泳いで帰れ 奥田英朗 光文社文庫

昼間に本屋に立ち寄った。すると、「泳いで帰れ」というタイトルの本が平積みされていた。
タイトルに惹かれて、手に取り、買おうと思った。手に持ったまま、他の本も物色。
他に欲しい本がなかった。それで、ちょっと買う気がさめてしまし、「泳いで帰れ」も買わなかった。
その夜、友だちにあった。友だちに貸していた、城山三郎さんの「無所属の時間で生きる」を返してもらった。
そのとき、友だちが「これどう」と、貸してくれた本が、「泳いで帰れ」だった。
かなり、驚いた。おお、昼間に買うか迷った本だと。
それで、すぐに読み始めた。

アテネオリンピックに奥田さんが行った時の観戦記だ。
すごい軽いタッチで書かれていた。
時系列に沿って、奥田さんがアテネオリンピックを観戦した競技とその時に感じたことがすのまま書かれている。
気軽に読める本だった。

読んでいて思ったのが、奥田さんの感情と僕は似ているかもしれないと。
例えば、外国のオリンピック観光客に対する感情の抱き方とか、柔道選手が優勝した時の喜び方とか、日本の野球で3、4番がバントした時の怒り方とか。
めんどくさがりな所とか。

わたしのスポーツにおけるファースト・プライオリティは美しさだ。美しければすべて許すのだ。P233

スポーツに対する、考え方も似ている気がする。僕は楽しめるというのもあるが、僕の仲でも美しさはかなり重要なポイントだ。

それで、本の背表紙のプロフィールを見たら、僕と同じ岐阜出身だった。(笑)
まあ、何も関係ないけど、妙に納得したとこがあった。

本の中に出てくる、ギリシャの日常のひとコマ。
ギリシャの町を歩いている時の描写が僕には懐かしかった。僕は99年と2003年にギリシャに行っている。奥田さんが歩いた道も覚えていたりして、パルテノン神殿かー、リカピトスの丘は3回登ったなとか、町中に確かにゼウス神殿はあったなとかとか。

そんなこともあって、気楽に、懐かしく、楽しめる本だった。

奥田さんの旅に対する考えが、本の最後に書かれていた。
ふむふむ。。

旅の経験は、心の中で推敲される。大半の出来事が忘れ去られ、ほんの少しの出来事が記憶として残る。そして残った記憶は、ときどき湧き出てきては、わたしの退屈な日常を励ましてくれる。わたしは旅に生きる人間ではない。居場所は変わらない。旅することで日常に絶える人間だ。P241


[高円寺阿波踊り2007](PENTAX K10D DA18-55mm 35mm F4.5 1/30 ISO400)

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