日別アーカイブ: 2008/5/29 木曜日

二郎抜きでは語れない

僕の大学生時代は、「二郎」抜きでは語れない。
大学のキャンパスのすぐ近くに、二郎 三田本店があったのがきっかけだ。
入学当初から、いろいろな人から二郎の噂話を聞いた。
絶対に食べきれない、腹を壊した、1度食べたらもう十分 などなど。

二郎とは、いつも長い長い行列が出来るラーメン屋。
太麺に醤油豚味のスープ。そして大きなチャーシューがのっている。
前を歩けばニンニクの匂いが漂うほど、ニンニクが効いているのも特長だ。
そして、店の中に鳩が入り込んだり、本店のおやじのテーピングを巻いた指がスープに入る。
そんな日本とは思えない、店と店主も魅力のひとつ。
そして、なんといっても安いしボリューム満点だ。
食ったという実感を味わえる。
こんな食べ物はいまだかつて出会ったことがなく、僕は二郎の虜になった。
卒業前は名残惜しくて週に4回も通っていた。
三田の二郎 本店にはまり、暖簾わけした色々な店舗の二郎に行った。
京急川崎、武蔵小杉、神田神保町、品川、新宿歌舞伎町、新宿小滝橋、池袋、目黒、高田馬場、上野毛など。

さらに、いろいろな友達を二郎ファンにした。
最初は嫌いといっていた人も、いつの間にか好きになっていた。
二郎の宣伝担当者かと思うほどの勧め方をしていた。

二郎はただのラーメン屋ではなく、違った意味を僕に与えてくれた。
僕の中で二郎は学び場だった。二郎大学と言ってもいいぐらい。
二郎では昼時に1時間から1時間半行列に並ぶのだが、その時間は僕にとって最高の読書時間だった。
二郎に通い始め、並ぶ時間が出来て、僕の人生に本を読むという習慣が加わったといっても言い過ぎではない。
二郎に並んだことがきっかけで本を読むことの楽しさを知った。

大学を卒業してからも巣鴨に住んでいるときは池袋が近く、池袋の二郎にちょくちょく行った。
もちろん並んでいる時は、本を読んでいた。

先日、大学時代の友達から電話があった。
色々と話しているときに、友達が二郎が食いたくなったと、ふと言った。
そして、僕の中の二郎熱が再燃した。
二郎が食いたい。 二郎が食いたい。
二郎PC店(二郎について詳しいサイト)に行くと、荻窪にも二郎があることが分かった。

そして先日、阿佐ヶ谷から歩いて荻窪に。
やはり、お客さんが並んでいた。
大学時代の時と同じように本をポケットから取り出す。
中沢新一の「リアルであること」。
並んでいる時間は、読書に集中できる。
そんな貴重な時間。

この二郎臭をかぎながら、待つことによって食べたいという衝動が増す。
食べたい、食べたい。食らいつきたい。
待ちに待った二郎。
ニンニク増し増し、野菜増し増しとトッピングを伝える。
うん、このかおり。幸せ。いただきます。

おお、二郎だと思ったが、荻窪はあっさり味だった。

やはり本店が一番旨いと思う。
慣れ親しんだ親の味が一番うまいと言うが、僕の二郎も同じ。
初めて食べ、大学時代に通い続けたのが三田 本店。
僕の原点は三田 本店だ。

と、ついつい二郎への愛を滔々と語ってしまった。