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巡り合わせ 下田昌克さん

親から聞いたことがきっかけとなり知って、好きになった人はこの人だけであろう。

2006年03月19日、僕はちょうど中国一周の旅を終えようとしている日だった。それだから、もちろん日本のテレビを見ているはずはない。
なぜ、こんな突拍子もないことを言ったかといえば、この日の情熱大陸というテレビ番組で下田昌克さんが取り上げられ、親が見ていたからだ。ちょうど旅を終えた僕に、親が教えてくれた人が下田昌克さんだったのだ。お前と同じような場所を同じように旅をして、楽しそうに絵を描いている人がいるよ、と。絵を描いている姿が本当に楽しそうな人だったよと。両親は旅をしている僕と下田さんを重ね合わせるようにテレビを見ていたのだろう。

こんなことを親から聞いて、気になって調べた。すると、下田さんの絵とその笑顔に魅了されたのを鮮明に覚えている。そのとき「PRIVATE WORLD
」という絵を描きながら世界を旅した時の本を買おうとしたが、結局買わなかった。それからも、下田さんのウェブをたまに見て、展示にも行った。その時に少しお話しして、本当に笑顔が素敵だなーとつくづく思った。表情に人間性が溢れ出していた。この時も、「Private world」という本を買おうとしたけど、なぜだか買わなかった。

そして、今日。クリエイティブライティングという文章講座のゲストが若木信吾さんであった。当初の予定では藤原信也さんだったのだが、若木信吾さんの映画最新作「トーテム」の公開にあわせて、台湾から主役のトーテムと言うバンドのスミンが来日しているということで急遽ゲスト講師が若木さんになったのだ。スミンは台湾の自らの部族である阿美族の唄を歌い、それに続いて皆で合唱。ついには手をつなぎ輪になって、皆で踊りだす。とても楽しい時間で、スミンからじきじきに来週月曜のライブにきて一緒に歌おうと誘われるほど。

こんな楽しい場に、下田さんがきていたのだ。昨日までこの場所で原画展を行っていて、その撤収で。ついでにこの会に参加する下田さんと酒を飲みながら話した。もちろんスミンの唄にあわせて一緒に唄い、手を取り合って一緒に踊った。もちろん旅の話し、飯の話し、バリ島の話し、絵の話しなど様々な話題で盛り上がる。特に盛り上がったのは、子豚の北京ダック風の丸焼きについて。下田さんも食べたことないらしいのだが、旅の途中に子豚の北京ダック風の丸焼きが台湾にあることを聞き、アヒルよりも脂がのっていておいしそうと、ずっと食べてみたい一品なのだそうだ。それを聞いて、俺も絶対にうまいだろうなと、想像するだけでよだれが出そうになる。

そして、「Private world」が目の前の机にあり、それを手に取り、話しで盛り上がった豚の絵を描いてもらった。今まで「Private world」を買わなかったのは今日のためだったのかと思うほど。それにしても、楽しい時間だった。

過去には展示にも行った
http://teratown.com/blog/2007/09/30/aai-2/

絵描き
下田昌克 しもだまさかつ 38歳

2006年03月19日放送

絵描き・下田昌克、38歳。
いろえんぴつ。手書きの素朴さ。下田の描く絵はくったくがない。
放浪の旅2年間のスケッチを集めた「プライベートワールド」、水に生きるものを描いた絵本「そらのいろみずいろ」、山崎豊子・作「運命の人」の挿絵・・・などが代表作。しかし下田には、そんなたいそうな言葉があまり似合わない気がする。
しかし実際のところは超売れっ子で、本や雑誌の表紙、CDジャケットなど数多く手がけるのだが、偉そうな響きがある「画家」ではなく、自身を「絵描き」と呼んでいるのも、下田という人物を象徴しているようだ。
会社をクビになって放浪の旅に出た26歳のときから、下田の絵描き人生は始まった。最近は生計を立てられるようになったが、これから下田は「アート」と「仕事としての絵」との折り合いをどうつけていくのだろうか?
番組では、人生の岐路に立つひとりの絵描きの「いま」を見つめてみる。

語録

すごい誤解を招く言い方なんだけど
人は見た目なんだよね

ある意味、言葉なくてもいいことがあるから……
絵だと……
鉛筆1本あれば、紙とかなんでもあれば
そこで成立できるものだし

僕、意外とふつうの人なんだよ(笑)
だから、アーティストとか言われると困っちゃうんだよ
僕は、ふつうだよなぁ……