日別アーカイブ: 2010/7/7 水曜日

報われると同時に自分に言い訳できないこと。

草稿状態のままになっているブログの記事が700弱ある。そんな中から今の気持に一番しっくりくる文章を引っ張りだして書き直すことが多い。今回もずっと前に書きかけて放置してあった文章を、加筆した。先日のレースでの自分の情けなさから考えたことを踏まえつつ。

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4年ほど時代遅れなんだけれど、トリノオリンピックで荒川静香さんが金メダルを取った後に演技したフィギュアの映像を見た。itokisyaさんのツイッターで拝見したのがきっかけだ。そんなことで、今日はオリンピックにあやかって、スポーツについて考えることを徒然と。

今回スポーツと言っているのは、なんらかのルールに基づいて競うことだ。そこには勝敗や順位というものが付随する。山登りは趣味の領域だが、制限時間とスタートゴールがあるトレイルランニング(山走り)大会はスポーツの領域だ。具体的に僕が出場しているのはマラソン大会であり、トレイルランニングの大会である。

僕がスポーツを始めたのは23歳からだ。それまでは旅をしたり趣味で山登りに行ったりはしたが、スポーツは全くしてこなかった。小学校のクラスで言えば運動神経の鈍さはクラスで5本の指に入るほどだった。だからこそ体育祭は好きではなかったし、運動する人のことを冷めた目で見ていた。そんな少年時代を過ごし、大人になった。だから、運動神経が良いはずがなく、今でも周りの人と一緒にスタートしてもどんくさい。

スポーツを始めた時には既に大人(中身は子供だが、社会的な基準で大人)であった。だから努力したからといって、その全てが結果につながるわけではないことを知っていた。そんなこと大人になるまで生きてこれば、みんな知っていることだ。中学時代にいくら勉強しても点数は伸びなかったし、大学では志望校に落ちる。いくら熱心に伝えても理解してもらえない事もあるし、考えて時間をかけた仕事が失敗することもある。一方で、特に努力もしなかったのにトントン拍子にうまく行く事だってある。もちろん、こんな事ばかりではなくて努力が結果に結びつく事だってたくさんあるのも事実なのだけれど。

でも、混沌としたこの時代は誰しも報われたい気持ちがどこかにあるだろう。高度経済成長期であれば夢を見られたかもしれないけれど、今は先がどうなるか見えないからこそ、自分がやった事に対して報われたい気持ちが生まれる。(まあ、高度経済成長というものが本質的に夢があるかは別な話しとして。)走るという行為はどちらかというと報われやすいスポーツだ。サッカーや剣道などのようにテクニックが必要なわけではなく、かつ個人でできる競技だからだろう。どんなに運動神経が悪くても、走り続ければ少しは早くなる。自分が練習したことが結果として見えることの喜びを感じ、次への原動力となる。大人が走ることを好む理由のひとつだ。

このように目に見える形で報われる一方で、アスリートは言い訳はできない。自分がトレーニングし、積み上げてきたものが、そのまま出るからだ。天候も体調も精神力も運も含めて結果が出る。自分が生み出した結果に、どんないい訳をする事も出来ない。言い訳なんてしたって、余計に自分が情けなるだけだ。

目の前の1歩が全てなのだ。勝負をしている際に、過去も未来もない。今しかないのだ。疲労困憊の状態になって、もう無理だと思った時に一歩進むか、止まるか選択肢はどちらしかない。じゃあ、なんとかこの1歩だけ進もう。とりあえず1歩だけ。これで、全てが成り立っている。現実問題として、この一歩が本当に限界であることだってある。ただ、この1歩を前に進めたかどうかで、自分の気持の後味に大きな差が出る。

世界一になるとか、大会で優勝するといった事は市民ランナーにはない。むしろ自己目標がそれにあたる。フルマラソンで4時間を切るだとか、100キロマラソンを完走するだとか、自己ベストを更新すると言った具合だ。そんな目標は日々の練習から生まれてくるものであり、憧れや夢に繋がっている。僕も自分がチャレンジしようと思って出場する大会は、自分なりの目標をいつも設定する。

だからこそ報われたい気持ち、なんとかして結果を出したい気持ちが強くなる。勝つ喜びと、負ける悔しさを知って、負けず嫌いな勝負師になっていく。

と、こんな事を書いたけど、もっとも強い感情という物は、やっていて楽しい、ワクワクするからだ。ただそれだけだ。それ以外の理由なんてありやしない。

送信者 ドロップ ボックス

これだよ。まさに、これなんだよ。http://teratown.com/blog/2006/05/19/iaethuecieoae/
この一週間思っていたこと「走りたい」
生き物として抵抗しはじめたんだ
精神と肉体の同一化と空白の時間
辛くもあり幸せな表現の旅を終えて

あまりにも良かったので貼付け。
荒川静香さんが、トリノオリンピックで金メダルをとった後のエキシビジョン。
荒川さんの演技は純粋に美しい、あの滑らかさ、あのしなやかさ。
You Raise Me Up という曲も最高で、この曲の歌詞もいい。「あなたが励ましてくれるから山の頂きに立てる。」そんな歌詞。

Celtic Woman – You Raise Me Up

When I am down and, oh my soul, so weary;
When troubles come and my heart burdened be;
Then, I am still and wait here in the silence,
Until you come and sit awhile with me.

You raise me up, so I can stand on mountains;
You raise me up, to walk on stormy seas;
I am strong, when I am on your shoulders;
You raise me up: To more than I can be.
(repeat)

You raise me up, so I can stand on mountains;
You raise me up, to walk on stormy seas;
(stormy seas)
I am strong,(strong….)
When I am on your shoulders;
You raise me up: To more than I can be
(repeat)

You raise me up: To more than I can be.