日別アーカイブ: 2008/12/11 木曜日

この「社則」、効果あり。柳澤大輔 祥伝社新書

この「社則」、効果あり。 柳澤大輔 祥伝社新書

面白法人カヤックの柳澤さんが書かれた本。いろいろな会社の「社則」を取り上げて、柳澤さんの考える会社とは何かということやカヤックの説明が書かれた本。

カヤックは素敵な会社だなと思う。どんな面白い制度であろうとも自分たちのスタンスに基づいていて、さらにそれを貫いて実行している、もちろん利益も出して会社として成り立っていて10年続いている。人の集まりって、組織って面白い。そしてカヤックは面白い。

本を通して、あらためて組織って人なんだなと思う。いくつもの組織を並列に見てみると、それぞれの組織にも個性ってあるんだなと、しみじみと実感。似たような制度でも、会社によって制度の名前が違ったり、運用のされ方が異なっている。そんな小さな制度の違いから会社の雰囲気はうまれている。制度ってのは決めたら、毎日変えるものではない。基本的にはその制度に従って、組織や人は動いていく。そうすると、いつの間にか組織には風土が出来上がる。組織に取って本当に制度は重要なんだな。

気に入った部分を引用

人の評価なんていうものは、環境が変わったり、評価する人が変わったり、評価軸が変われば、ガラリと大きく変化します。叱られても、上司の評価が悪くても、それは会社が決めたルールの中での結果にすぎません。ー中略ーなのに、それで一喜一憂して、悪い評価のために1日中どんよりなんて、本当にばかげた話だと思いませんか。P51

最初からダメだろうと思わずに、やってみる。とりあえずやってみて、疲れることだったらやめればいいんですから。そう思ってはじめてみてください。自分に合うことは人それぞれですが、自分をよくしようと思って、ひとつのことを続けることは重要です。p57

僕は「法」よりも正しいことはあると思っています。それよりも、まず自分の価値観で、何が正しいかを判断できる人間でありたいと考えます。P85

厳しく正確に評価し合うことが、お互いにハッピーな環境をつくるための方法でもあります。フラットで民主的な制度というのは、健康的な厳しさをもっているのでしょう。P95

一緒に何かをしたい仲間に出会えたから一緒にやろう。それだけでスタートしました。ー中略ーカヤックを表すキーワード「カヤックスタイル」のひとつ、「何をするか」より「誰とするか」になっています。P99

お金でもめることがないように、「お金よりも、もっと大事なことがある」と思わせてくれるような仕組みをつくることにしました。
「お互い努力しましょう」というスローガンのような曖昧なものではなく、年月を経て、状況が変化しても、出発点である「何をするか」より「誰とするか」が重要であることを忘れないようなもの。それを仕組みとして導入しておくことにしました。
そして生まれたのだ「サイコロ給」というルールです。P101
*サイコロ給とは月給×サイコロの出目%が月の給料となる制度

凡人ができること・・・それは、数をうつこと、継続すること。
そしてもうひとつ。(これが非常に大事なのだけど)それを、「楽しそうに」行うことです。P138

自分を知ること、自分を変えることをおそれるあまり、鈍感をよそおい、そしえ、鈍感をよそおっているうちに、本当に鈍感になってしまう人たち。P143

「ほんと、くだらないこと真剣にやってんなぁ」P174

人は変わるものです。法人も永遠に変わらないなんてことはありません。ー中略ー
どうなるかわからない、と言う人のほうがよっぽど信頼できる。それでも強く楽しくやっていける人としか働きたくない。
そう、人にも会社にもゴールなんてものはないのです。
ゴールがある。ここまでくれば楽になるーーーそんなふうに思うのはやめよう。
終わりのないゴールに向かって、人は1歩1歩進むべきなのです。
だからきっと、これで完璧なんていうルールも絶対にありません。一つひとつ作っていくしかない。P219

以前書いたこの本の短い感想。