日別アーカイブ: 2008/6/8 日曜日

そろそろ沖縄について書こうと思う(はじまり)

沖縄から戻りそろそろ1ヶ月が経つ。
沖縄について書こうとずっと思っていたが、今ひとつ気が進まなかった。
こう表現すると、沖縄の旅がつまらなかったのかとも思われるが、その正反対である。
良すぎたと言ってもいいぐらい、充実した旅があった。

旅をしていた日が長かったから、いろいろなことが起こり、書きたいことも多い。
だから、待ち構えるものが大きすぎて筆が(タピングが)進まなかったのかもしれないし、
この旅を、そしてこの旅で起こったことを僕自身が整理できていないのかもしれない。

行った場所は非常に良い場所であるが、ネットに情報がない場所がいくつもあった。
そんな場所について書いて、観光客が増えることを懸念したこともひとつの理由としてはある。
まあ、このブログは影響力がないのだが、検索エンジンとやらでネットに存在しなかった素敵な場所の名前で検索するとヒットしてしまうだろうから、そんな心配事をしたのだ。

他にも理由はいくらでもある。
ある程度長期の旅から帰ると、何か抜け殻のようになる。
それは今までも何度か経験してきた。
今回はそこまで長い訳でもないので、抜け殻という感じにはならなかったが、(意識的にはそう感じなかったが) 僕の気の及ばぬところでそうなっていたのかもしれない。

その他にも、書かなかった理由は無数にある。
いくらでもやらない理由は作り出せるのだから。

沖縄の旅について書く前に、ついつい前置きが長くなってしまった。

今回の旅では主に八重山諸島を旅した。
実は今まで沖縄に行ったことがなかったのだ。
ただ、沖縄に行きたい行きたいとずっと思っていたし、僕の好きな場所になるだろうとも思っていた。
きっかけを待っていたのかもしれない。
そんなきっかけは、10回ぐらい沖縄に行っている友達に誘われたから。

初めて一人で行っても僕の好きなようなディープな沖縄を体感しづらい。
でも詳しい友達と行けば、1回目からそれを味わえる。
これは大きなチャンスとおもった。
もう、友達には感謝するばかり。
前半は一人で旅をして、旅の半分が過ぎたぐらいから友達と合流した。

旅に行く前の話から始めよう。
今回の沖縄の旅が楽しみすぎて、ネットでも本でも調べたし、広角ズームのカメラレンズまで買ったぐらいだ。
小学校の遠足のように、旅に出る前はもう八重山のことしか考えられなくなっていた。
青い海と青い空、海に潜ればサンゴと熱帯魚、そして夕陽を見ながら三線を聞き泡盛を飲む、そんなことを想像した。

沖縄気分をさらに高めようと、沖縄の民謡を聞いた。
夜ジョギングする時も、iPodで沖縄民謡を毎日聴いた。
走るリズムと沖縄民謡のリズムは走りやすいとは決して言えないが、
楽しい日々が目の前に存在していたのだから、リズムなんて気にならず楽しくジョギングをしていた。

そんな楽しみでしかたなかった沖縄の全体の日程としては、石垣島、波照間島、黒島、新城島(パナリ島)、西表島、石垣島、那覇という行程だった。

まずは初日から旅を蘇らせようと思う。
飛行機に乗るのも久しぶりだ。
屋久島に行って以来じゃないかと思う。
だから、飛行機というだけでもう楽しみで心が沸き立つ。
羽田からANAで一路那覇を目指す。そのまま乗り継ぎで石垣島へ。

旅をする前は、石垣島についてはたいして語ることがないはずだと思っていた。
なぜなら、いったん石垣によってすぐに波照間島に行く予定だったのだから。
でも、行ってみたら語ることができた。

石垣空港を降り、バスで市街地へ向かった。
事前にドミトリーを予約してあったので、バスを降りドミトリーを探した。
夕方ぐらいにつくので、ドミトリーで同じ部屋の人と飯でも行けばいいと思い、ココを予約してあった。
旅は一人が楽でいいのだが、飯は一人で食うよりも楽しいのだ。

ところがどっこい、世の中そんなにうまくはいかない。
6人だか8人部屋には僕一人。
まあ一人で飯を食うだけなので、特には困らない。いつものことだ。

フロントでおすすめの店を聞き、外へ出る。
あやぱにモールという商店街をふらつき、離島桟橋を目指す。
旅には移動がつきものだ。

翌日の波照間島行きの船のチケットの状況を調べに行った。
すると、予約はできないらしい。明日の朝くるように言われ、離島桟橋を後にした。

フロントで聞いた店を探したが、地図も持っていないので着けるはずもない。
迷って町をぶらぶらすることも目的だったから、全く問題ないのだ。
偶然にもそのお店があった。外からのぞいてみる。
まあ、普通の居酒屋だ。何となく入る気になれず、また町をぶらついた。

いつの間にやら日も落ちて、暗くなっていた。
ふと気づく。東京よりも日が長いなーって。

そろそろ店に入るかと思い、真剣に店を探し始める。
カウンターがある店があったので、そこに入ることにした。

4、5席のカウンターの端ではおじさんが一人で泡盛を飲んでいた。
僕は2席ぐらいあけて座り、沖縄そば定食と石垣島地ビールを頼んだ。

うん、なかなかうまいじゃん。
あー、沖縄についたなー。久しぶりに旅してるなーっと、にんまりしながら食べた。

半分ぐらい食べたところで、隣のおじさんが「地ビールうまいか?」と尋ねてきた。
一人で旅すると、こうやって声をかけられるし、声をかける。これが楽しかったりする。

「うまいです。」と返事をして、ビールをゴクッと飲んだ。
「こっちの人はあんまり地ビールを飲まんなー。」
「ビールはオリオンだな」と。

ああ、そうかと思い、かつ地ビールの方が高かったので、2敗目はオリオンを頼んだ。
どこ出身? どこに住んでるのかと聞かれたり、沖縄の旅は何回目か聞かれたり。
旅をしているといつも聞かれる定番の質問をされ、話しながら飲んでいた。
阿佐ヶ谷に住んでいるというと、高円寺の「抱瓶」は知っているか?」と聞かれた。
「抱瓶」は高円寺のいや東京の有名な沖縄料理屋。
なんで石垣の地元の人がそんな店をしているのか不思議になる。
が、あまり質問をするタイプじゃないので、聞き流して終わった。

おじさんが、泡盛は飲めるかと聞くので、「はい」と答えると、おじさんが飲んでいた石垣の泡盛「請福」をおごってくれた。
お互い請福を飲みながらだと、話は弾む。おじさんは東京と石垣を行ったり来たりしているという。
さらに、石垣出身だが今はホテルに連泊しているという。なんだ?
いったい何者だ?用心深い俺としては気になる。

すると、おじさんは名刺を取り出した。
そこには沖縄麺の製麺会社の名前が書かれてあり、代表取締役の文字があった。
裏には工場の住所もあり、東京に本社があり、石垣や宮古島に工場があるのだった。
これを見て、ああ、そうかと納得した。
行ったり来たりしているのも、東京の地理に詳しく高円寺の沖縄料理屋について話してきたことも。

その後も、おじさんの自慢話を聞いたり、僕の今までの旅の話をした。
次行くかと誘われ、行くことにした。
おじさんに誘われ、2軒目、3軒目、4軒目と。

石垣ではいつも飲んでいるらしく、どの店も常連のようだった。
常連だけあって滅多に食べられない磯の香りたっぷりの貝(残念なことに名前を忘れた)を出してくれた。
これがむちゃくちゃうまかった。

おじさんは全部おごってくれた。
僕は払うと言ったが、初めて来た沖縄で嫌な思い出を作ってもらったら、また来てもらえないから。
そんな、旅人泣かせな台詞で、かっこよく払ってくれた。

石垣島の市街地は町でつまらんなーと思っていたが、おじさんに出会い変わった。
自分一人では知ることのできない、石垣を楽しめた。
「都市」の旅は人によって左右される、そう実感した。

ただ、最後の店を出た時は朝の5時を過ぎていた。
かなり眠たくてドミトリーに戻り、すぐに寝た。

翌朝起きるとやはり、広いドミトリーの部屋には僕一人だった。
目を覚ますとすぐ、ダッシュで離島桟橋に向かった。
波照間の船に間に合うために。

あ、初日の石垣島だけでこんなにも長くなってしまった。
こうなるのが分かりきっていたから、書くことの腰が重かったのだろう。。。
次は波照間島に向かいます。

旅日記の続き
響きにつられ、この島に行く(波照間島)その1

沖縄の写真リンク

沖縄(八重山/石垣島)沖縄の写真