月別アーカイブ: 2016年2月

元から作ると分かること

元から作る。

さばの味噌煮とかブリの照焼、切り干し大根とか、炒め物、鍋、糀に一晩つけた焼き魚、なんかは作るが、休みの日に時間があるともう少しいろいろと作りこんでみたくなる。突き詰めるというか、こうしたらどうなるのだろうという興味が行動を促すのは、山も仕事も料理も一緒。いろいろと料理をしていると、より原理を突き詰めたくなる。回鍋肉のタレを甜麺醤とかを合わせて作るとか、だしの素じゃなくて昆布とか煮干しからとるってことから始まり、ピザって、どうやって生地が作られているんだろうとか、よくこねるとどんな食感に変わるのだろうとか、薄力粉と強力粉の配分とイーストの配分が出来上がりに与える影響とか。

と、いろいろとアイディアが湧いてきたり、疑問が湧いてくるのでそれを試してみる。まあ、理科の実験をしているようなもんだ。突き詰めていくと、調味料を作りたくなるとか、生地から作りたくなるとか、野菜とか魚も自分でとってきたいとか、料理をのせる皿も作りたいとか。まあ、どこまでやるかは個人の興味関心次第なのだが。まあ、どこまでやるかは別にして、ちょっと興味の赴くままにやってみている。

餃子
餃子の皮を強力粉と薄力粉を混ぜて、お湯でこねて作る。なかなか丸くするのは難しい、そしてサイズも歪になるがもっちりとした皮になっておいしい。具もたくさん包めるし見た目はいまいちだが美味しかった。しっかりこねて30分ぐらい生地を熟成させたからなのか。正直、皮は費用対効果、時間対効果を考えると買った方がいいが、もっちりした味わいは買った皮では味わえない。暇な時にたまに作るのはいい。

ピザ
2日連続で試した。最初は薄力粉と重曹だったが、2回めは強力粉とドライイースト&発酵30分。強力粉の方がうまかったが、ミックスしてしっかりこねて熟成させるとベストじゃないかと今は思っている。あとは、フライパンで片面焼いておくとオーブンで焼く時間が短くて、せっかちな俺にはいい。チーズたっぷりだと美味しいが、お店で食べるよりも油っぽくなく、野菜を多くできるところも良い。餃子より手間はかからないし、見た目も華やかだし、また作ってみたい。カットトマトを乗せたのだが、水気をしっかり切ってないと生地が水っぽくなるので要注意。

ほしいも
さつまいもを買って、スライスして天日干し。しっかりと蒸してあげると甘みがでて良さそうだ。晴れの日が3日ぐらい続かないと作れないので、天気予報をしっかりみて作る日を決めないといけない。まあ、簡単だ。もともとの芋のサイズが2日も干すと半分ぐらいになるのは驚きだ。

食べたとき、思ったより硬くなっていた。分厚く切るといいのか、干し時間の長さの問題か、芋の種類か。商品のは、何か塗ってたり、砂糖水に漬けたりとかしてるのかな?

味噌
味噌って、スーパーに売っているのしか見たことなかったが、家庭でも作れるということと冬の時期に仕込むとおいしいということで、大豆、米麹、塩のセットを楽天で買った。送料込みで2500円ぐらい。出来上がりが3キロになるのだ。まあ、できた味噌を買ったほうが安いのだが、これは遊びだし、ネットのクチコミを読むとどうやらうまいらしいので。

まずは、20時間ぐらい大豆を水につけておく。想像を超えるほど大豆が水を吸い体積が大きくなっていった。かなり大きめの鍋がないと作れない。それから、大豆を茹でる。これまた3時間ぐらいかかって、アクを取りながらゆっくり煮る。大豆が柔らかくなってきたら大豆を取り出して潰す。瓶を使って押しつぶす感じ。茹でた大豆を食べたが、うまかった。しっかりと潰れたら、塩と糀を混ぜておいたものと潰した大豆を混ぜあわせる。最後に樽に空気が入らないように詰め込んでいく。落し蓋と重しを乗せて、あとは6ヶ月から10ヶ月ほど待つと出来上がりらしい。

こんな風に作っているのかと、味噌のできるまでが勉強になった。さて、半年後どんな味噌になるのだろうか。楽しみだ。

それにしても、普段何気なく食べているものがどんなふうに出来上がっているかが分かる。面白い。外食するときに、これってどうやって作られているか考えるようになった。



LOST WORLD8 “This is 最高!”

風が強かった。テントがひん曲がるほどの風は久しぶりだった。テントに戻っても、ほんの少ししかねなかったようだ。外で物音がして、外に出ると淡いピンク色の空が朝が来ることを告げていた。今日は、良い日になるに違いない。淡く美しい空が広がっていく。ロライマの絶壁を赤く染める。空に浮かぶ雲も紅に染まっていく。ひんやりと、そしてキリッとした空気がまた、美しさを際立たせる。朝食もそこそこにして、ずっと空を眺めている。空の色が変化していく、ずっと見ていても飽きることのない光景。


ただ、今日は下山してサンタエレナの町まで戻らなければならない。そして、トレイルヘッドまで25キロ以上ある。迎えのトラックの時間も決まっている。でも、ロライマが僕を引き止める。帰してくれない。こんな美しい世界を見せてくれたら、帰れなくなるじゃん。そんな気持ちだ。

ただ、時間というものは待ってくれない。待ってくれないからこそ、この美しい空を作り出している。と、空を見ながらも手早くテントを片付ける。出発しなければならない、帰りの車を考え5時過ぎに出発する予定が5時半になってしまった。相変わらずガイドは先に下っていく。僕とタクジさんは、最後のロライマを名残惜しむかのように、ひたすら写真を取り、深呼吸をしてロライマを味わい尽くしている。おのずと歩みは遅くなる。どうしようもなく、いい空、いい山、いい景色なんだ。この山に来て一番の天気が最後の日に訪れるなんて、もう1日山にいろと言われているかのようだ。

虹が出た。昨夜の雨のおかげだろうか。虹はテプイを覆いかぶせるようにおおきくかかっている。ありとあらゆる表情のロライマが僕らを迎えてくれた。雨、風、青空、星空、流れ星、虹、暴風、夕焼け、朝焼け、もうこれ以上の表情なんてないんじゃないか、そう思える程だった。偉大という名のロライマは、本当に偉大だった。下山していくと、多くの登山者が登って行くところだった、年末年始に差し掛かるので、ピークシーズンなのだろう。


ぼくらは、何度も後ろを振り返り、振り返りロライマを眺めながら歩いていった。第1キャンプの川を渡り、前日までの大雨で川が増水して、2階渡渉しないといけないという。数日前に渡った川は小川だったのに、そんなにも増水するのかと、再び保水力がないことを実感した。噂通りの増水でザックに全て片付け、ズボンをまくりあげて川を渡った。25キロの長い道のりを歩くのも、これだけの景色が見続けられると、曇だった行きのような長さを感じることはなかった。

11時30分にトレイルヘッドの村についたが、迎えの車は来ておらず、受付で石や植物を盗んでないか、ザックを全て開けてチェックされた。近くの掘っ立て小屋の売店にセルベッサ(beer)が売っていることをタクジさんが見つけて買ってきてくれた。そして、サルー(乾杯)!いやー、うまい。心地よい、最高の気分だ。思わずふたりとも笑みが溢れる。しみじみと、この最高の山行を回想していた。良かった、実に良かった。最高だった。

車が迎えにきて、乗り込む。行きと同様に転倒すると思うぐらいに車は右に左に揺れながら、デコボコの登山道を下っていく。ただ、疲れているはずなのに、この揺れすら心地よく感じてしまう、そんな気持ちにさせてしまうロライママジック。

満たされ、幸せな感情浸りながら、車でロライマを振り返っていた。タクジさんに感想を聞くと、

「よかったよ、ただそれだけだよ。」
「This is最高!」

まさに、そうだった。これが最高だ、それ以上の言葉は存在しない。今は、心地よい疲れが心と体を満たしてくれている。

日本出てから100時間以上かけて、トレイルヘッドまでやってきた。長い雨もあり、停滞もし、でも目の前の雲が風とともに消え去り、ロライマが現れた。思わず、口をつく。言葉にならない声が、心の奥底から脊髄反射で出たロライマのっ姿。うまくいくこともあり、いかないこともあったけれど、移動しながら、人と触れ合い、自然と向き合い、天気にヤキモキしながら旅を続ければ、旅はおのずと旅らしくなっていった。

サンタエレナに着く途中のバスターミナルでシウダ−ボリバルかプエルトオルダス行きのバスを探したが、すぐはなかった。夕方にあるようだったので、いったんサンタエレナの町に向かった。ロライマに行く前に行った宿に行き、1部屋とった。まあ、安いしシャワーを浴びてゆっくり荷物を片付けるためにも必要だし、夜行バスに乗れなかったら戻って泊まればいいし。シャワーを浴びてすっきり。

腹が減った。まともなものが食べたい。町に出るが、あまり店はやってない。年末年始だからだろうか。一番があり、何軒かやっていたが、ポジョ(鶏肉)はなく、ペスカード魚のみだった。まるっと揚げた魚を、カラカスから旅行に来ていた家族と食べた。やはり、地上の飯はうまい。

宿に戻り荷造りをして、タクシーでバスターミナルに向かう。窓ガラスもしっかり閉まらない、ボロいバス。旅に出たら、現地を味わいたい。できれば、ローカルバスも、タクシーも、歩きも、電車もいろいろ乗って、その国を知りたい。ということで、地元民が乗るローカルバスに。こういった考えはタクジさんと似ている。

とは言え、実際に乗ると一番後ろの椅子でリクライニングは倒れない。さらに、前の席の人はMAXにリクライニングを倒して狭くなるw長距離バスなのに、トランクがなく、バックパックは足元。さらに、スピードが出ると風が入り込んで寒すぎる。爆音で現地の音楽が流れ、斜め前の兄ちゃん4人はゲイw、さらに隣のカップルは大きなアイスボックスを足元に置いて、氷とロンを取り出して飲み続け、泥酔。もう、笑うしかない。2人でばくしょうした。学生じゃないんだからとw10年以上前の旅を懐かしむかのように、今の時間を楽しんだのだった。幸運だったのはつかれていたので、こんなバスでも寝れたこと。こうして、シウダ−ボリバルへと向かった。

未来を経験した人たちからのアドバイス

最も未来を的確に予測するのは、その未来を自分で作ることだと、ビルゲイツかアンチグローブか誰かが話してた。95年ぐらいにビル・ゲイツが書いた、未来を語るという本を読むと、本当に彼は予測していたとも感じるし、そういった世界を彼が作ってきたとも思えてくる。

これから二十年後は、誰も正確に予測できない。テクノロジー、自然環境、国債政治、宗教、戦争、病気などなど要素が多岐にわたる。

一方、個人の二十年後は、比較的予測できるかもしれない。いや、こちらも正確には予測できないのだが、経験した人たちがすでに存在するという点で。複数の自分より年齢の上の人からの、経験を踏まえた上でのアドバイス。当たり前のことしか、書かれてないが、あらためて年をとると大切と感じるようになるんだな、肝に銘じて生きようと思う。

結局、年を重ねないと分からないことがある。どんな天才でも分からない。体の衰え、脳の衰え、子供を育てる経験、年下が多くなる、お金を持つ、同世代が死んでいくなどなど。だから、未来の自分の年齢を生きた人たちの意見は参考になる。1人ではなく、多くの人が口を揃えて言うことは、自分も直面する可能性がたかいのだから。

そして、近現代史を国内も世界史も勉強したいと思う今日このごろ。引っ越してまだ本を荷解きしていないので、早く荷解きして本でも読もうと思う。

 inc magazineより

1. Start saving money for retirement now, not later
2. Start taking care of your health now, not later
3. Don’t spend time with people who don’t treat you well
4. Be good to the people you care about
5. You can’t have everything; focus on doing a few things really well
6. Don’t be afraid of taking risks, you can still change
7. You must continue to grow and develop yourself
8. Nobody (still) knows what they’re doing, get used to it
9. Invest in your family, it’s worth it
10. Be kind to yourself, respect yourself

いつもの石打、いつもの焼き肉、いつものやすらぎ

いつもの石打、いつもの焼き肉、いつものやすらぎ。

毎年恒例行事のひとつ石打スキー。いつものメンバー。

今回は土曜の朝に新幹線で越後湯沢に向かう。越後湯沢からピステに行き、石打スキー場へ。と、いつもと同じだが、噂通り雪が少ない。いやないと言っても過言でないほど。道路の両脇にも雪がない。道路の路面も凍ってない。雪が積もってないので、視界が良くて不思議な感覚だ。ゲレンデも草が見えたり、雪不足でクローズしているコースが有ったりと、これは大変だ。観光客が少ないだろうし。

とりあえず空いているコースを滑って楽しむ。今年1回めなので、最初は調子がつかめなかったが3本くらい滑ると感覚を取り戻してきた。お昼にレストランに行くもまさかのレストランの水道も壊れて、水が出ないというので限られた食事のみだった。

と、スキーを楽しんで、一度マンションに戻って、さあ石打ドライブインで焼き肉。ここは恒例の場所。安くてうまい。キムチとかナムルがうまいし、タレに使った肉が最高だ。辛いスープも。このメンバーで、ここにくると冬だなと思い、ほっとするのだ。スーパーで買物をしてマンションに戻ると、カスミンと遊び、お風呂に入り、お酒を飲んでライブDVDを楽しむ。

こうしてのんびり泊まって話しながら、食べて、飲んでしている時間って意外と少なくて、とても貴重な日だ。いつの間にか眠りについていた。こうして、いつの間にか寝ているという幸せ。

翌朝、起きてダラダラして、朝ごはんを食べて。それぞれが、外で遊んだり、新聞読んだりとこの自由さもいい。珍しく、近くの温泉に行き、新聞に載っていたセンター試験を解いてみると全然できないことにショックを受け、つけ麺を食べて再び新幹線で東京に戻った。あっという間の新幹線。本当に便利な場所だなと思う。そして、いい時間を今年も過ごすことができた。

LOST WORLD7 雨、雨、雨、そして流れ星

朝目を覚ますと、雨が降っていた。ロライマに来てから雨が多い。ロライマはいつも天気がコロコロ変わると聞いていたが、本当にそんな天気を目の前にすると、晴れてくれ、晴れてくれと願うばかりだ。

昨日トリプルポイントに行けなかったので、今朝晴れていたら、トリプルポイントに行ってからベースキャンプまで降ろうと考えていた。そう考えると、トリプルポイント往復の時間を考えると、タイムリミットが近づいてくる。でも、いっこうに雨が止む気配はない。トリプルポイントに行きたいが、昨日と同じでこの天気で行っても何も見えない。悩ましい。ガイドを置いて二人でいこうかとも話したが、結局テントの中で、朝ごはんを食べ、お茶をして話をしていると、もう昼が近づく、もう無理だと2人でトリプルポイントを諦めた。

目の前はいつの間にか雨が溜まり池になっていた。その水はどんどん推移が上がっている。こんなにも雨の影響を受けるとは、すごい地形だ。全く地面が見えなくて、本当にここを歩いて下るのかと思うと嫌になるほど。昼過ぎて、この調子だとベースキャンプに着く頃には暗くなってしまうかと思う。ただ、雨も降っているので頂上で延泊するのかとも思い、ガイドに聞くと降りるという。それもベースキャンプを過ぎて第1キャンプまで。そこには彼の仲間がいて、食料があるからっぽかった。しかし、第1キャンプまで降りると、万が一晴れても景色を楽しめない。当初の予定通りベースキャンプに泊まりたい。そう話すとガイドとバトルになった。

ただ、ガイドも諦めたようだった。下山するときも雨。まるでプールのように水が溜まっている。保水能力が無い山は、これほどまでに水が一気に貯まるのかと思うほど。靴が濡れるというレベルではなく、池の中を歩いている。これじゃ、道も分からないからガイドがいてくれて助かった。

下っていく。急な斜面は洪水状態。登山道も川になっている。頂上から雨が洪水となって流れている。これは大地も削られる。そして砂状だから、特にだ。下って行くと現地のポーターは靴下で登っていたりクロックスだったりと、驚き。さらに、まだ4歳ぐらいの小さな子も。震えていた。大丈夫かと思ったが、まだ登っていくようだった。


滝の下を通るときの水には驚いた。バケツをひっくり返したというレベルではなく、もう上も下も右も左も分からないレベルの水が空から降ってくる。雨と増水した滝と。ただ、土で汚れたレインウエアがきれいになった笑ベースキャンプに近づくと雨が小ぶりになっていった。

ここまで降りちゃったというなにか寂しい、不完全燃焼な気持ちもあった。トリプルポイントに対する未練と雨で停滞ばかりで体をあまり動かしてないからだろう。ベースキャンプに着くともう暗くなるので、テントをすぐに張る。初日に見たような夕日は見れなかった、そしてまた小雨が降ってきた。テントを貼ると水の通り道だったのと雨で、地面が水で染みてきた。緊急用に持ってきたエマージェンシーシートを床に敷き対応した。いつもと同じ尾西のご飯を食べて、早々に寝た。

夜中に起きると、満天の星空だ。起きた理由は風が強くて音で目覚めたのだ。テントが右に左に風でしなっている。ペグが抜けそうなほどだ。タクジさんは夜中にペグを打ちなおしていたし、近くのテントの登山者は、こんなんはじめてで、死ぬかもと思ったと話していた。ただ、この風が雨雲を吹き飛ばし、ロライマ初の満天の星空を連れて来てくれた。星とロライマのシルエットが美しすぎて、うっとりするほどだった。バカラのグラスでウイスキーを飲みながら、眺めるのに最もマッチした光景だなとふと思った。そうして、夜空を眺めながら写真をとっていると、あっ、星が流れた。本当にロライマはいろいろな顔を見せてくれる。青空に夕日に、星空に、雨に、風にと。そして、またテントに戻り再び眠りについた。