日食

そんな100マイルに憧れを抱いたのはUTMBというモンブランを100マイルのレースを知ってから。
ただ、自分が100マイルを走ることを現実として考えはじめたのは2年ほど前からだろう。
そんな時に、ちょうどUTMF(ウルトラトレイルマウントフジ)が開催されるという噂を聞いた。
ちょうど1年半ほど前だったと思う。
昨年の5月に初めての100マイルを完走する予定だったが、地震などいろいろありUTMFは1年延期。
ついに2012年5月18日に第1回UTMF(ウルトラトレイルマウントフジ)が開催されることになった。
全長156キロ、累積高低差8,503メートルに及ぶ。

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今までにも110キロ程度のトレイルは何度か走って来た。
でも、100マイルを走った人は口を揃えて言う。
100キロと100マイルは別物だと。
100マイルの本当の世界は100キロを超えてからだと。
確かに、100マイルとなると2晩を超す必要があり、今までとは違った対策が必要だった。

そのために、色々な練習をした。
装備をそろえた。

長距離に体を慣らすため、六甲キャノンボールで112キロ、富士五湖チャレンジで112キロ。
そして、オーバーナイトにも体を慣らすために、直前のゴールデンウィークに雲取山のオーバーナイトトレラン。

装備も、14+3LのサロモンのSKIPROというザックを買い、200ルーメンのヘッドウォーズというヘッドライト、ブラックダイヤモンドのウルトラディスタンスというストック、モンベルのバーサライトパンツとトレントフライヤーの上着のレインウェア、パタゴニアのロングTシャツキャプリーン2、お気に入りのモントレイルのシューズマウンテンマゾヒストも新調した。

もちろん、体調管理も行った。この2ヶ月水泳が出来ていなかったが、UTMFの前の週は岐阜でスイムをして体をほぐした。禁酒も1週間ほどして完全に酒を抜いた。レース中にカフェインの効果を高めるためコーヒーなども2週間ぐらい飲まなかった。レース中の食料もいつものようにそろえた。

別にここまでする必要があるかは分からない。けれども、100マイル完走という目標のために、できることはしたかったし、もし完走できなかった時に言い訳する材料は作っておきたくなかったのだ。

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そんな準備をして、5月17日を迎えた。18日の15時にスタートするため、ギリギリまでゆっくりしようと河口湖にホテルをとった。12時にレイトチェックアウトもお願いした。17日の20時ぐらいに新宿をバスで出て、河口湖へと向かった。22時すぎに河口湖に到着すると、徒歩数分のホテルに向かい翌日の準備を軽くして、眠りについた。この100マイルという初めてのレースに対してワクワク感はとても大きなものであったが、いつものような緊張感のような物はあまりなく冷静さは保っており、すぐに眠れ熟睡した。

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そういえば、スタートを前に、友達から短歌が送られて来て、俺も短歌を作ってみることにした。
心境をそのままストレートに表現した単純な短歌。

霊峰を
ぐるり一周
百マイル
笑顔でゴール
空を舞うかな

夜中に外で大雨だったのはとても気になったが、翌朝目覚めると青空が広がっていた。そして、目の前には富士山が鎮座していた。ついに来た。この日が来た。外に出て深呼吸をすると、ヒンヤリとした空気が体の中を駆け巡った。気持が切り替わり、自分の中でレースが始まった。

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部屋に戻り、朝食を食べ、荷物を詰め替えたり水の準備をした。まだまだ時間があったので、テレビを見ながらベッドでゴロゴロとして体を休めた。できるだけ直前までリラックスして寝ていたかった。12時前になり、ホテルを後にして、コンビニでパスタと巻き寿司の昼食をとる。パンとあん団子も買って、会場へと向かった。

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会場に着くと、トレラン仲間がたくさん来ていた。まずは、受付を済ませてゼッケンやチップをもらう。そして、荷物チェック。必携品をひとつひとつチェックされた。100マイルとなると何があるか分からないから、自分の命を守る物は絶対持たなければならないという証拠。荷物チェックを終えて、最終的にパッキングをし直して、76キロ地点の富士山こどもの国に送る荷物と、この場所に置いておく荷物を預けた。

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そして、心折れ部やその他のトレラン仲間といろいろと話す。STY(82km)のレースに出る人も、UTMFのスタートを見に来ている人がけっこういて、いろいろと話した。GoProのカメラを頭につけていたら、トレイルランニングマガジンに取材された。これから走る友達はみなワクワクが止まらない感じだった。スタートまで少し時間があったので、湖畔の日影で昼寝をした。

From UTMF2012心折れ部&金環日食
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ついに、スタートがやってきた。大きなボリュームで音楽が流れ、鏑木毅さんや三浦さん、招待選手などの紹介がされる。スタートゲートにみんな集まりはじめ、おのずと気分は高揚する。心折れ部のみんなで旗を2つ掲げて、写真などを撮った。こんな時に旗があると目立って分かりやすいし、一致団結できる気がした。見送ってくれるサポート隊やSTY組に送り出され、ついにスタートのカウントダウンが始まった。

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5,4,3,2,1…
スタート

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ついに、100マイルの長い長い旅が始まった。
いったいどうなるか想像がつかないけれど、なんとか完走できる自信だけはあった。
沿道には多くの人が駆けつけていた。
心折れ部のみんなも、スタートすぐのところで旗を持って応援してくれていた。

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まずは河口湖大橋をわたりロードをしばらく走る。
富士五湖ウルトラや河口湖マラソンなど、このあたりはよく走る機会がある。
河口湖の周りを走り、トレイルへと入っていく。
100マイルと長い距離だからかみんな焦っていないし、800人程度なので渋滞することもなかった。

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なかなか急な坂道を上っていく。
走ることもできたが、これからまだまだ長い道のりがある。
最初はできるだけペースを抑えようと、坂道は走らずに早歩きにした。
女性のトップ選手である小川さんや山田さん小野さんなど、沿道ではグレゴリーの佐々木さんなどたくさんの仲間ともすれ違った。

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下りのトレイルもぶっ飛ばせそうな場所だったけれど、ここは冷静に。
あまり飛ばしすぎることなく、足への負担を少なくすることを考えながら着地する走法でいった。
2時間15分ほどで、第1エイドである富士吉田工業団地に到着した。
予定よりもちょっと早いタイムだったが、まったく無理はしておらず、いいかんじだった。

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17時も過ぎ、徐々に太陽が西に傾きはじめた。
前後して走っていた外国人に話しかけると、フランス人でUTMBのディレクターであるポレッティさんの旦那さんだった。
今年UTMBでますよと話すと、UTMBは良くない大会だからでない方がいいよとジョークをかまされた。
富士山キレイだろと言うと、富士山は最高だねと答えてくれた。

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暗くなる前に杓子岳に登り、夕焼け空と富士山が見たいと思っていたら、ちょうどグッドタイミングで到着。
美しい富士山を望むことが出来て、とても穏やかな気持になることが出来た。
やっぱり、こうして自然の中にいて、自分の身体を使って、全身で感じることが一番好きなんだと実感する。

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杓子からの下りは滑りやすい場所や急な場所も多く、ゆっくりと下った。
19時55分に第2エイドステーションである二重曲峠に到着。
ここではすっかり暗くなり、寒くなったのでパタゴニアキャプリーン2の長袖を着た。
頭につけていたGoProのカメラを取り外し、ヘッドライトにかえた。

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陽が落ちると一気に暗くなるので、ヘッドライト、ハンドライト、腹のライトの3つでいく。
新しく買ったヘッドライトが明るいので、ヘッドライトかハンドライトのどちらかと腰のライトの2つで走ることが多かった。
新しく買ったヘッドライトはジェントスのヘッドウォーズだが2500円と安い割に、200ルーメンで1晩はもったのでとても重宝した。

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以前にも来たことのある石割山を抜ける。
杓子も忍野トレイルで来ているので、なんだかんだ知った道が多かった。
山からは山中湖近くの夜景も見れた。

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第3チェックポイントである山中湖きららに21時に到着。
この日は金曜日で送別会があった。
しかしUTMFは絶対に出たかったので、この山中湖から送別会に電話をしてメッセージを伝えた。
まだスタートして6時間ほどで疲れてもいないので、わりと気楽なもんだった。
そして、仲間の声を聞いて少し元気なった。
携帯を取り出したついでに、ツイッターでもつぶやいておいた。

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まだまだ37キロを終えただけ。
この4倍以上がこの先に待っている。
そう考えると長くて長くて、早く終わらないかなとか、考えそうになるが、そんな気には全くならなかった。
あまりにもゴールが遠くて具体的にイメージできなかったのか、トレイルが好きでどれだけいても飽きたりしないからなのか。
次はA4のすばしりを目指す。

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神奈川県と山梨県の県境を越え、三国山ハイキングコースへ。
ここらあたりは、淡々と走れる場所。
だからこそ、眠たくなる。
そんな時は、音楽を聴いてカラオケかカフェインに限る。
トレイルでは音楽を聞くと危なかったりするので、カフェインを投入。
カーボショッツのカフェイン入りは本当に眠気を飛ばすには強い味方。

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すごい電飾が派手な歩道橋を渡り、23時50分に道の駅すばしりに到着。
富士山を模した電飾はいつもなのか、UTMFの今日だけなのか気になりながら(笑
心折れ部のサポート隊もすばしり道の駅に到着しており、話しをして気が紛れ目が覚めた。
右膝の裏が痛みはじめていたので、エアサロンパスをしてもらった。
ハイドレーションに水が少なくなっていたので、水も足した。
お腹もすくので、いろいろと食べた。
夜になり冷えて来ていたので、きのこ汁が体にしみわたりうまかった。
眠気がどんどんやってくるので、コーヒーも飲んだ。
インスタントコーヒーがエイドステーションにあったのだが、お湯がないので、水と一緒に流し込んだ。

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長い長い登りの道路を進んだ。
ハッキリ言ってつまらない。
眠たくなる。
けれど、空を見上げると満天の星空が広がっていた。
ヒンヤリとした世界に、無数の星が瞬き、走っている僕らに元気をくれた。
ずっと空を見上げながら、坂道を上っていった。
こうしてランナーが走っている間、星も少しずつ移動して、朝を迎えるんだなと思いながら。

砂利道の自衛隊演習地をひた走った。
砂に足が取られるので、スピードが出ないのと、砂利が靴に入るのが不快だった。

山中湖あたりのエイドから北極圏マラソンも走っている小野さんとずっと前後していた。
そして、第5エイドステーションである富士山御殿場口太郎坊に到着。
六甲キャノンボールを立ち上げた神戸の繁田さんとずっと前後しながら走っていた。
到着したのが夜中の1時45分だった。

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女子トップ選手である間瀬さんがこのエイドで毛布にくるまっていた。
おそらくリタイアしたのだろう。
トランスジャパンを優勝している間瀬さんですらリタイアするこのレース。
やはり過酷なんだと再確認して、身を引き締めた。

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あたたかいそばなどを食べて再び出発。
次は水ケ塚公園を目指す。
水ケ塚公園へはまたもや長いロードの坂道があった。
心が折れそうになると、繁田さんが目の前にいたので、ペーサートさせて頂き後ろをついていった。
第4チェックポイントでエアサロンパスをしたが、右膝の裏は痛みが少しずつ強くなっていた。

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2時50分に第6チェックポイントである水ケ塚公園に到着。
ここまでクリアすれば、制限時間におびえることはない。
というのも、第4から第6チェックポイントにかけての制限時間が厳しく、ここで関門に引っかかるリスクがあると聞いていたから。
後は、歩き続けてもゴールできる。

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右膝の痛みが続くので繁田さんに伸ばしてもらった。
繁田さんはプロの整体師さんなので、いろいろと教えてくださり、かつ足の処置をしてもらえて助かった。

さらに、ここでは、ボリューム満天のハンバーガーを食べた。
ロングのレースでは胃が揺れて、胃腸がやられてしまう人も多い。
そして、何も食べられなかったりして、ハンガーノックで力つきるとか。
あとは、何度も吐いている辛そうな人も。
幸いにも、俺は胃腸が強いらしく、何でも食べられる。
とは言え、夜中にガッツリしたハンバーガーは少し不安だったが、まだまだ道のりは長くパワーもいるし食べることに。

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ジェルとかばかり摂取していると、こうした固形物かつ食べごたえのあるものはうれしい。
エネルギーが満たされるだけではなく、精神的な満足感が得られるのが大きい。
また、走るパワーが漲ってくる。

さて、富士山こどもの国へ向けて出発。
水ケ塚公園の近くでは南米であった同年代の冒険家である阿部さんがボランティアをしていると聞いていたので、楽しみだった。
エイドで聞いても知らないとのことで、いないなーと思いながら山の中を走っていると、危険箇所で誘導をしていた。
思わず、「阿部さん。南米で会った寺町です」と伝え、「頑張ってください!」と言われ、かたい握手を交わした。
実に8年ぶりぐらいの再会。前は、ボリビアのラパス。そして今回は100マイルレースの途中に山の中で。
なんとも、スゴイ再会だ。そして、阿部さんは今年の夏にアラスカとアマゾンの川下りの冒険に出る。
夢をおい続けている姿を、俺も応援したいなと思う。

まだまだ残り90キロ。
先は長いが急な下りの踏ん張りがきかなくなって来た。
右膝の痛みをかばいながら進んでいたので、左足のアキレス腱に痛みが。
満身創痍だ。

でも、遅いながらも前に進むしか道はない。
幸いにもどうしようもない眠気が襲ってくることは少なく、時間のロスが少なかった。
進みが遅いながらも着実に前に進んでいた。
こんな長いレースだが、考えることはそんなにもない。
標高差のマップに予想タイムを書き込んであるので、それとの差を見ながらいつゴールできるかを計算している。
それを定期的に、何度も何度も行い、自分の位置と自分のスピード、翻っては自分の状態を見極める。
予想よりも早く進んでいたし、この調子で行けばなんとか32、33時間でゴールできるんじゃないかと予想していた。
いつも楽観的な読みをするよりも、堅めに着実な読みをするほうなので、たぶん普通に行けばそれぐらいでゴールで来たと思う。
まあ、結果的にはプラス9時間以上かかることになったけれど、この時の計算ではまだ、そんなイメージを抱いていた。

もちろんタイムを計算しながらも常に動き続けている。
下り基調の道をどんどん行くと、空が白んできた。
やっと1日目の夜が終わる。朝が来た。
鳥のさえずりが聞こえて来て、新緑が輝き始める。
全く寝てないし、風呂に入らず汗でべっとりなはずなのに、なぜかとても爽やかな朝に感じる。
東の空が淡いピンクに染められるころには、富士山こどもの国に到着。

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エイドではたくさんおにぎりを食べる。
食料を詰め替え、ヘッドライトの電池を新しくして、エアサロンパスとストックを取り出して出発。
増田さんがすぐに、エイドに到着して、「タクシー呼んだからゴールまで乗っていく?」と誘われたが、「俺が呼んだタクシーの方が先に来たから、お先します」と徹夜明けのギャグを噛まして、出発した。

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すると、ちょうど心折れ部サポート隊が到着した。
出発のタイミングだったので、具体的に何かをサポートしてもらった訳ではないが、仲間の顔を見れて、かつ色々話せただけで気分がまぎれた。
100マイルのトレイルは本当に精神の戦いだなと思うが、本当にサポート隊のやさしい心遣いがあって、心折れ部全員完走があったんだと思う。

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足の痛みから走るのが辛くなったので、走っては歩き、走っては歩きを繰り返す。
ストックを取り出して、足への負担を少なくしながら歩を進める。
フラットな砂利道とロードでは、単調で睡魔が襲って来たので音楽を聞いてやり過ごす。
ちょうど、栗田さんとお会いして話したら目が覚めて助かった。

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林道を走り、新緑が綺麗なトレイルを走る歩く。
すると吉成さんを発見。この辺りから天子山地の下りまで、ずっとと前後しながら進んでいった。
まだ午前中だと言うのに、日射しがとても強くなり暑く汗が滝のように流れた。
水をたくさん持たないと危険だなと思っていると、ちょうど19日AM8時北山のウォーターステーション到着。
お水をもらい、また復活して先へ。

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エアサロンパスを膝とアキレス腱にかけながら進んでいく。
暑くなってきて、どこか川にでもこのまま浸かりたい気分。
でも、そんなに豊富な水はどこにもなく、ひたすら進む。
原っぱのようなトレイルがずっと続く。
日射しを遮る物がなく暑い。暑い。

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そんな中、タクシーを呼んで優勝を狙っていた増田さんが後ろからやってきた。
「トップ選手通ります~」と、軽快に走っていった。
と言うのは、半分嘘で半分本当。
そうとう、パワーが残っているようで、軽快に走る姿を動画で撮影して、別れた。

なんとか、10時前に西富士中学校に到着。
すると、アラスカ大好きで昨年東日本大震災のチャリティーサイトを一緒に作ったベティさんこと青崎さんが沿道にいた。
UTMFに出ているはずと思って聞くと、リタイアしたのだと。
それで、応援しにきていたのだ。
頑張ってとパワーをもらい、エイドステーションへ。

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ここでも、やきそばなどたくさんの食事を頂く。
暑くなったので、塩熱サプリを摂取して、エイドのお姉さん?おばちゃん?と話す。
胸にENGLISHとかESPANOLとかFRENCHと書いてあるので、「ドンデ エスタラ バーニョ?」って聞いてみたり、会話を楽しんだ。
すると、体育館でマッサージをうけられると言うので、行くことに。
ここからは一番の勝負、核心部である天子山地がやってくる。
その前に、右膝の裏と左のアキレス腱もそうだが、体を復活させておきたかったのだ。
30分~40分ほどゆっくりとマッサージ。
すぐに吉成さんも、そして裸足系ランナーの山田さんもマッサージ。

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さて、ここからが100マイル本当の勝負。
27キロエイドがない天子山地だ。
さらにここの山に試走しに来た人は8時間以上かかっていると言う。
いったい、100キロ走って来た俺は何時間かかるのか恐ろしくなった。
幸いにも計算通り、AM11時と明るいうちに山に入れたのはありがたかった。
レース中も予想タイムとにらめっこしながら、いかに天子山地を明るいうちに抜けるかを考えていた。
と、少しでも軽くなって、山に登りたかったから、天子山地の登りの前に倒木に腰掛けて大便をした。
足のパワーがなくなっているので、簡易的な洋式便所が倒木なのだ。

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しかし、ここにきて足が思うように動かなくなり、走れなくなった。
ずっと歩くしかない。予想よりもスピードが出ない。
タイムもかなりかかるだろう。その覚悟で、食料や水の配分を考えてスタートした。

天子ケ岳の山頂はそんなにも辛くなかった。
しかし、ここから登って下ってをずっと繰り返した。
登りはそこまで問題ないが、下りは足の踏ん張りがきかない。
そこで、ストックを先について、よっこいしょと降りていく。
これじゃ時間がかかりすぎる。
フラットな所も歩いている。
いったいいつになったら、天子山地を降りられるのか。
そんなこと考えても、試走した訳でもないし分からない。
ただただ、今は1歩1歩進むしか道はない。
エスケープしようにも、それすら出来ないのがこの天子山地。
リタイアしたいとも何度も考えたが、しようがない。
どうせ天子をクリアして降りるしかないなら、最後まで完走するかと思えて来た。

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約半分の距離のSTYがAM10時にスタートし、トップの宮原選手が軽快に走りながら抜いていった。
登りも全部走っているのだから驚きだ。
15位前後でジョリーさんこと石川さんがきた。
足の痛み&動かないと話したが、順位的にも時間的にも完走は出来るから頑張ってと応援してくれた。
やはり、石川さんは速いなー。
つづいて、網ちゃんこと網蔵さんがやってきた。
この時は女子で3位ぐらい。
いつも表彰台に乗っているだけあるスピード。
無理をしないでね。と声をかけてくれる。
そして、裸ランナーのモモト兄さんも。
今回も、もちろん裸で走っていた。
モモさんとは、いろいろ話しながらしばらく歩いた。
こうして、多くの仲間が声をかけてくれると、勇気づけられる。
そして、トレランがますます楽しくなってくる。

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とは言っても、天気などは容赦しない。
ガスが出始め天気が悪くなった。
雲というかガスの流れが無茶苦茶速い。
雨もぱらつく。
雨具を来て、備える。
路面が濡れると細い尾根では滑落注意だ。

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しかし、眠気も襲う。
もう、無理だと思い、倒木で仮眠をとった。
人が通るので20秒ほどで目を覚ます。
たったこれだけなのに、頭はスッキリした。

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いったいいつまで続くんだ?と思いながら、天子山地を上り下り。
吉成さんとまた一緒になり、ついに天子山地一番のピーク毛無山の山頂にたどり着いた。
やっと、やっと、ここまでやって来た。
なんとかここまでは来れた。あと、35キロほど。
どうにかして、ゴールまで辿り着こう。
あとは下り基調だ。

From UTMF2012心折れ部&金環日食
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そんな風に楽観的に考えたのが間違っていた。
今の俺には登りよりも下りの方が遥かに辛く、下りの方が3倍以上の時間を要した。
毛無山の下りは滑る滑る。
何度も、ずり落ちて体中泥だらけ。
ストックを頼りにして、下った。
ストックがなかったらいったいどうなったのか?
そして、ストックが折れたらと思うと、怖くて慎重に降りた。
だから、自分の後ろに渋滞ができた。
横によけて抜いてもらったが、そればかりで疲れてしまった。
あまり気にしすぎることなく、自分のペースで進むことにした。
毛無山を下っている時に、日は落ち2日目の夜がやってきた。
ここからが本番だ。

毛無山を降りきったら、また登り返し。
200メートル登りと言われたがもっと高いように感じた。
ここから見た毛無山は綺麗だった。
毛無山を下りる選手のヘッドライトが、連なって降りて来ていた。
あそこでも、今勝負をしている人がいるんだと思うと、明りひとつひとつに勇気をもらった。

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そして、また下り。
長い長いつづら折りの下りが続く。
走れたならばすぐに終わるこの下りも、ゆっくり歩いていては永遠に感じるほどの下りだった。
人の声が聞こえはじめ、明りが見えるとそこが第9エイドであることが分かった。
今朝西富士中学校のエイドを出てから12時間以上がたってやっと次のエイド本栖湖スポーツセンターに到着した。
なんと日中ずっと天子山地の中にいて、とぼとぼと歩いていたのだ。
その間はエイドも何もなし。本当に長い長い長い時間だった。
この天子山地では辛い眠気も、寒さも、痛みも、悪天候も、空腹も、トレイルの危険箇所も、何もかも襲って来た。
「天子(てんし)」じゃなくて「悪魔」だとずっと思って進んでいた。
死ぬまで永遠にこの天子山地を歩き続けるのかと思うほどだったから、エイドが見えたときはついに来たと思った。

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22時23分に本栖湖スポーツセンターに到着。
やっと山から降りられた。
ただ、それが一番うれしかった。
ここは安全な場所だ。
もう、事故のリスクはないんだ。
そうした安堵感が、自分をつつんだ。

そんな時に、心折れ部のサポートメンバーが声をかけてくれた。
「テラマックス、テラさん、けんちゃん、よく来たね。遅くて心配したよ」
「こんな状態でも写真撮るんだねw元気そうで良かった」
うれしかった。一番うれしかった。ゴールしたときよりもうれしかった。
寒いし、こんな夜に待っていてくれるなんて。
鹿カレーとなめこ汁を飲んだ。
鹿カレーは辛かったが、元気が出た。
座っているだけで、カレーとかテーピングとかいろいろ持って来てくれた。
うれしかった、本当に助けられて助けられて、100マイルはゴールに向かっていると実感した。
いつも、強がったり、自分ひとりの力だけで完走したくて、サポートはあまり受けない方だが、今回は本当に助けられた。
実はこのエイドでリタイアしてしまおうかとも思っていた。
でも、仲間の声に支えられて、またこのエイドを自分の足で出発することが出来た。

From UTMF2012心折れ部&金環日食
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走れないので、ここで長居すると完走も危ぶまれる。
2日目の夜で、今後眠気が襲うかもしれなかったが、まずは進むことにした。
幸いにも本栖湖スポーツセンターではあまり眠くなかったので、先に進むことが出来た。

本栖湖スポーツセンターを出て、しばらく行くと青木ヶ原樹海だった。
本当に真っ暗で静かな世界。
木々が生い茂っていた。
前後にランナーがいないときも多く、自分のライトを消して歩くと、完全に暗闇と静寂の世界。
青木ヶ原樹海に夜中に1人でポツンといたら、不気味な気持になりそうだが、今回は全くならなかった。
レースで前後に人がいると知っているからというのと、2日目の夜で脳がボーッとしていたのかもしれない。

青木ヶ原樹海では眠気がおそってきた。
フラットだし、安全な道なので気持が緩むのだ。
半分寝てるんじゃないかという状態で歩き続けた。
1度、体操座りで仮眠を一瞬だけとった。
樹海を出ると、鳴沢氷穴まではロードの登り。
これがまた単調で長くて長くて、つまらない。
2日目の夜ということもあって、眠気マックス。
さらに、幻覚と幻聴。
一番最初に幻覚を見たときは、幻覚と気づかず、UFOが飛んでいると真剣に思った。
土星のように輪っかのついたオレンジ色のUFOが飛んでいる。
なんだ、なんだ?と思って、ふと冷静になると、これが幻覚かと分かった。
そして、後ろにだれもいないのに、歩く足音が聞こえたり、会話が聞こえる。

なんとも不思議だ。
現実と夢との境が曖昧になり、意識と無意識の境がなくなる。
なんでこんなことに人間の脳はなるのだろう。
このままどうなるのだろうか?そんな気にさえなった。

最後の山も下りが急と聞き、この体の状態では明るくなってからの方が安全と判断し鳴沢氷穴で時間調整の仮眠をとることにした。
寝すぎると良くないと思い、そのまま横になったが、しばらくして目を覚まし寒かったのでサバイバルシートにくるまって寝た。
果たしてどれぐらい寝たのかは定かではないが、1時間~1時間30分ぐらい寝たかもしれないし、30分ぐらいかもしれない。

起きるとやはり筋肉が硬くなっていた。スムーズに動き出すのに時間がかかった。
かつ、体温が下がっていたので、腕をグルグルと動かして体を温めた。

このころから、足の痛みはひいていった。
若干は痛んだが、ほぼ痛みが消えていた。
しかし、思うようには足が動かなかった。
この長い長い100マイルを通して、様々な変化がおとずれた。
そして、最後は痛みが引き、穏やかな安らぎとなった。
こんなにも変化があるのは、まさに旅だなと思った。
でも、旅と言うよりも人の一生を凝縮した感じだなとおった。
100マイルは人が生まれてから死ぬまでを早送りしている感じなんだろう。

噂では急な下りがあると言う話しだったが、登りも緩やかで下りも緩やかだった。
これなら仮眠で時間調整をする必要もなかった。

とぼとぼ歩いていると、インドで出会い、初めてのハセツネを共に走った池崎くんに会った。
テラさん、こんな所で!と声をかけられビックリ。
彼も久しぶりのロングレースを戦っている所だった。

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そして、心折れ部のエディさんも。
テラマックス!と声をかけられ、思わずエディさん!と声が出た。
かなり軽快な足取りで、走っていった。

そしてヒデさん、大ちゃんの2人にも。
かなり辛そうだったけれど、僕よりは速いペースで先を行った。
2人にも頑張って、ゴールで待っているからと応援してもらった。

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いつもなら、負けず嫌いな性格で追い抜かれると悔しくてスピードアップしたが今回は全くそんな気持にならなかった。
逆に、追い抜いていく人に頑張ってください!と声をかけていたぐらいだ。
そんな風に、俺が声をかけると「頑張りましょう!」と声をかけ返してくれる人がけっこういた。
そうか、お互い走っているんだから、「頑張りましょう!」の方が、いいなと思った。

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そして、ついに最後のトレイルを後にして、河口湖に戻って来た。
やっとここまで来れた。何とかなった。
あとはフラットな湖畔沿いを4キロ。
ここも、走ることなく1歩ずつ歩いた。
制限時間は間に合うことは分かっていたので、ゆっくりと踏みしめるように歩いた。

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走れなかったし、走る気にならなかった。
心はとても平静を保っており、とても安らかな気持になっていた。
朝の河口湖はとても静かで穏やかだったが、それと同じような心理状態だった。

From UTMF2012心折れ部&金環日食
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ゆっくり歩いていると、モガミックスさんとカワムーさんが心折れ部の旗を持って来てくれた。
先にゴールしている他の仲間も、走って来てくれた。
旗を受け取り、凱旋ゴール。
なんだか優勝したようなヒーローになったようだった。
ゴールではハイタッチをしながら、旗を振り、フィニッシュゲートをくぐった。
すると、大会実行委員長である鏑木毅さんが出迎えてくれた。

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ただ、激しい喜びも、達成感も、悔しさも、ふがいなさも、勝ち負けも、涙も何もない。
自分でも不思議なくらい、そういった感情が沸き上がらず、安らかな気持になっていた。

もちろん、心折れ部やその他のトレラン仲間、大会関係者、ボランティアそれ以外の多くの方に感謝の気持は強く、特に心折れ部サポート隊のみんながいてくれてうれしかった。
ゴール後も、達成感が沸き上がる事はなく、近くの温泉に入り、飯を食べ、仲間のゴールを共に分かち合った。
やはり仲間っていいな、と強く実感する時間だった。

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心折れ部の全員が無事に完走すると、みんなでガッツリ肉を食べにいった。
レストラン コーナーハウスという、河口湖大池公園のすぐちかく。
ゴール後すぐに、みんな肉を食える何て胃腸が強いチームだ(笑
それにしても、ボリューム満天の美味しい店だった。

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ここで、東京へ帰る組みと河口湖周辺に泊まる組みで別れ、心折れ部のUTMFは終わった。
俺は会場すぐ近くの河口湖パークホテルへ荷物を置き、河口湖をぶらぶらと散歩した。
いくらでも食べられる状態だったので、夜は近くの「Cuisine R」で祝杯をあげた。
河口湖なのにちょっとおしゃれな店で、びっくり(笑
少し飲んだら、俺が眠たくなり、かつ話しをしていても会話が途切れるのでかえって寝ることに。
会話の途中で、いきなり関係ないこと(仕事のことなど)を話していた。
今の目の前と脳の中で日々考えていることがぐちゃぐちゃになっていて、仕事の話しを突然していたようだ。
宿に戻り、すぐに寝た。ぐっすりと。
人の一生を早送りで経験したような、究極のやすらぎに至るまでの41時間49分4秒はこうして終わった。

翌朝、起きると金環日食。
あいにくの曇り空だったが、河口湖の湖畔から見ることが出来た。
太陽が欠けていき、細い線になったときはとても衝撃をくらった。
天体って神秘的で、こうした偶然が起きるのって素敵だなとつくづく思った。
こうした、天体の神秘をUTMFを完走して、河口湖でゆっくり見られて幸せだった。

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そして、電車に乗り東京へと戻った。

後から振り返ると、なんだか久しぶりに忘れ物をした旅だった。
富士山1週していたどこかで大きな忘れ物をしてしまったんだとゴールしてからしばらくたって気がついた。
東京から岐阜をめざして歩いたときも忘れ物をして、もう一度やり直そうと今も思っている。
具体的に何かを忘れた訳でもなく、明確な思いを置き忘れた訳でもない。
けれど、もう一度やらなければスッキリしない、何かを忘れて来た。
だから、富士山ぐるり100マイルはいつの日かもう一度やるだろうと今は思っている。

◆結果

ULTRA-TRAIL Mt.FUJI【UTMF・STY】
開催日:2012年05月18日~2012年05月20日
開催地:山梨県山梨県・静岡県
大会レポ
氏名: 寺町健
ナンバー: 208
種目: UTMF男子
タイムリスト この記録・順位は速報(参考記録)です
測定ポイント スプリット ラップ 通過時刻 通過順位
AS1 02:14:20 17:14:20 211
AS2 04:55:14 2:40:54 19:55:14 152
AS3 05:59:03 1:03:49 20:59:03 153
AS4 08:51:32 2:52:29 23:51:32 153
AS5 10:45:51 1:54:19 01:45:51 146
AS6 11:50:02 1:04:11 02:50:02 136
AS7 13:48:17 1:58:15 04:48:17 149
AS8 18:58:34 5:10:17 09:58:34 171
AS9 31:23:22 12:24:48 22:23:22 222
AS10 35:27:07 4:03:45 02:27:07 206
Finish 41:49:04 6:21:57 08:49:04 309

UTMFの思い出~写真編~

トレランの時はいつもコンデジを持って走る。
防水機能&耐衝撃のカメラなので、気軽に持って走っている。

今回は、いつものカメラに加えてGoProというカメラを持って走った。
持ってと言うよりも、頭にヘッドライトのようにつけて。

このGoProは小型・防水・防塵ビデオカメラでもちろん写真も撮れる。
アウトドアスポーツやウォータースポーツで使われ、広角の面白い画像が撮れるのが特長。
テレビ局なども使っており、品質も確かなのだ。

今回は、昼間はGoProを頭につけて、気が向いたらシャッターを押していた。
自動的にインターバル撮影も出来るのだが、電池の関係で今回は手でシャッターを押していた。

前置きが長くなったけれど、UTMFの写真。
全部で600枚か700枚ぐらい撮った一部。

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長いレースだから河口湖に前泊。夜中は大雨も降ったが、朝は青空ただ、東京よりもひんやり。

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避暑地な感じがする河口湖。

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遅めにチェックアウトして会場に移動。受付を済ます。荷物チェックは厳しかった。

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青い空とUTMF…

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こんなフィニッシュゲートを見ると、モンブランを想像する。

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フィニッシュゲートでパシャリ。

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荷物の準備。最終チェック。

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心折れ部ここにあり。

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心折れ部勢揃い。

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鏑木毅さんの挨拶。

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いよいよスタート。

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心折れ部の仲間とともに。

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さっそく沿道で応援してくれた。

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河口湖大橋を渡る。

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しばらくした農道にグレゴリーの友達が。

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トレイルへ。

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さっそく富士山が見え、ほっとする。

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ドカーンと富士山。

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外国の選手もちらほら。

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新緑が美しかった。

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1Aでは心折れ部サポート隊が。

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レース中はオレンジがうまい。

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陽が沈み。

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富士山が染まる。

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杓子の山頂で富士山と。

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1日目の夜。闇の中を走る。

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夜景なんぞも。

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山中湖のエイドでは団子汁

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派手派手な歩道橋

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すばしりエイド

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夜に備えてコーヒー。でも水で溶かしたらもちろん溶けず粉と水を飲むw

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太郎坊エイド

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このエイドでは友達にストレッチをしてもらう。

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朝がやって来た

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こどもの国に到着

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まだまだ半分

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富士山でかい

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ここでも心折れ部サポート隊に会えた

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ストックをデポで取り、スタート

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富士山でかい

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朝になると緑が映える

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2日目の朝、西富士中学。ここでマッサージ

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恐ろしいと言われていた天子山地へ。

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ひとつひとつピークを落としていく。トレイルは滑り、石はゴツゴツ。下りの段差は大きい。下りが辛過ぎた。本当に。

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なんとか毛無山に。ここからも長かった。。。

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雲に浮かぶ富士山

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本栖湖スポーツセンターについた時がもっともホッとした。うれしかった。そして、心折れ部のサポート隊が迎えてくれた。

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まるで野戦病院といわれたこの第9エイド

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夜のトレイルへと戻っていく。

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耐える時間が続く

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富士の樹海や鳴沢氷穴を歩きながら、2日目の夜をやり過ごすと朝にはSTYを走る友達にばったり。

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そして、また富士山

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河口湖が見えたらもうゴール

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長かったトレイルに別れをつげ、最後の4キロは湖畔を。

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おだやかな河口湖は自分の心境とシンクロした。

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まるで優勝(笑

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富士山を1週100マイル。同じ場所に戻って来れた。

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鏑木さんがゴールで迎えてくれた。

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心折れ部のみんなも続々ゴール。なんと全員完走!

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いい仲間と楽しめた。

UTMFの思い出~心折れ部~

UTMFが終わり、すでに何日も経った。
記憶の中でもしばらく前の過去のことになっている。

ゴールした直後も沸き上がるような喜びや成し遂げた感じはなかったが、しばらくたった今でもその状況は変わらない。
昨年の佐渡島トライアスロンや信越五岳トレランの後の方が、よっぽど感情が高ぶっていた。
それよりも2倍以上、トライアスロンと比較したら3倍以上の時間を経てゴールしたにも関わらず。

おそらく、今回の42時間を通して自分の中で何かが変わったのだと思う。
ひとつの出来事で、明確に変化することは少ないし、かなりの時間がたち振り返ってみると、あの時が変化のポイントだったということがあるけれど。
何がどう変わったかを、今ここではっきりと、自分の中でも整理することが出来ないが、その変化を自分の感覚が感じとっている。

ただ、楽しさ、うれしさというものは大きかった。
何かと言えば、仲間の存在だ。
これにつきる。

From UTMF2012心折れ部&金環日食

2日目の朝から晩まで12時間以上もかかった天子山地。
かなりハードな行程だったけれど、ここを降りた時に真っ暗闇の中から「テラマックスだー、テラさん、ケンちゃん、よくきたね。」と声が聞こえた元気になった。
魂が蘇った。そこでリフレッシュして、残りの27キロを進むパワーが出た。

さらに、その後、数百人に追い抜かれた。
今までレースでこんなにも多くの人に抜かれることはなかった。
シングルトラックだと後ろから煽られたり、嫌な気もしたが、すぐに違う気持となった。
知らない人でも、「あと少し、ファイト」「一緒に頑張りましょう」などと、声をかけてくれた。
そんな抜いていく人の中には、仲間もたくさんいた。
心折れ部の仲間には何回も会って、声を掛け合った。
そして、インドで会い初めてハセツネに一緒に出た親友にも会った。

ゴールでは、心折れ部の仲間が待っていてくれて、旗を渡してくれて、一緒にゴールを分かち合った。
ただただ、仲間の存在がうれしかった。ありがたかった。

UTMFのコースからは綺麗な富士山が何度も見えた。
朝日を浴びる富士、夕日を浴びる富士、青空に映える富士、雲海に浮かぶ富士。
さらに、1日目の夜は満天の星空だった。とっても美しくて、空を見上げた。
トレイルもシングルトラックもあれば、砂利道も、ロードも、急な坂も、いろいろあった。
でも、それらはあまり強い記憶ではなく、仲間の存在が42時間を通して一番の記憶となった。

From UTMF2012心折れ部&金環日食

俺が山を走りはじめ、数年間はずっと1人で走っていた。
走る友達がいなかったから大会に行っても、誰とも話さずレースを走りそのまま帰る。
練習も1人で山に行って、走って帰る。
それを数年間ほどしていた。
まあ、続いていたから、本当に山を走ることが好きなんだろう。

From UTMF2012心折れ部&金環日食

でも、この1、2年は仲間が出来た。
「心折れ部」というとても素敵な仲間。
個人的にも自分の性格にもあったチームだし、みんなお互いに合っているのだと思う。

「Alone Together」というチームの言葉。
走るのは一人だけど、同じトレランをする仲間として心は一緒。そんな感じ。
心折れ部の人は、みんな人に頼ることなく、一人一人でも自分だけで成り立つ独立した存在。
だから、心折れ部以外のトレラン仲間からは、心折れ部は自由だとか、バラバラだとか冷たい(笑)とか言われたりもする。
でも、そんな独りで歩ける人が集まっているから、馴れ合いな感じはなく、でも楽しむ所は一緒に楽しんで助け合ういいチームになっていると思う。

そして、Tシャツや旗をデザインしてくれている渋井さんが言っていた「トレランはそもそも趣味なんだから楽しいこと。でも、その趣味をもっと楽しくするのが心折れ部」と。
この考え方は、すっごくいいなと思う。俺はどんなことでも、楽しもうと思う性格なので、楽しいことをさらに楽しくなんてコンセプトには、とても共感するし、素敵な発想だなと思った。
Tシャツには「Brave to Enjoy(楽しむ勇気を)」という鏑木毅さんの言葉も書かれている。

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と、こんなことを改めて気づかせてくれたのが、俺が走りはじめた頃からよく知っている友達からのメール。
初めてハセツネを出てボロボロになり、その後も1人で走り続けていた、そんな頃もしる友達。
そんな友達が、UTMF完走後にメールをくれた。

「仲間ができたのは、ちょっと前とは大きな違いなんだろうね。写真の笑顔を見ているとそんな気がする」

ああ、そうなんだ。
やっぱり、心折れ部の存在は本当に大きいんだなと実感した。
と同時に、一番好きな写真家である星野道夫さんの言葉を思い出した。

===

「いつかある人にこんなことを聞かれたことがあるんだ。
たとえばこんな星空や泣けてくるような夕陽を一人で見ていたとするだろう。
もし愛する人がいたら、その美しさやその時の気持ちをどう伝えるかって。」

「写真を撮るか、もし絵がうまかったらキャンバスに描いて見せるか、
いや、やっぱり言葉で伝えたらいいのかな」

「その人はこう言ったんだ。自分が変わってゆくことだって…。
その夕陽を見て、感動して、自分が変わってゆくことだって思うって。」

星野道夫「旅をする木」

===

星野のさんの言葉は、ターニングポイントでいつも心にすっと入ってくる。
そして星野さんの言葉は、何も意識せず通りすぎてしまった大切な場所を思い出させてくれる気がする。
こうして、UTMFのことを雑文のような日記で書き留めることにも似た感じがします。

From UTMF2012心折れ部&金環日食
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UTMFの思い出~装備・食料編~

UTMFの思い出~装備食料編~

これは次のUTMB(ウルトラトレイルモンブラン)に向けての自分に向けてのメモです。

◆今回学んだことUTMBに活かすこと

・禁酒は2日前からで良いが、自分の覚悟と納得のために1週間以上はする
・2週間前からカフェイン抜き
・眠たくなったらカーボショッツのカフェイン入り
・眠たくなったら音楽を聴いて1人カラオケ
・2日寝ないで走ることは可能
・ただ、幻覚などみえたら危険なので仮眠をする
・サバイバルシートは小さいのに暖かく便利な必須アイテム
・パタゴニアのキャプリーン2の長袖は軽く暖かく非常に良い
・スマートウールの靴下は蒸れなくていいが、1回で穴があいた。爪を切ってやすりをかける必要がある。
・パンツは丈が長いと尻に食い込まなくて良い
・短パンはポケット付きが便利
・尻が擦れるので、ワセリンをしっかり塗る
・荷物は軽い方がいいが、楽しむためのカメラや予備食料は必須
・GoProのカメラは非常に面白い映像が撮れて楽しい。ただ充電が持たないので予備バッテリーを買う
・GoProも夜間撮影には弱い。また、手動でシャッターを切れば30時間以上持つ。
・デポのポイントで昼間でも新しい電池に交換すると良い
・パフ(薄いネックウォーマーは帽子にもなり便利)はヘッドライトをつけている時に便利
・雨が降ったらメガネに水滴がつきにくいので帽子が良い
・エイドにいる仲間やすれ違う仲間の存在は力をくれる
・エアサロンパスは常に持ち歩く
・レース直前まで寝るorリラックス
・ストックはかなり重要で足の支えになる。
・明るいヘッドライトがあればハンドライトはいらないので、夜間でもストックが持てる
・前半に飛ばしすぎなければ、後半でも走れる足は残っている
・登りは小刻みに登ると負担は少ない
・ストックを有効活用すると、疲労がたまらない
・足の裏から上にテーピングするとアーチが落ちない
・固形物は食べた実感があり、満たされる。かさばらない固形物。ハニースティンガーワッフルがうまい
・胃腸がやられていなければ、無理のない程度にカレーやハンバーガーなどを食べても大丈夫

◆必須装備
ナンバーカード配布時にチェックされた必携品は、その後変更してはいけません。装備の総量はスタートのとき、そしてエイドステーションを出るときに2㎏を超えること。そしてコース上すべての場所において1㎏以下にならないこと。
(1) コースマップ、コンパス
(2) 携帯電話(大会事務局の電話番号(ナンバーカードに明記)を登録し、番号非通知にせず十分に充電すること)
(3) 個人用のカップもしくはタンブラー(150cc以上)、ビンは不可。
(4) 1ℓ以上の水(スタート時および各エイドステーション出発時)
(5) ライト2個(動作確認済)、およびそれぞれの予備電池
(6) サバイバルブランケット
(7) ホイッスル
(8) テーピング用テープ(包帯、ストラップになるもの。80センチ×3センチ以上)
(9) 携帯食料
(10) 携帯トイレ
(11) レインウェア(山岳の悪天候に対応できる防水性を備えたもの)
(12) 足首丈のランニングパンツ(長ズボン)、あるいは膝の隠れる丈のレギンスやタイツ
(13) 熊鈴
(14) ファーストエイドキット(絆創膏、消毒薬など)
(15) 保険証
(16) 配布するナンバーカード、計測用ICチップ(両足に装着)
(17) 配布される蛍光テープ(夜間走行の車輌から認識されるよう、ザックなどにつけること)

◆持って走った物
ザック サロモン SKINPRO14+3L
カラビナ
薄いタオル
ストック ブラックダイヤモンド Zポール ウルトラディスタンス
GoProカメラ
コンパクトデジカメ
財布と携帯電話を入れるビニル袋
携帯電話(スマホ)
携帯電話の充電池
財布
地図
腕時計
バンドエイド
ポイズンリムーバー
高低差表と予想タイム
コンパス
トイレットペーパー
ハイドレーション水(1.2L)
予備のペットボトル500ml
カーボショッツジェル(カフェイン入り)
ハニースティンガー ジェル
ハニースティンガーワッフル
エネジーグミ(パワーバーとかハニースティンガーのグミ)
パワーバー
SOYJOY
カントリーマーム
アミノバリュー
アミノバイタルの粉
カーボショッツ タブレット
MUSASHIの粉
メダリストの粉
塩熱サプリ
VESPA
ニューハレ予備
ヘッドライト×2(ペツル、ジェントスヘッドウォーズ)
ハンドライト(ジェントス 閃)
替えの電池
カメラ(コンパクトデジカメ、GoPro&ヘッドセット)
GoProの予備電池
エアサロンパス
iPod
サバイバルブランケット
携帯トイレ
熊鈴
折りたたみのコップ

◆服装
ファイントラック ノースリーブスキンメッシュシャツ
コンプレッション半袖
アームカバー
心折れ部Tシャツver3
長袖 パタゴニア キャプリーン2
レインウェア上着 モンベル トレントフライヤー
レインウェアズボン モンベル バーサライトジャケット
パンツ(ユニクロ エクササイズパンツ 丈が長くて尻に食い込まない)
タイツC3fit
ズボン ニューバランスの黒
スマートウール靴下
トレランシューズ モントレイル マウンテンマゾヒスト
帽子(メロウズ)
パフ(ネックウォーマーにも)
手袋 (ナイキ ランニング用速乾性)
念のためコンタクト

◆デポしたもの
ハサミ
ニューハレ
ワセリン
着替え(防寒着や靴下、雨のときのためにシャツなど一式全て)
替えの靴 ノースフェイス シングルトラック サイズ大きめ
タオル
ポイズンリムーバー
コンタクト
メガネケース
エアサロンパス
シップ
歯ブラシ
花粉症薬(飲み薬、目薬、点媚薬)
食料(ジェル、塩、アミノ酸、固形物、水など一式全て)
ストック
カメラの電池
予備のヘッドライト

◆結果
ULTRA-TRAIL Mt.FUJI【UTMF・STY】
開催日:2012年05月18日~2012年05月20日
開催地:山梨県山梨県・静岡県
大会レポ
氏名: 寺町健
ナンバー: 208
種目: UTMF男子
タイムリスト この記録・順位は速報(参考記録)です
測定ポイント スプリット ラップ 通過時刻 通過順位
AS1 02:14:20 17:14:20 211
AS2 04:55:14 2:40:54 19:55:14 152
AS3 05:59:03 1:03:49 20:59:03 153
AS4 08:51:32 2:52:29 23:51:32 153
AS5 10:45:51 1:54:19 01:45:51 146
AS6 11:50:02 1:04:11 02:50:02 136
AS7 13:48:17 1:58:15 04:48:17 149
AS8 18:58:34 5:10:17 09:58:34 171
AS9 31:23:22 12:24:48 22:23:22 222
AS10 35:27:07 4:03:45 02:27:07 206
Finish 41:49:04 6:21:57 08:49:04 309

UTMF完走の感想

世の中とは、考えていたこととは全く違うことがよく起こるもので、だからこそ面白い。

今年の本命レース2つのうちの1つであるUTMFを前に、こんなことを書いていた。

「いざUTMFへ~人生で一番の歓喜と興奮を~」

しかし、走り終えるころには喜びも、達成感も、悔しさも、ふがいなさも、勝ち負けも、涙も何もない。
自分でも不思議なくらい、そういった感情が沸き上がらず、安らかな気持になっていた。
大海原のど真ん中で、完全に凪ぎの海にいるような、大きく安定感のあるやすらぎだった。

ゴール直後に、感じたままをこんな風につぶやいた。

「UTMF ゴール。喜びとか達成感とかなく、安らかな気持ち。不思議だけど、なんとなく分かる気もする。」

すると、友達が教えてくれた。

「ニルバーナ(ニルヴァーナ)」という仏教概念。

どんな概念だろうと思って、wikipediaに聞いてみた。

以下、wikipediaより引用

「涅槃(ニルヴァーナ)は、「さとり」〔証、悟、覚〕と同じ意味であるとされる。しかし、ニルヴァーナの字義は「吹き消すこと」「吹き消した状態」であり、すなわち煩悩(ぼんのう)の火を吹き消した状態を指すのが本義である。その意味で、滅とか寂滅とか寂静と訳された。また、涅槃は如来の死そのものを指す。涅槃仏などはまさに、死を描写したものである。「人間の本能から起こる精神の迷いがなくなった状態」という意味で涅槃寂静といわれる。」

なんだか、こんな感じ。
人間の心理と言う物は、お釈迦様もお坊さんも、そこらへんにいる人(俺も)行き着く先はたいして変わらず、同じようなことを究極の所では感じるんだなと思った。

走っている最中は、こうした安らぎのいきつく先が死なんだろうと思った。
老衰のような死と近しいのだろうと思う。
喜び、悲しみ、痛み、体の機能不全、そんなことが起こった後、何事もなかったかのように訪れるやすらぎ。
まるで、究極の美のような安らかな終わりのあり方。

なんか、怪しくなったのでこの辺で止めます(笑)
別に何か怪しい宗教に入った訳でも何でもないですが、走っていて感じたことそのままでした。

また、詳細は書きます。
とか言って、最近あまり書き残せてない。
書くのは好きだから、時間とろうと思います。

From UTMF2012心折れ部&金環日食
From UTMF2012心折れ部&金環日食

ULTRA-TRAIL Mt.FUJI【UTMF・STY】
開催日:2012年05月18日~2012年05月20日
開催地:山梨県山梨県・静岡県
大会レポ
氏名: 寺町健
ナンバー: 208
種目: UTMF男子
タイムリスト この記録・順位は速報(参考記録)です
測定ポイント スプリット ラップ 通過時刻 通過順位
AS1 02:14:20 17:14:20 211
AS2 04:55:14 2:40:54 19:55:14 152
AS3 05:59:03 1:03:49 20:59:03 153
AS4 08:51:32 2:52:29 23:51:32 153
AS5 10:45:51 1:54:19 01:45:51 146
AS6 11:50:02 1:04:11 02:50:02 136
AS7 13:48:17 1:58:15 04:48:17 149
AS8 18:58:34 5:10:17 09:58:34 171
AS9 31:23:22 12:24:48 22:23:22 222
AS10 35:27:07 4:03:45 02:27:07 206
Finish 41:49:04 6:21:57 08:49:04 309