日別アーカイブ: 2011/10/30 日曜日

【PNG9】偶然の出会いに流されて

前回の旅日記はコチラ【PNG8】隣の島は違う島~花びらひとつで華やかに~

朝、目を覚まし、オヤジにお礼を伝えて島を出た。
船着き場がどこか分からないので、適当に海沿いにいたら船が拾ってくれた。

送信者 パプアニューギニア2011
送信者 パプアニューギニア2011

マダンに着くとやることが本格的にない。
この周辺にあと2日はいないといけない。
しかし、全くやることがない。
どうしようかと思って、ガイドブックのLonelyPlanetをひらく。

すると、ツアー会社が1軒だけあった。
しかし、マダンリゾートという高級ホテルの中にあるらしい。
ツアーに参加する予定は全くなかったが、よい行き先を聞けるかもしれないと冷やかしにでかけた。

送信者 パプアニューギニア2011

このマダンリゾートの敷地内に入ったが、ツアー会社なんて見当たらない。
ホテルのスタッフに聞くと、裏の方にあると言う。
行ってみると、ホテルの裏口の方にあった。
看板とかも出ていない。ここはホテルが持っているツアー会社で外部の人向けのツアーというよりも、ホテルに泊まった人にツアーを提供している会社だった。

冷やかし様がないし、予約はここではなくホテルのフロントですると言う。
ちょっと話して、ツアーが2種類あるけど、2人からだよと言われた。
ああ、まあいいやと思ってツアー会社を後にしようとドアを開けた。

すると、バイクに乗った東洋人らしき人がツアー会社に入って来た。
ホテルのスタッフが「Hi, Kazuki!」と言った、
えっ、カズキ?日本人か?いや、そんなはずはない。
ここはパプアニューギニアなのだから。

と思ったら、日本人だった。
話しを聞いたら青年海外協力隊でパプアニューギニアの観光局に努めていると言う。
ただ、日本人がこの町にくるときは、マダンリゾートに来てツアーなどをアレンジしたりしているという。
年間に200~300人ぐらいの日本人がマダンに来るらしいが、日本人はほぼ100%マダンリゾートにしか泊まらないらしい。
厳密には99%ぐらいだとか。まあ、だからここで働いているんだよと話していた。

今まで旅をして来て青年海外協力隊にあったこともなかったし、10月から友達がエクアドルに青年海外協力隊で行くことになっていた。
こんな機会もないし、カズキさんも面白そうな方だったのでいろいろ話しをしたいなと思い、ツアーに申し込むことにした。
参加者は俺1人だけで、半日ツアーで180キナ(7200円)!
普通なら絶対にこんなツアーに参加しないが、カズキさんも一緒に来てくれると言うので、いろいろ話しが出来るし面白そうなので、そこにお金を払ったような感じ。

ツアーは午後からで、とりあえず昼まで暇つぶし。宿も決まっていないので、これから探すけどいいところ知らないか?と聞くと、電話して予約までしてくれた。
2日間マダンに泊まる予定だったので、同じ宿で連泊したかったが、安い割に一番良いCWAゲストハウスが1日目が満室だったので、1日目はルザランゲストハウス(95キナ)、2日目はCWAゲストハウス(85キナ)を予約してくれた。値段もそんなに高くないし、ラッキー。

ついでに、1人で宿まで行くのは危険だからといって、わざわざ宿まで送ってくれた。今まで、さんざん1人でほっつき歩いていたのでなんだか不思議だったが、ありがたく連れて行ってもらった。
ルザランゲストハウスはルターゲストハウスということらしく、キリスト教系のゲストハウスだった。今までパプアで泊まったどの宿よりも清潔で広くて安全そうな場所だった。さらに、立地する場所は高級住宅街のど真ん中。いやー、これはびっくり。ホットシャワーもいつでも使い放題。なんだか、セレブな感じ。

送信者 パプアニューギニア2011
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日本人に合うので臭いと申し訳ないと思い、久しぶりのホットシャワーを浴びたり、服を着替えた。そんな事をしていたら、もう昼になったので、飯を食べに出かける。と、その前に、住宅街をぶらぶら。海岸沿いに行くと海に面した広場に大きな塔がたっていた。なんだかこぎれいな町だ。その後はまた同じ店で食べる。そして、マダンリゾートに行って、ツアースタート。翌日もやることがなかったので、マダンリゾートに併設するアドベンチャーダイビングと言う店でとりあえずダイビングをする予約をした。さて、出発。

送信者 パプアニューギニア2011
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村巡りをする前に、運転手のビジービーが腹が減ったと言うので、露天に立ち寄る。暇なので、俺もビートルナッツ(ブアイ)を試した。にが渋い感じで、口の中の水分が全て吸い取られてしまう。うまくない。ブアイの実を噛む。唾液をすべて捨てて、マスタードの実を少しずつかじる。そこに石灰を乗せる。舌に着くとやけどするので、噛み砕いてぐちゃぐちゃになったブアイの上に乗せる。そして、噛んでいるとだんだんとオレンジ色に変色する。相変わらずまずい。飲み込めないし、唾液も飲み込む気にならないので、しばらく噛んで捨てた。

送信者 パプアニューギニア2011
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先に進むとBalek wildlife Sanctuaryという自然公園に到着。川にはうなぎがいた。この川は硫黄が含まれた温泉みたいな川。そこに大きなウナギが泳いでした。パプアのピジン語でもウナギというらしい。戦争の時に日本語が伝わったのかな?近くの家の子どもがよってきて、一緒に遊んだ。それにしても、パプアニューギニアには子どもが多い。一緒に来てくれた青年海外協力隊のカズキさんに、聞いてみると平均年齢は19歳と言うから驚きだ。子どもが多いのが最も大きな理由だが、寿命も日本のように長くなく60歳ぐらいからだとか。

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子どもがパパイヤ取ってあげると言うので、「お願い」と言うと、輪っかにした木のツルを足首につけて木登り。そして、パパイヤをもぎ取って降りて来た。本当に食べ物が豊かな国だ。ビックリ。さらに枝とかが出てない、すっらっと伸びる木に、輪っかひとつで登る何てことにも驚き。俺もチャレンジしてみたが、無理だった。小さい頃からの鍛え方が違うんだな。それから、木の長いツルに捕まってターザンみたいに遊んだりと楽しんだ。

送信者 パプアニューギニア2011
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また、移動して芝生がキレイに刈り取られている村に。大きな道路から少し中に入った所にこの村はあった。パプアとは思えない綺麗さ。その綺麗さは都市化されたと言うのではなく、自然の中で芝生がキレイに整えられ、家もこぎれいにされていると言うこと。なんだか、異空間に来てしまったかのような不思議な感覚に。ここはハヤ村というらしい。観光客のツアーで立ち寄るから綺麗なのかなとおもったら、もともと綺麗な村だったので、ツアーでも訪れるようになったのだとか。

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家にお邪魔するとニューバランスのシューズ「ミニマス」が干してあった。あれっと思って聞いたら、ミニマスは裸足感覚のランニングシューズで、PNGの野生っぽさとマッチするから、このイベントでここを走ったのだとか。友達の裸足ランナーの山田さんとか高橋さんがこの企画をやっていたとは聞いていたが、まさか同じ村に来るとは。驚いた!

送信者 パプアニューギニア2011
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何軒かの家をお邪魔して、ココナッツの内側の白い部分を削ってココナッツオイルを作ってみたり、シンシンでペイントに使う赤い実を見せてもらったり。腹が減ったと思ったら、そこら中に果物がある。バナナをもぎ取ってくれたり、通常の3、4倍の緑色したグレープフルーツみたいな物も、長い棒でつっついて落として食べさせてもらった。柑橘系のフルーツは久しぶりに食べたので、瑞々しくて酸っぱくてとても美味かった!かなり大きいのに1人で食べ尽くした。そうしたら、おばちゃんがお土産に持っていきなとさらに大きいのをくれた(笑

送信者 パプアニューギニア2011
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さらに、ヤムイモ、タロイモ、バナナ、カウカウ(サツマイモ)と菜っ葉を煮込んだものを食わしてもらった。日常的にはこんなイモの煮込みを食べているらしい。ふと疑問がうかぶ。イモしか食べていないのに、パプアの人はスゴくマッチョだ。筋肉隆々だ。なぜか聞いてみたら、パプアのイモには日本の4倍のタンパク質が含まれているとか。テキトーなパプア人の言うことはどこまでが本気でどこまでが冗談かは分からないが、ちょっと信じてしまうほどだった。

送信者 パプアニューギニア2011
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ゲストハウスへ帰る道ではいろいろ話した。運転手のビジビーには、パプアの人は経済発展と自然の恵みを享受する暮らしとどちらを求めているのかと聞いてみた。人に寄って答えは違うのは承知で。すると、山岳地帯の人は経済発展を求め、海沿いの人は現在のような自然の恵みを受けて生活したいと思っていると話してくれた。それは、海沿いが果物など食べ物がとっても豊かだからなんだろう。

カズキさんには青年海外協力隊にくるに至った背景を。学生時代は旅をして、旅行会社に就職したがしっくりこなかったとか。世界の観光に関わる仕事をしたいとパプアの観光協会に入って仕事をしているが、なかなかパプアの人の価値観と日本の価値観は違い苦労をしていると話してくれた。

ルザランゲストハウスまで送ってくれて2人と別れた。日記や絵はがきを書いていたら、歌声が聞こえて来た。真っ暗な夜で危険かなと思ったが、近くならと思って出かけることに。すぐ近くの家の庭で皆が歌っている。聞いてみるとキリスト教のフェローシップという儀式?だという。キリスト教に関しては全く詳しくないので分からない。キリスト教の文化圏にもあまり言ったことないし。まあ、みんなで集まって行うお祈りみたいなもんだろう。

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それぞれが立ち、踊りながら歌う。「ハレルヤ」とか「ジーザス」とか自由に叫ぶ。仏教とは異なる宗教だし、こうした違いが人間のメンタリティにも影響を与えているんだなーと実感。まあ、人間のキャラが先か宗教が先かは鶏と卵の話しだし、相互に作用し合っているのだろう。そして、宗教もその土地にあったように少しずつ変わっている感じが伝わって来た。

イスに座りながら眺めていた。偶然にもこんな会に参加して、自分は偶然に寄って、そして一瞬一瞬の経験によって作り上げられているんだなーと実感した。特に日本での日常ではこんな機会はないので、旅の中で出会う想像もしないことは自分を形作る大きな影響要因のひとつだなと思い、旅に育ててもらったなと。今回の旅も終わりに近づき、旅にありがとうという気持が沸き上がって来た。