日別アーカイブ: 2008/9/8 月曜日

伝えるために。(ポジティブワードの使い方)

自分の気持ちを、そっくりそのまま相手に伝えるということは不可能かもしれない。
ただ、分かり合っている人、ベースとなるものを共有している人には、多少言葉が拙くても通じると思う。
さらに、同じ経験を共有し、同じ空間で伝えれば伝わりやすい。

でも、世の中そんな場面ばかりではない。

あうんの呼吸とはいかない人、同じ経験を共有してない人、遠く離れた人。
こんな人たちにも伝える必要がある。
そうした時には、できるだけ分かりやすい順番で話し、言葉を正確に丁寧に使う必要があると思う。

相手に伝えるポイントはポジティブワードの使い方だと、走りながら思う。
ポジティブワードを丁寧に、的確に使えたら、相手に物事をより伝えられるのではないか。
そんな風に、旅のことを思い出しながら、走っているときに考えた。

ネガティブワードというものは、慎重に使う。
批判したりする時は、人間誰しも慎重になって言葉を選ぶ。
何かを批判するということは、その批判に対して批判されることもあり、それに対して説明をしないといけなかったりする。
批判するためには、その理由が必要で、むやみやたらに批判できない。
説明がつくような、的確な表現での批判をしなければならない。
だから、ネガティブワードは的確に使われることが多いと思う。

一方で、ポジティブワードは軽く話してしまう。
ポジティブワードは乱発される。
一般的に褒めたりして、批判されることは少なく、喜ばれることが多い。
そんなこともあって、ポジティブワードは慎重に吟味することなく、ほいほいと口から出てくる。

ペルーのナスカで、荒野の大地の上にたちまっすぐに引かれた線を見ていた。
あまりにも衝撃的な光景で、真っすぐに伸びる線が何千年も残っていることに度肝を抜かれた。
頭の中が、まっ白になるような感じになった。
その時「すげー」「すげー」「すっげー」と連呼していたらし。
自分では気がつかなかったが、一緒にいたペルー人が馬鹿にした口調で「スゲー」「スゲー」とまねしてきた。
ああ、俺は無意識のうちに「すげー」としか言っていなかったのだと気がついた。

送信者 いろいろ

このときは、衝撃的で感情が高まっているから、「すげー」の連呼でもいいと思う。
ただ、そうではない時にも、こうした表現になってしまうことがある。

僕も、こんな言葉をよく使う気がする。
「きれい」「うつくしい」「すごい」「かっこいい」「かわいい」「すき」「すてき」
本当にきれいだと思っているから「きれい」と言っているのだが、それだけでは伝わらない。
遠くにいる人には伝わらない。
「きれい」なものが置かれている環境だったり、「きれい」なものの色だったり形だったり、「きれい」なものの前後のストーリーだったりが必要だ。
さらに、「きれい」だけではなく、「美しい」「麗しい」「華やか」「艶やか」「鮮やか」など、類義語事典を引けば出てくる。
類義語辞典に載っていなくても、何かに例えた表現などでも表すことができる。

いつも軽く使ってしまうポジティブワードを使うときに、少し表現を考えてみようと思う。
すると、今までは上手く伝わらなかったことが、少しは伝わりやすくなるんじゃないかな。
そんな風に思った、9月初旬の夜。

送信者 八重山2008

[素敵な表現が自然と出てくるような物事に出会えることを願って](PENTAX K10D DA16-45mm ISO: 100 露出: 1/400 sec 絞り: f/6.3 焦点距離: 16mm)

「つながる旅の記憶~寺町健 写真展~」
期間:9月30日(火)~10月5日(日)
   12:00~20:30(Fri ~22:00、Sun ~20:00)
場所:ウナカメラリーベラ
   中野区中野2-12-5 メゾンリラ101
 最寄り駅は中野駅になります。
   お茶やランチもできます。金曜日の夜と土日はいると思います。
http://www.unacame.com/access.html