日別アーカイブ: 2008/12/15 月曜日

はじめて家に住み始めたのかもしれない

昨年12月15日に阿佐ヶ谷に引越した。
築30年の古い家。~~荘という名前が、それを物語る。
6畳、3畳、キッチン3畳、風呂、和式トイレ、押入れ2つ。
2階にあるこの部屋は日当たりも良く、落ち着く場所。

以前はめんどくさがり屋で、自炊もしなかったし、家で何かすることもなかった。
引越してから何かが変わった。
わざわざ銭湯に行くようになった、ご飯を炊いて、おかずも作るようになった。
近くの店に行き、店の人と仲良く話すようになった。
すると、その一つ一つが暖かく、楽しいことに感じる。
今までも一人暮らしを6年間もしていた。銭湯も近くにあったし、自炊だってできるすばらしいキッチンがある家にも住んでいた。でも、やらなかった。

阿佐ヶ谷の家が新築の家じゃないからなのだろうか。部屋に傷をつけても、問題にならない。退去するときの修理費を気にしなくていいからか。うん、それだけではないんじゃないだろうか。

友達がいる町だからか。それだけではない。確かに友達が何人も住んでいて、楽しい。良くあって話せるし、みんなで鍋もできる、銭湯もいける。

今まで暮らしていた家は、人が住んでいないような家、新築なのに廃墟。といわれていた。僕も愛着はなかった。一般的に言ったら新築で広くて最上階というところに住んでいたこともあるけど、そんなところと比べても今がいい。

この町とこの家、そして友達が僕に与えるゆとり。人間にとって住む場所というのは途轍もないことなんだと改めて気が付いた。

今までは、効率的視点だけで家選びをしていた。学校や会社に通いやすい場所。駅から近い。そして家賃。その条件だけだった。だが、今回の家は違う。今までより会社まで遠いし、家もぼろくなった。町と人に惹かれて、いつの間にか来てしまった。こんな家選びは初めてだ。

以前、この家には友達が住んでいて何度か来たことがあった。その友達が海外赴任になったので、僕がその次に住み始めた。以前この家に住んでいた友達を知っている人には、「家主が変わると家も変わるもんだ」と言われた。

さらに、以前の僕の家に来たことがある友達には、「人が生活している家になった」と言われた。

たぶん、そうなんだろう。今まで僕は家に住みながら住んでいなかった。一人暮らしをして7年がすぎ、阿佐ヶ谷でやっと僕は家に本当の意味で住むことをはじめたのだ。自分でもそう思う。

そして、あっという間に阿佐ヶ谷での1年が経った。