オーロラの向こうに

「オーロラの向こうに」という小学生向けの絵本がある。
昨年の末ぐらいに発売された絵写真本だ。

この本に興味を持ち、大型の本屋を探したが紀伊国屋にも丸善にもなかった。
紀伊国屋では子供の本コーナーにあるはず(本を探す機械でそういわれた)、店員さんにこの本を尋ねたときは少し恥ずかしさもあった。
なんと言うんだろう、この年齢になって絵本のコーナーにいることが気まずい。
居心地の悪さを感じた。まあ、どってことないんだけど、怪しまれたらめんどくさいなという思い。
ま、そんなことはどうでも良いことだ。

この本は星野道夫さんに憧れ、アラスカ大学に行き、アラスカで写真を撮る松本紀生さんの写真と文章が添えられた本である。
ある1ページにこんな文章がある。

氷河の上におろしてもらって驚いた。
目の前に、まるでピラミッドのようにマッキンリーがそびえ立っているんだ。
「度肝を抜かれた」というのは、まさにこのこと。
それまで見たどんな景色よりも美しく、
壮大で威厳があった。喜びのあまり、
「ウワーーーーー!」と思い切り叫んだのを覚えている。
うれしかったなあ。

この文章の背景の写真は真っ白で、大地にしっかりと根を張ったマッキンリー。
そして青く広い空。
それを目の前に、手を広げる松本さんが写っている。

松本さんの後ろ姿からも、この場所に来れて本当にうれしいんだろう。
そんなことが伝わってくる。
恋いこがれた地に、たどり着いた。
そのときの気持ち。あの憧れを抱いた場所にいる。
茫漠たる自然と向き合った、こみ上げる感情。
どうしようもないぐらい、自分が混乱してしまうぐらいの喜び。

僕も、今まで恋した土地にやっとたどり着いたとき。
あの感情がこみ上げてくるのを経験した。
2008年3月5日


[海を見つめる一羽@ガラパゴス](OLYMPUS ISO: 80 露出: 1/320 sec 絞り: f/13.0 焦点距離: 15mm)


[憧れの地、ウユニ塩湖](OLYMPUS ISO: 80 露出: 1/500 sec 絞り: f/8.0)


[赤岳山頂の日の出(別に赤岳は恋いこがれた地ではないが。。)](PENTAX K10D DA18-55mm ISO: 100 露出: 1/320 sec 絞り: f/18.0 焦点距離: 18mm)

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